
東証プライムの売買代金は概算で4兆0600億円。業種別では精密機器、その他製品、医薬品などが上昇した一方、海運、石油・石炭、鉄鋼などが下落した。指数に値幅が出る中、ファーストリテイリングが買いを集めて4%近い上昇。半面、海運大手の日本郵船や商船三井は株高の流れに乗れず逆行安となった。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1051/値下がり537。任天堂が商いを伴って大幅高。証券会社が投資判断を引き上げた京セラが6%を超える上昇となったほか、村田製作所やロームなども強く、京都に本社を置く銘柄の動きの良さが目立った。本社が大阪のキーエンスも5%近い上昇。ソニーGやOLCなど、投資家人気の高い銘柄にも強い買いが入った。「レカネマブ」が中国でアルツハイマー病治療剤として承認を取得したと発表したエーザイが大幅高。1:5の株式分割を発表した壱番屋が急伸した。
一方、富山第一銀や西日本FGなど地銀株が全般軟調。株高ではあったが岡三証券Gや東海東京HDなど証券株には下落銘柄が多かった。総じてグロース株優位の地合いの中、日本製鉄やJFEHDなど鉄鋼株が軒並み安。決算を材料にウエルシアHDやネクステージが大幅安となった。
日経平均は大幅高。きのう超えられなかった節目の34000円を難なく上回り、高値は34539円まであった。2023年の大納会の終値が33464円で、今年に入って4営業日で1000円近く上昇したことになる。きょうが意外高の感はあるため、短期的には反動安に警戒を払う必要はある。ただ、下げても初押しのような形となるため、上昇に乗り遅れた投資家からの買いは入りやすい。もみ合いを上に放れたチャート形状でベア派には分が悪く、売り方の買い戻しを巻き込んで踏み上げ的な上昇が続いても不思議はない。
米国ではあす11日に消費者物価指数(CPI)、12日に生産者物価指数(PPI)が発表される。本日の米国市場でナスダックが強いか弱いかが、あすの日本株を大きく左右しそうだ。ナスダックが弱ければ直近で買われたグロース株には利益確定売りが出てくると思われる。一方、ナスダックが強ければ米国マーケットが物価指標をそれほど警戒していないとの見方につながることから、上値追いが継続する公算が大きい。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ