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【見通し】週間為替展望(ポンド/加ドル)-英中銀、政策金利を据え置きか

◆対円では、日米の金融政策会合や介入懸念に絡んだドル円の動きに左右
◆ポンド、英中銀の政策会合に注目も金利は据え置き予想
◆加ドル、年内利上げの思惑後退で上値は重い

予想レンジ
ポンド円 179.00-185.00円
加ドル円 107.00-111.00円

10月30日週の展望
 来週のポンドはイングランド銀行(英中銀、BOE)の金融政策委員会(MPC)が注目ポイントとなるが、日米の金融政策会合も開催されることで、結果公表を受けた円とドルの動きも大きな影響を受ける可能性がある。特に年初来高値を更新中のドル円は介入警戒感も絡んで神経質な動きになる可能性があり、ドル円につれたクロス円全般の値幅を伴った動きにも警戒したい。

 BOE会合では、政策金利は5.25%での据え置きが見込まれる。9月会合では4人が利上げを主張。1票の僅差で据え置きが決定され、タカ派寄りの据え置きとの見方もできる。今後中東の地政学リスクが高まればエネルギー価格が一段と上昇し高インフレが長期化するとの観測が再燃するなど、追加利上げを必要とする新たな判断材料が出てくる可能性は残されているが、9月会合後に発表された英経済指標はおおむね金融政策の現状維持を支持する内容となった。

 6-8月の賃金は伸びが鈍化し雇用者数も減少と、インフレ圧力に緩和の兆しが見られた。9月消費者物価指数(CPI)は前年比6.7%と伸びの鈍化予想に反して前月から横ばいとなるも、BOEが8月に予想した6.9%は下回った。BOEの14回連続の利上げが経済に重くのしかかり始めた今、利上げ見通しを高めるほどではない。また、10月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)は49.2と1月以降で最低水準となり、3カ月連続で景気判断の分岐点とされる50を下回った。製造業PMIは45.2と3カ月ぶりの高水準となるも、依然として生産の急速な縮小を示している。

 加ドルは、今週にカナダ中銀(BOC)の金融政策会合を通過し、来週は中東情勢に絡んでの原油相場を睨みながら日米の金融政策と週末の米・加雇用統計に注目する展開となる。BOCは今週の会合で政策金利を2会合連続で5%に据え置いた。成長見通しを今年は1.2%、来年は0.9%に下方修正した一方で、来年のインフレ見通しは7月時点の2.5%から3%に引き上げた。声明では「過去の利上げが経済活動を抑制し、物価圧力を緩和させているという証拠が増えている」と指摘した一方、物価安定に向けた進展が鈍くインフレの高止まりを想定しており、追加利上げの可能性に含みを持たせる文言を維持した。ただ、短期金融市場では年内の追加利上げ確率は1割超まで低下しており、加ドルは来週も上値の重い動きが見込まれる。

 また、中東の動向次第では原油相場が大きく動く可能性がある。今のところは地域的な広がりは限られ、宗教、民族的な対立にエスカレートしていないこともあり、地政学リスクが一段と強まっていない。ただ、先行き不透明感は高く、楽観視は禁物だ。

10月23日週の回顧
 米長期金利の上昇に伴うドル高の流れが継続。ポンドドルは英経済の先行きに対する懸念も重しに1.20ドル後半まで下落した。また、加ドルはBOCの年内利上げ観測が後退したことも重しとなり、ドル/加ドルは1.38加ドル前半までドル高・加ドル安となった。ポンド円は183円後半で伸び悩み181円前半に押し戻され、加ドル円は小動きも108円半ばまで上値を切り下げた。(了)


・提供 DZHフィナンシャルリサーチ