◆豪ドル、ドル相場主導の動きが継続
◆米国の感謝祭を控えて手控えムードが強まる可能性
◆ZAR、流動性低下する中でSARB金融政策発表後の荒い値動きに注意
予想レンジ
豪ドル円 96.00-100.00円
南ア・ランド円 8.00-8.50円
11月20日週の展望
豪ドルは神経質な展開が予想される。10日に公表された豪準備銀行(RBA)の四半期金融政策報告では消費者物価指数(CPI)やCPIトリム平均などの見通しが軒並み上方修正され、CPIがRBAのインフレ目標である2-3%のレンジ内に収まる時期についても2025年末へと後ずれした。豪金融引き締めの長期化観測が高まるなか、来週21日には5会合ぶりの追加利上げを決めた今月分の金融政策決定理事会議事要旨が公表予定。今後の金融政策に関してさらなるヒントが得られるか注目される。
もっとも、今週の豪ドル相場は総じて米経済指標やドル相場の動向に振らされ、豪州からの独自の材料に対しては反応が乏しかった。来週も外部要因に振らされる相場展開となる可能性が高く、警戒しておきたい。ただ、来週は23日に米国の感謝祭が控えていることから、全般に手控えムードが広がりそうだ。
なお、テクニカル的にみると、豪ドルは対ドル・対円ともに下値の堅さを確認した格好となっている。ドル円には政府・日銀による介入警戒感なども根強く残っているが、日銀の金融緩和方針を手掛かりした円売り圧力も続いているため、特に対円では豪ドルも下値を支えられそうだ。
隣国のニュージーランドでは21日に10月貿易収支、24日に7-9月期小売売上高が発表される。ただ、前述したように来週は感謝祭ウィークで相場全般に様子見ムードが広がることが想定されるほか、翌週の29日にはNZ準備銀行(RBNZ)による年内最後の金融政策決定会合が控えていることもあり、持ち高を積極的には傾けにくくなるだろう。
南アフリカ・ランド(ZAR)は荒い値動きに注意が必要となる。来週は22日に10月消費者物価指数(CPI)、翌23日には南アフリカ準備銀行(SARB)の金融政策と重要イベントが数多く予定されている。SARBは8.25%で金利据え置きの予想となっているが、感謝祭当日で流動性の低下が予想される中での発表となるため、金融政策公表後は荒い値動きとなる可能性に警戒しておきたい。なお、国営輸送会社トランスネットは前週に返済期限を迎えた44億ランド債務を借り換えることで合意したが、今週に入って米格付け会社ムーディーズが同社の流動性の低下と借り換えリスクの高さを懸念しているとして、「トランスネットの信用格付けを格下げ方向で検討に入った」と報じられた。こちらは南アフリカ経済にとって中長期的なマイナス材料となる可能性があり、続報に注目しておきたい。
11月13日週の回顧
豪ドルは強含み。14日に公表された10月米消費者物価指数(CPI)が予想比で下振れたことを受け、米長期金利の急低下とともにドルが全面安となり、豪ドルも対ドルを中心に上昇。豪ドル円もつれ高となった。ZARも強含み。14日の米インフレ指標をきっかけに対ドル・対円でZAR買いが強まり、ZAR円は連日で年初来の高値を更新した。(了)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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