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【市場概況】東京為替見通し=FOMC後の米利下げ観測高まりドルの上値は重いか

海外市場ではドル円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言が「市場で広がっている来年の利下げ観測を後押しする内容だった」との受け止めから、米金利が急低下するとドル売りが加速し142.65円まで大きく値を下げた。ユーロドルは一時1.0896ドルまで上値を伸ばした。

 本日のドル円相場は、昨日のFOMCの結果を受けて上値が重い動きとなりそうだ。昨日はパウエルFRB議長が「きょうの会合で利下げのタイミングを協議した」「政策金利は今サイクルのピークかそれに近いと考えている」などと発言。ドットプロットではFF金利見通しを、2024年末時点の中央値を4.6%と、前回の5.1%から下方修正した。この結果を受けてシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、来年3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ予想は、前日まで約41%が利下げ予想だったものが、約78%まで上昇している。米金利の低下がドル全体の重しになるだろう。

 FOMC後に米10年債利回りは一時8月10日以来の4.00%台まで低下したが、同日のドル円は143-144円台で取引されていた。米金利の低下幅とドル円の下落幅はほぼ同じだが、日銀がマイナス金利政策解除に舵を切るとの観測が強いことで、円は更に買い上げられる可能性もありそうだ。

 来週18-19日に行われる日銀政策決定会合を前に、会合前は日銀の政策を事前に小出しに伝えようとする日経新聞は、本日も「金利のある世界に備え」との見出しで、マイナス金利政策解除だけではなく「継続的利上げ 耐えられるか」とも記載している。もっとも、同紙が指摘するように、市場関係者の中で来週にマイナス金利政策解除を行うとの予想はほぼないが、地ならしを始める可能性はありそうだ。あくまでも観測記事ではあるが、海外勢はこのような記事に対しては反応が敏感なこともあり、ドル円の上値を抑える一因になりそうだ。

 また、昨日発表された日銀短観の、全規模・全産業の2023年度の下期想定為替レートは139.97円となっている。現行水準から3円程度しかないことで、円安局面では輸出予約が入ることも考えられる。なお、本日は本邦からそれぞれ10月の機械受注、鉱工業生産確報、設備稼働率などが発表されるが、円高基調ということもありポジティブサプライズには要警戒となりそうだ。

 円以外の通貨では、オセアニア通貨の動きに注目したい。11月の食品価格が3カ月連続でマイナスとなり、インフレ鈍化予想となっているニュージーランドだが、本日早朝に発表された7-9月期の国内総生産(GDP)はプラス予想がマイナスに転じ、NZドルは上値が重く推移している。この後に豪州から11月の雇用統計が発表されることで、オセアニア通貨が軟調地合いとなっている中で、ネガティブサプライズへの反応が敏感になりそうだ。

(松井)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ