
東証プライムの売買代金は概算で3兆1700億円。業種別では医薬品、小売、食料品などが上昇した一方、銀行、海運、証券・商品先物などが下落した。中期経営計画を公表したAbalanceが急騰。半面、今期の業績および配当見通しを取り下げたダイレクトマーケティングミックスが急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1374/値下がり412。レーザーテック、アドバンテスト、東京エレクトロンなど半導体株が軒並み大幅高。薬品大手の第一三共やエーザイがそれぞれリリースを材料に強く買われた。先週下げが続いたソフトバンクGが切り返して3%を超える上昇。ウエルシア、クスリのアオキ、スギHDなどドラッグストア関連の動きの良さが目立った。自己株取得やSBIHDの金融子会社との資本業務提携深化が好感されたダブルスタンダードが、一時ストップ高となるなど急騰した。
一方、米長期金利の低下を受けて、三菱UFJ、三井住友、みずほFGのメガバンク3行が大幅安。第一生命など保険株や野村HDなど証券株も弱く、金融株全般に売りが広がった。日本郵船など海運大手が軟調。上期の見通しを開示したIRジャパンがストップ安まで売り込まれた。揚羽、インテグラルなど先週のIPO銘柄に大きく値を崩すものが散見された。
本日、スタンダードに新規上場したジェイ・イー・ティ(JET)は公開価格を下回る初値をつけ、終値は初値を大きく下回った。
日経平均は大幅高。半導体株が強く買われたこともあって、276円高と上に値幅が出た。米国株が弱かったにもかかわらず、終値(32678円)で25日線(32591円、25日時点、以下同じ)や75日線(32652円)を上回ったことはポジティブ。13週線(32424円)も大きく上回っており、投資家心理の改善が見込まれる。先週22日に安値圏で実体の長い陽線を形成したマザーズ指数も、きょうは高く始まって上げ幅を広げた。大発会につけた年初来安値(712.42p、1/4、終値ベース)の更新を回避した格好となっているだけに、同指数の下げ止まりが鮮明となれば、全体にも好影響が及ぶ公算が大きい。半導体株や新興グロース株の奮起に期待したいところで、今晩の米国市場でナスダックにしっかりとした動きが見られるかが注目される。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ