米国とイランは、トランプ米大統領が設定したイランの発電所や橋などへの攻撃の猶予期限である米東部時間7日午後8時(日本時間8日午前9時)のわずか1時間前に2週間の停戦に合意した。金融市場では原油価格が急落し、株価が急騰するとともに「有事のドル買い」に巻き戻しが入り、ドル円は158円手前まで下落している。
市場は米・イランの緊張感の緩和を好感した動きになったが、市場が想定していた戦争激化やホルムズ海峡を通じたエネルギー供給のさらなる混乱といった最悪の事態がひとまず回避されたに過ぎない。両国はこれから戦争終結に向けて交渉に入るが、両国の停戦条件に隔たりは大きく楽観視できず、1カ月以上に渡った交戦で両国はともに自国の勝利を主張している。
トランプ米大統領は「停戦合意は米国にとって完全な勝利」だと述べ、イラン国家安全保障最高評議会は「敵は、イラン国民に対する卑劣で違法かつ犯罪的な戦争において、紛れもない歴史的かつ壊滅的な敗北を喫した」「イランは偉大な勝利を収めた」との声明を出している。また、トランプ米大統領は米国がホルムズ海峡通航の停滞解消を支援する予定だとし、ホルムズ海峡周辺に米軍が展開することも示唆しており、イランの反発を強める可能性がある。2週間の停戦合意は過度な警戒感の緩和をもたらしただけであって、イラン戦争をめぐる不確実性は解消されていない。とりあえず2週間の猶予ができたことでドル高が緩んだものの、ドル円の下押しが大きく進むことは難しく、停戦合意を材料とした下げに一服感が広がる可能性がある。
NYタイムでは、主な米経済指標の発表はなく、ドル円は原油・米金利の動向を睨んだ動きとなりそうだ。3月17-18日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表される予定だが、反応は限られるだろう。
・想定レンジ上限
ドル円、本日これまでのレンジ(158.05円-159.71円)の半値戻し水準にあたる158.88円や日足一目均衡表・転換線159.31円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、本日これまでの安値158.05円や3月19日の安値157.51円が下値めど。
(金)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
