◆豪ドル、RBAは5会合ぶりに利上げもタカ派姿勢は弱まったとの見方
◆豪ドル、今回が最後の利上げとの思惑浮上
◆ZAR、国営企業の問題が経済成長を大きく圧迫
予想レンジ
豪ドル円 94.00-97.50円
南ア・ランド円 7.80-8.20円
11月13日週の展望
豪ドルは弱含む展開が予想される。豪準備銀行(RBA)は今週に開催された金融政策決定理事会で政策金利を現行の4.10%から4.35%へと引き上げることを決定。5会合ぶりに追加利上げに踏み切った。足もとでインフレ統計が予想を上回っていたことに対処した格好となったが、声明文では今後の金融政策について「金融政策をさらに引き締める必要があるかどうかは、データとリスク評価次第」と言及。前回(10月)の声明文では「金融政策のさらなる引き締めが必要になる可能性がある」としていたため、市場では「中銀のタカ派姿勢は弱まった」として今回が最後の利上げになるとの思惑も浮上した。
豪3年債利回りはRBAの金融政策公表後に低下基調を辿っており、短期金融市場でも先行きの利上げ織り込み度は低下。豪州の金利先高観が後退するなか、豪ドル相場の重しとして意識されるだろう。
なお、来週は豪州から14日に11月ウエストパック消費者信頼感指数や10月NAB企業景況感指数、15日に7-9月期賃金指数、16日に10月雇用統計などの発表が予定されている。特に賃金インフレの圧力については確認しておく必要があり、豪ドル相場に影響を及ぼす可能性が高いだろう。
隣国のニュージーランドでは17日に7-9月期卸売物価指数(PPI)が発表される。29日にはNZ準備銀行(RBNZ)による年内最後の金融政策決定会合が控えているが、その前の物価統計とあって注目を集めることになりそうだ。なお、先月公表された同四半期の消費者物価(CPI)は市場予想を下回る結果となっている。
南アフリカ・ランド(ZAR)は上値の重い動きとなりそうだ。南ア政府が1日に発表した中期予算案は海外投資家などから一定の評価を受けたものの、国内問題は依然として山積み。国営電力会社エスコムは今後5年間の見通しに関するレポートの中で、電力負荷制限がさらに増加し大幅な発電不足が発生する可能性が高いと述べた。また、国営輸送会社トランスネットは今週に返済期限を迎えた44億ランドの債務を繰り越すことで合意したが、来年3月に再び返済期限を控えて政府に支援を要請している。経済成長を大きく圧迫している国営企業の問題は、中長期的なZAR売り材料として意識されるだろう。来週は14日に7-9月期失業率、15日に9月小売売上高の発表が予定されており、こちらにも注目しておきたい。
11月6日週の回顧
豪ドルは弱含み。RBAは7日に5会合ぶりの利上げを決めたが、市場はタカ派姿勢が後退したと受け止め、その後は豪金利の低下とともに対ドル・対円で豪ドル売りが進んだ。
ZARもさえない動き。ZAR円は週初に年初来高値を更新する場面があったものの、その後は全般にドル高が進んだことに伴い、対ドル主導で戻り売りに押された。(了)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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