今週のNY市場はハイテク・ジャイアントの決算や経済指標に注目。
先週は主要3指数がそろって下落。ダウ平均が0.86%安と反落し、S&P500が2.39%安と3週ぶりの反落。ハイテク株主体のナスダック総合は3.16%安と大幅に2週続落した。週明けは第3四半期決算発表への期待などを背景にセンチメントが改善し、主要3指数がそろって上昇してスタートしたものの、その後は中東情勢の緊迫化や、強い米9月小売売上高やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長発言を受けた米10年債利回りの上昇、高金利による景気悪化懸念が相場の重しとなった。
米商務省が人工知能(AI)分野向け先端半導体の中国への輸出規制を一段と厳しくする方針を示したことでエヌビディアなどの半導体株が下落したことも、ナスダック総合を押し下げた。発表が本格化した第3四半期決算は、S&P500の54銘柄が発表し、そのうち72%の39銘柄で調整後一株当たり利益が市場予想を上回った。予想を上回る決算が好感されたネットフリックスが週間で12.7%高と急伸したほか、AT&Tやアボット・ラボラトリーズも決算が好感され6-7%上昇した一方、予想を下回る決算やサイバートラック黒字化見通しの後ずれが嫌気されたテスラが15.6%安と急落したほか、決算が嫌気された地銀のザイオンズ・バンコープ、リージョンズ・ファイナンシャルも2桁安となった。
今週はピークを迎える第3四半期決算発表や、金融政策の見通しを巡り9月個人消費支出(PCE)価格指数などの経済指標に注目が集まる。決算発表はアルファベット、マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、アマゾン・ドット・コムなどのハイテク・ジャイアントのほか、ゼネラル・エレクトリック(GE)、コカ・コーラ、ゼネラル・モーターズ(GM)、ベライゾン、3M、ビザ、ボーイング、IBM、メルク、インテル、エクソン・モービルなどS&P500採用の約160銘柄が発表予定。長期にわたる高金利の企業業績への影響を巡り、決算結果やガイダンスが注目される。
経済指標ではFRBがインフレ指標として注目する金曜日発表の9月個人消費支出(PCE)価格指数が注目される。変動の大きい食品、エネルギーを除くコアPCE価格指数は前年比+3.7%と8月分の+3.9%から鈍化が見込まれているものの、前月比では8月分の+0.1%から+0.3%に加速が予想されている。このほかの経済指標は9月新築住宅販売件数、7-9月期GDP速報値、新規失業保険申請件数など。
今晩の米経済指標は9月シカゴ連銀全米活動指数など。企業決算は寄り前にNVR、引け後にブラウン・アンド・ブラウン、ケイデンス・デザイン、パッケージング・コーポレーション、W.R.バークレーなどが発表予定。
(執筆:10月23日、14:00)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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