本日のNY為替市場のドル円は、中東の地政学リスクに警戒しながら、米連邦準備理事会(FRB)高官の発言を見極めていく展開が予想される。
ドル高を支えてきた米10年債利回りの上昇が、中東の地政学リスクの高まりを受けた安全資産である米10年債への資本逃避やタカ派のFRB高官によるハト派的な発言により、一服しつつある。
先週、タカ派のメスター米クリーブランド連銀総裁が、「ここもとの長期金利上昇が金融政策判断に影響を及ぼし得る」との見解を示し、昨日はタカ派のローガン米ダラス連銀総裁が「最近見られる米長期債利回りの急上昇について、金融当局による追加利上げの必要性を減らす可能性がある」との認識を示した。
本日は、ボスティック米アトランタ連銀総裁、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁の発言を見極めつつ、今月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げの可能性を探ることになる。
また、明日11日に予定されている次期米下院議長の投票にも要注目となる。今年1月のマッカーシー米下院議長の選任が15回目の投票まで難航したように、共和党・強硬派の支持を得ない限り次期議長の選任が厳しいことが懸念される。つなぎ予算が切れる11月17日以降は、新たな予算案が通過せず、感謝祭の季節に政府機関の閉鎖が現実味を帯びてくることで、米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスによる米国債格下げへの警戒感が高まることになる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、10月3日の高値の150.16円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、10月3日の安値の147.43円。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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