![](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/n/navimedia/20230712/20230712110527.png)
東証プライムの売買代金は概算で4兆8100億円と高水準。業種別ではその他製品、医薬品、空運などが上昇した一方、石油・石炭、鉱業、パルプ・紙などが下落している。上方修正や増配を発表したユー・エス・エスが急伸。半面、下方修正を発表した東海カーボンが急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり404/値下がり1227。上方修正を発表した任天堂が6%を超える上昇で年初来高値を更新。マツダが10.4%高、スズキが%3.2高と、上方修正を発表した自動車株が買いを集めた。小林製薬、参天製薬、新日本製薬など、薬品株にも決算を材料に強く買われる銘柄が散見された。富士ソフトが上場子会社4社を完全子会社化するとの観測が伝わり、名前の挙がったサイバーコム、ヴィンクス、サイバネットシステム、富士ソフトサービスビューロに買いが殺到。これら4社は真偽確認のため13時19分に売買停止となった。
一方、メガバンクの三菱UFJ、三井住友、みずほFGが4~5%台の下落。原油価格の大幅下落を受けて、INPEX、ENEOS、出光興産、コスモエネルギー、富士石油が5~6%台の下落となった。三菱重工、川崎重工、IHIの重工3社も下げが大きかった。ユニチャームやヤマハ発動機が決算を受けて大幅安。大阪チタニウムや明治HDは上方修正が評価されず急落した。
本日、グロース市場に新規上場したDAIWA CYCLE(ダイワサイクル)は、初値は公開価格を上回ったものの、終値は初値を大きく下回った。
日経平均は続落。場中は振れ幅が大きく、方向感が定まらなかった。米国の長期金利は低下したが、これに伴うネガティブな影響の方が強めに出てきてバリュー株が総崩れとなった。この動きに関しては、大きなトレンドの変化を示唆している可能性がある。米国の長期金利は低下したが、だからといってきょうバリュー株を強く売る理由は乏しい。ただ、米10年債利回りはさすがに天井感が出てきたような雰囲気はある。また、日々の振れ幅も大きくなっている。米金利が急低下するかどうかはともかく、上昇継続に対するハードルは上がる中、バリュー株を手じまう動きが強まったように見える。
きょうは追い風を受けるグロース株の動きが案外で日本株全体としては軟調となった。もし今がトレンドの転換期であるならば、グロース色の強い銘柄に買われるものが増えてこないと、株高への期待は後退する。今は半導体株が受け皿となっているが、これだけでは危うい。きょうは決算を材料に任天堂が年初来高値を更新したが、ゲーム株は銘柄数も多く、この辺りの動きが良くなるとグロース復活への期待が高まる。また、きょうはリクルートやエムスリーなどの動きが良かった。これらサービス系グロース株の動向にも注意を払っておきたい。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ