海外市場でドル円は、149.00円を挟んだ狭いレンジ取引に終始した。重要指標である9月米ISM非製造業景況指数は53.6と市場予想通りの結果となったため、相場の反応は限られた。ユーロドルは米10年債利回りが4.71%台まで低下したことも相場の支援材料となり、一時1.0532ドルと日通し高値を付けた。9月ADP全米雇用報告が予想より弱い内容となったこともユーロ買い・ドル売りを誘った。
本日のドル円は、149円を挟んだ神経質な動きになるか。昨日の下サイドは2日の海外時間での急落(147.48円まで)局面で買えなかった市場参加者が、148円台に買いオーダーを引き上げたことが支えとなった。一方で、147.48円まで急落後の戻り高値149.33円付近を超えることができず、上サイドも抑えられる状況になっている。当面は149円を挟んでトレンドを作りにくく、神経質な動きになるかと思われる。
ドル買いを促すのは、昨日の米債利回りは低下したが、日米の金融政策の方向性の相違があることでドル買い意欲が引かないことだ。また、今週は豪準備銀行(RBA)、NZ準備銀行(RBNZ)が政策金利を据え置いて、両行とも「タカ派的据え置き」ではあったものの、米金利の上昇圧力が高いことで、豪ドルやNZドルに対するドル買い意欲が根強いことは対円でもドルを支えるだろう。
一方で、ドル売り要因としては、昨日米30年債利回りが5%に達した達成感があることで、いったん長期金利の上昇圧力が弱まる可能性もあること。昨日米下院のマッカーシー議長が解任されたが、米議会が混迷を深めていることも挙げられる。
次期下院議長選には下院共和党ナンバー2のスカリス院内総務、トランプ前大統領支持者であるジョーダン下院司法委員長も出馬を表明した。次期議長候補は共和党・強硬派の支持を得ない限り議長就任が厳しく、その場合はつなぎ予算が切れる11月17日以降は、新たな予算案が通過せず政府機関の一部の閉鎖が現実味を帯びてくる。すなわちムーディーズの米債格下げの確率が高まったこともドル売り要因だ。
また、自民党内では解散選挙の声が徐々に増えていることで、政権は支持率を高める意味でもこれ以上の円安を阻止しようとする介入への警戒感も引き続き高い。
本日は本邦からは対外対内証券売買契約等の状況、豪州からは8月の貿易収支が発表される。どの指標も市場を動意づけるのが難しいことで、引き続き時間外の米債や株式市場の値動きが為替相場を左右することになるか。
(松井)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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