
東証プライムの売買代金は概算で3兆6200億円。業種別では海運、輸送用機器、パルプ・紙などが上昇した一方、保険、石油・石炭、不動産などが下落した。今期の営業黒字転換見通しが好感されたモルフォが急騰。半面、今期の大幅減益見通しが嫌気されたミロクが急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり437/値下がり1179。日本郵船、川崎汽船、商船三井の海運大手3社がそろって急伸。紅海航行リスクが高まったことで、海上運賃にはプラスの影響が出てくるとの見方が強まった。郵便料金値上げ観測を手掛かりに日本郵政が上昇。トヨタ、日産自、マツダなど自動車株が全般堅調となり、デンソーが商いを伴って2%近く上昇した。自己株取得を発表した日産化学が大幅高。決算が好感されたギフトHDが急騰した。
三井住友やみずほFGなど金融株が全般軟調。その一方で三井不動産や住友不動産など不動産株も軒並み安となっており、金利に敏感な両極端の業種がどちらも売られた。これにより、全体では日本株の買いづらさが強く意識された。ソニーGやリクルートHDなどグロース色の強い銘柄が大幅安。東電HD、中部電力など電力株や、西武HD、JR東海など鉄道株が軒並み安となった。QPS研究所、ブルーイノベーション、S&Jなど直近上場株に大きく値を崩すものが散見された。
本日、グロース市場に新規上場した雨風太陽は公開価格を大きく上回る初値をつけたものの、終値は初値を大きく下回った。
日経平均は大幅安。米国株やドル円は小動きであったが買い手不在の感が強く、終日マイナス圏で推移した。あすは日銀会合の結果が発表される。きょう弱い中で自動車株に買いが入ったところを見ると、結果発表直後の反応としては円安を呼び込むことができるかが注目される。引け後の植田総裁会見まで確認しないと日本の金融政策の方向性は見定めづらいが、米国株はFOMCを通過してから非常に動きが良くなっている。日銀が円高にブレーキをかけてくれるようなら、この先は米国株との連動性が高まってくるだろう。一方、一段と円高が進んでしまうようだと、年末にかけては日本株独歩安の展開も想定される。直近では植田総裁の発言が急激な円高を招いたが、日銀会合がそれを修正するイベントになることに期待したい。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ