FXブログ 今晶の「THE・為替記者!」


カナダ中銀、強まる「米景気懸念」

カナダ銀行(BOC、中央銀行)は15日、政策金利を3.00%に据え置くことを決めた。声明はインフレ警戒色が濃い半面、米景気の低迷長期化と金融市場の混乱継続への不安もにじむ。かじ取りの難易度が増してきた印象だ。
 カナダ中銀は6月に物価重視の姿勢を明らかにしたばかり。当時よりもエネルギーや原材料の価格高は進んでいる。資源産出国カナダの経済へのプラス効果を考慮すれば本来、インフレを抑える目的の利上げシナリオが浮上してもおかしくない。しかし、商品相場高で「お得意先」の米国の景気が冷え込んでは元も子もない。カナダ東部には米企業との関係が深い製造業が集まる地域も存在する。
 また、米金融システムの動揺はカナダの住宅市場などにも悪影響を及ぼしかねない。

 BOCは15日公表の声明で、米経済の動向について「潜在成長率を上回るペースに回帰するのは2009年初め以降」との見通しを示したうえで08年のカナダ国内総生産(GDP)伸び率の予測数値を1.0%、09年を2.3%に設定した。4月時点では1.4%と2.4%だった。2010年は3.3%に保ったものの不透明感は残る。
 エコノミストの中では「公式見解では米景気の行方を比較的楽観視している様子だが、08年のGDP予想の見直し幅が大きいことから、本音では『マイナス思考』のほうがもう少し強いのではないか」(欧州系銀行)とのうがった解説も聞かれた。
 外国為替市場では「米ドル安」の圧力がかかった分、カナダドルの対米ドル相場も強含み。それでも直近高値は15日に付けた1米ドル=0.99カナダドル台後半と6月上旬以来のカナダドル高水準にとどまる。この間にユーロ・ドルが過去最高値圏まで急伸したほか、オーストラリア(豪)ドル・米ドルが1983年以来の豪ドル高水準まで値を上げたのに比べると上昇ペースの鈍さが目立つ。シカゴ通貨先物市場でも投機的な買い持ち高形成はユーロや豪ドルよりも遅れる傾向が見られる。20世紀前半、米国中心に広がった経済圏「米ドルブロック」との連想が改めて働きやすい状況だ。(今 晶)

2008年7月17日(木)16:44

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