本日のロンドン為替市場のユーロドルは、今夜予定されているパウエルFRB議長の講演を控えて動きづらい展開の中、引き続き中東情勢関連のヘッドラインに警戒していく展開が予想される。
昨日、バイデン米大統領がイスラエルを訪れて、ネタニヤフ首相と会談したものの、イスラエルが確実に自国を防衛できユダヤ人安住の地に戻せるように、イスラエルに対する「前例のない支援」を週内に議会に求めると表明し、一方でガザとヨルダン川西岸地区の住民向けに1億ドルの人道支援を行うことを表明するに留まった。
そして、一部報道では、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザで地上作戦の開始を準備中、と報じられており、本日も中東情勢に関するヘッドラインに要警戒となる。イスラエルが地上攻撃を始めた場合には、ハマスを支援するイランは参戦すると警告していることで、戦火は一気に拡大して第5次中東戦争が勃発するリスクが高まる。
中東情勢が緊迫化した場合、原油価格の上昇が警戒されるため、英国や欧州経済のスタグフレーション（景気停滞下の物価上昇）への警戒感が、ユーロやポンドの上値を抑えることになる。また、米10年債利回りが5％台に接近しつつあることも欧州通貨の上値を抑える要因となっている。
想定レンジ上限
・ユーロドル：1.0600ドル（日足一目均衡表・基準線）
・ユーロ円：158.62円（10/17高値）
・ポンドドル：1.2230ドル（日足一目均衡表・転換線）
・ポンド円：184.40円（日足一目均衡表・雲の上限）
想定レンジ下限
・ユーロドル：1.0448ドル（10/3安値）
・ユーロ円：156.54円（日足一目均衡表・基準線）
・ポンドドル：1.2037ドル（10/4安値）
・ポンド円： 181.19円（日足一目均衡表・基準線）
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
