本日のNY為替市場のドル円は、10月米PCEデフレーターを見極めて、12月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げの可能性を探ることになる。
米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているPCEデフレーターの10月分は、前年比+2.3%と予想されており、9月の同比+2.1%からの伸び率の上昇が見込まれている。
予想通りならば、14日のパウエルFRB議長発言「利下げ急ぐ必要ない」が重みを増すことになり、12月17-18日のFOMCでの0.25%の利下げの可能性が低下すると思われる。
リスクシナリオは予想を下回った場合で、明日の米感謝祭を控えたドル円の買い持ちポジションの手仕舞いに拍車がかかることになる。
11月のFOMCの議事要旨では、翌日物リバースレポ金利(現在4.55%)を引き下げて政策金利の下限(※4.50%)と再び一致させる時期が近づいていると考えていることが示唆されていた。市場では、12月か来年1月に実施される可能性が警戒されており、リバースレポ・ファシリティーからの資金流出懸念が高まっている。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、12月FOMCでの0.25%の利下げの確率は63%程度、据え置き確率は37%程度になっている。
また、今後のリスクシナリオとして、ベッセント次期米財務長官やトランプ次期米大統領によるドル安牽制発言の可能性を警戒しておきたい。
トランプ次期米大統領は、今年4月に、ドル円が34年ぶりの高値を更新した際に「アメリカの製造業にとって大惨事」と述べており、同様の発言の可能性には警戒しておきたい。
さらに、ウクライナ戦争や中東での紛争を巡る関連ヘッドラインには引き続き警戒しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、153.89円(日足一目均衡表・基準線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、150.50円(10/22安値)
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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