
東証プライムの売買代金は概算で4兆7900億円と高水準。業種別では全業種がプラスとなっており、輸送用機器、証券・商品先物、卸売などが強い上昇。サービス、海運、陸運などが相対的に見劣りする上昇となった。1Qが大幅な増収増益となったプログリットに買いが殺到しており、場中は値が付かずストップ高比例配分。半面、1Qが最終赤字となった明光ネットワークジャパンが大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1064/値下がり548。円安進行を受けて、トヨタ、ホンダ、スズキなど自動車株が軒並み大幅高。連日の株高を受けて、野村HD、大和証券G、SBIHDなど証券株が賑わった。日経新聞で注目企業として取り上げられたダイキンが4%近い上昇。証券会社のリポートなどを手掛かりに、三井物産や丸紅など商社株に買いが入った。1Qが大幅な増益となったカーブスHDが急伸した。
一方、幅広く買いが入る中でレーザーテックやソシオネクストなど半導体株の一角が逆行安。サイゼリヤやパルGHDは決算に加えて株主還元強化を発表したが、株価は強い売り反応となった。3Qが減収減益となったベルシステム24が大幅安。総じて大型株の動きが良く、ナルネット、雨風太陽、マーソなど上場して日が浅い銘柄に大きく売られるものが散見された。
日経平均は連日で600円を超える上昇。34000円を上回った翌日に35000円を上回った。大幅ギャップアップで始まりながら陽線を形成しており、場中の動きも強かった。本日の米12月消費者物価指数(CPI)に対して米国マーケットがどういった反応を見せるかが注目されるが、これだけ上げれば反動売りが出てきても当然の反応と受け止められる。押し目を待っている投資家は多いと推測されるだけに、仮に下げたとしても陽線を形成する公算が大きい。上昇する場合には一段と売り手不在となることで値幅が出やすくなるだろう。36000円はともかく、35500円乗せはあっても驚きはない。
あすの引け後には安川電機が3Q決算を発表予定。結果が良ければ週明けには製造業が物色されやすくなる。きのうは大型グロース株の深掘りが進み、きょうは自動車株が見直された。さらにロボット・FA・機械関連などの動きが良くなるようなら、日本株の買い安心感はさらに高まる。短期間の急騰で高値警戒感はくすぶるが、物色の裾野は広がっている。逆張りではなく順張りで臨む局面だ。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ