B級グルメ
<1月11日放送分>
「大丈夫かな…」
周りを見ると少し不安になった。油で汚れた壁。古いテーブル。そして、椅子も小さい頃の家にあったような椅子に似ているのだが、決してお客さんに座ってもらうようなモノではなかった。
しかし、室内は所狭しと賑わっている。
このアンバランスさがどうしても自分には理解できないのだが、こういうアンバランスさが感動を助長させるのかもしれない、と自分に言い聞かせメニューに目を落とす。
汚れた紙にはいかにも手を抜きましたと言わんばかりの筆圧で数種類のメニューが書いてあった。
「ん、安い。安過ぎる」
今時、ラーメンが300円となっている。このメニューは何十年と書き換えていないのではないか。だから、こんなに汚れているのに違いない、と勝手にメニューの汚さと価格を結びつけていた。
「じゃあ、味噌ラ―・・・」
「お兄さん、味噌はやめときな。うちに来たら、まずはスタミナラーメン食べてみな」
『なんだ、こりゃ』
このお店はお客に食べるラーメンの種類を指示するのか、と驚いたのだが、自分の口からは「では、それで・・・」と蚊の鳴くような声で注文してしまった。
スタミナラーメンは…350円と書いてある。こんなに安いはずがない。これは罠に違いない。
お金を払う段になって、800円、900円と言われるのに違いない。その時は、この汚れたメニューを振りかざし、この350円を主張しよう。大学で法律を勉強していることがここで役に立つ。これは、「錯誤」にあたるのか、それとも「虚偽の外観…」など考えているうちにスタミナラーメンが目の前に運ばれてきた。
「よし!」と違った意味で気合い入れて麺を口に運んだ…
「うまい!旨過ぎる!!!」今までに味わったことの美味しさだ、甘みと辛みがバランスよく口の中で拡がる。
これは800円。900円してもいい味だ。
法的な根拠を考えるのも忘れて、夢中で食べる。完食だ!
そして、おそる、おそるレジに行く。
「いくらですか」
「350円だよ」
こんな幸せになるお店が世の中にはあるのか。今ではこの店の壁の色も心地よく見える。
今回のテーマは「B級グルメ」です。外為総研の植野さんも来てくれました。安くて美味しい店、それがB級グルメですよね。でも、だんだん話はラーメン一色になっていきました。
高くて美味しいのは当り前。安くて美味しいからこそ幸せを感じるのですよね。
2010年1月21日(木)10:05
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