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【見通し】株式明日の戦略-半導体株が連日の大幅高、市場は米長期金利のピークを意識

12日の日経平均は大幅に3日続伸。終値は558円高の32494円。米国株高を受けて、寄り付きから3桁の上昇。場中はその寄り付きを安値に、上げ幅を広げる流れが続いた。米国で10年債利回りが一段と低下したことを好感して、半導体株が連日の大幅上昇。電子部品などハイテク関連全般にも見直し買いが入った。前場では400円程度上昇したところで値動きが落ち着いたが、後場は不動産株や新興グロース株などにも金利低下を好感した資金が向かう中、32400円台に乗せて上げ幅を500円超に拡大。32500円を前にしては足踏みしたものの、高値引けとなった。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆1700億円。業種別では電気機器、機械、輸送用機器などが上昇した一方、鉱業、海運、パルプ・紙などが下落した。トヨタとバッテリーEV用全固体電池の量産実現に向けた協業を開始すると発表した出光興産が後場にプラス転換して5%を超える上昇。半面、東京地検特捜部が有価証券報告書の虚偽記載容疑で元社長ら3人を逮捕したと伝わったプロルート丸光が後場に入って急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1317/値下がり465。レーザーテックが連日で6%台の上昇。ディスコが7.3%高、アドバンテストが4.0%高と半導体株買いが盛り上がった。ウエハ搬送システムなどを手がけるローツェは上期の純利益見通しが計画を上振れたことが好感されてストップ高比例配分となった。トヨタ、ソニーG、キーエンスなど主力どころの銘柄が大幅高。三井不動産や三菱地所など不動産株が米金利低下に強い反応を示した。上方修正や増配を発表した吉野家HDが急騰。今期の大幅増益計画を提示したサイゼリヤがストップ高まで買い上げられた。

 一方、原油安を嫌気してINPEXや石油資源開発が下落。JAL、ANA、JR東日本など原油安が追い風になりそうな運輸関連もさえない動きのものが多かった。グロース株買いが盛り上がる中、日本製鉄や日本郵船などバリューの主力銘柄が軟調。決算発表銘柄に関しては、内容が良くないものはもちろんのこと、悪くなくても材料出尽くしと受け止められたものは嫌われており、松竹、ABCマート、コスモス薬品、トレジャーファクトリーなどが大幅安となった。

 日経平均は32000円を上回り、500円を超える上昇。寄り付きが安値で大引けが高値と、非常に強い動きを見せた。終値(32494円)で25日線(32303円、12日時点、以下同じ)や75日線(32436円)を上回っており、戻り局面でこれらが抵抗とならなかった点は特筆される。

 本日は米9月消費者物価指数(CPI)が発表となる。米国の10年債利回りはこの結果を見る前に低下傾向を強めており、CPIを受けた市場の反応が大きく注目される。CPIがさらなる米金利の低下を促す材料となれば、長く続いた米国の長期金利上昇トレンドが終了することへの期待が高まる。この場合、米国株も動きが良くなるであろうから、グローバルでリスクオンの様相が強まることになるだろう。

 CPIが米金利の上昇要因になった場合でも、4.5%台に入った米10年債利回りが4.6%台までの上昇にとどまるのであれば、急に悲観に傾くような地合いにはならないと考える。ただし、それ以上の上昇になってしまった場合には、前のめりになりすぎたとの見方が強まり、リスク回避ムードが強まる展開が想定される。後に振り返った際に、今週は相場の転換点となっている可能性もある。米金利が低下して米国株にも買いが入るようなら、素直に順張りで買いを入れたい局面だ。

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ