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【見通し】株式明日の戦略―為替をにらんで乱高下、仕切り直しの買いは入るか

20日の日経平均は反落。終値は197円安の33388円。米国株高を受けても小安く始まったが、すぐにプラス転換すると上げ幅を3桁に拡大。7月につけた年初来高値(33753.33円、7/3)を上回った。しかし、そこから33800円台に乗せたところで買いが一巡すると、為替が円高に振れたことに対する警戒が強まり急失速。前場のうちにマイナス圏に沈んだ。後場は自動車株が厳しい下げとなり、安いところでは下げ幅を200円超に拡大。33300円台では下げ渋ったものの、引けにかけて売り直されて安値圏で終了した。グロース250指数は小幅高スタートから場中は上げ幅を広げ続け、2%を超える上昇で取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆6700億円。業種別では保険、鉱業、銀行などが上昇した一方、輸送用機器、非鉄金属、ゴム製品などが下落した。円高がクローズアップされたことから、円高メリット銘柄とみられているニトリホールディングスが後場に強く買われて4%高。反面、トヨタが円高を材料に後場に一段と売り込まれて3.9%安となった。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり521/値下がり1110。パナソニックが先週のリリースを好感する買いが続いて5%近い上昇。決算を材料に東京海上が大幅高となり、上場来高値を更新した。カバーが商いを伴って急伸。アドベンチャーやハナツアーなどインバウンド関連の一角に資金が向かった。販売商品の自主回収に伴い損失が発生する見込みであることを発表したベースフードが、悪材料出尽くし期待からストップ高まで買い進まれた。

 一方、自動車株が軒並み安となっており、トヨタ、ホンダ、日産自、スズキ、SUBARUがそろって3%台の下落。マツダは6%を超える下落となった。タイヤ株にもネガティブな影響が波及しており、ブリヂストンや住友ゴムが大幅安。車載向け半導体に強みを持つルネサスも下げが大きくなった。下方修正を発表したMS&ADが大幅安。大林組、鹿島、大成建設など、大手ゼネコンの弱さが目立った。

 米国動向からは動意が限られるかと思われたが、蓋を開けてみれば大幅高となって年初来高値を上回った後に大幅安と、目まぐるしい動きになった。為替に関しては、大きな動きが出てきた以上、短期的には円高に弾みがつくかもしれない。円キャリートレードの巻き戻し需要が発生しやすくなる上に、もし、政府が円安を解消したいと狙っているのであれば、こういうタイミングで介入を行えば非常に効果的となる。

 ただし、円高はドル安の裏返しで、ドル安は米国株にポジティブに作用する。米国株が上がりやすくなることは、日本株にもメリットがある。米国の長期金利が上がりづらくなるのであれば、日米金利差拡大期待が後退するのは当然。米長期金利が低下して円安も進むという日本株にだけ都合の良いシナリオを期待するのは虫が良すぎる。ここから145円台くらいまで円高が進んだとしても、輸出関連企業の多くの業績に悪影響は出てこないと思われる。また、きょうのニトリHDのように、円高になれば見直される銘柄も出てくる。為替に関してはボラティリティが大きくなることはやっかいではあるものの、「円高=日本株売り」とは限らない。

 日経平均も乱高下はしたものの、197円安というのはクラッシュを想起させるよな下げではない。失速によりかすんでしまったが、場中には今年の高値を上回っている。指数の場合、「年初来高値更新」の判断は終値ベースとなるため、高値更新にはならなかったものの、今年初めて33800円台にも乗せている。自動車関連は目先は嫌われる要素があるが、あすは為替の影響が少ない銘柄を中心に仕切り直しの買いが入る展開に期待したい。


・提供 DZHフィナンシャルリサーチ