
東証プライムの売買代金は概算で3兆5800億円。業種別では陸運、ゴム製品、食料品などが上昇した一方、精密機器、鉄鋼、機械などが下落した。証券会社が投資判断を引き上げたUACJが大幅上昇。反面、軒並み安となった半導体株の中でも、アドバンテストが6.2%安と弱さが目立った。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり294/値下がり1333。アドバンテストの他にもSCREENやルネサスが5%台の下落、東京エレクトロンが4%近い下落と半導体関連が総崩れ。半導体株以外にもファーストリテイリングやリクルートなどグロース色の強い銘柄が大幅安となった。グロース市場でもジーエヌアイ、フリー、JTOWERなど人気どころの銘柄が大幅安。下方修正を発表したグッドコムアセットが一時ストップ安となるなど叩き売られた。
一方、ドル円が円安に振れたことを材料に、SUBARU、日産自、ホンダなど自動車株の多くが上昇。ディフェンシブ性が評価されたか、JR東日本やJR東海など鉄道株全般に資金が向かった。山崎製パン、カルビーなど食品株の一角が堅調。上方修正と増配を発表したタムロンが大幅高となった。
日経平均は大幅安。「SQ週の水曜は荒れる」といったジンクスがあるが、今回は火曜に相場が大きく荒れた。4日の米国株は下げたものの、相場の変調を予感させるような動きを見せたわけではなく、むしろ健全な利益確定売りのようであった。米10年債利回りは上昇したが、その前までの低下度合いが大きかっただけに、時には反動も生じる。しかし、日本のグロース株は、米国で長期金利が上昇したことが、ネガティブサプライズであったかのように軒並み安となった。そして、そのグロース株の下げが全体のセンチメントを大きく悪化させた。
グロース株、特に半導体株は11月に大きく上げた分、短期的には上がり目には乏しそうだが、全体が半導体株の弱さに神経質に反応するようだと、12月には期待を持てなくなる。日経平均(5日終値は32775円)は25日線(32808円、5日時点、以下同じ)近辺で取引を終えており、ここで踏みとどまることができるかが注目される。これより下には26週線(32456円)、13週線(32406円)、75日線(32319円)などサポートとなりそうな水準が結構多い。ただ、きょうレベルの下げがもう一発あってこれらを割り込んでしまうようだと、年末に向けてリスク回避の動きが加速する展開も想定される。流れが向きかけていたグロース株が崩れたことで相場の主役を見定めづらいが、グロース株にまだ全幅の信頼を置けないのであれば、バリュー株が復活するシナリオも考えられる。とにもかくにも12月に入って日本が非常に弱い市場となっているだけに、流れを変える動きが出てきてほしい局面だ。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ