FXブログ 今晶の「THE・為替記者!」


2008年7月 1日アーカイブ


「高金利国通貨」の人気度変遷

国際金融市場ではここ数週間、低金利国の日本から欧米、オセアニア諸国への資金移動が調整を交えつつ進行している。商品価格高で潤うマネーが円借り入れベースの投資を一部復活したほか、日本勢の外貨志向も回復基調。半面、米実体経済や各国株価の先行き不透明感も依然として強い。2007年の「金利相場」時のような円売り一辺倒のムード再来は見込み薄だ。
 先進国中で比べた場合、絶対的な金利水準ではニュージーランド(NZ、政策金利は1日時点で8.25%)と豪州(7.25%)、英国(5.00%)が優位。ユーロ圏では欧州中央銀行(ECB)が7月3日に開く定例理事会で4.25%の利上げ実施を決めるとの見方が多い。ところが市場での人気はこの順番通りにはなっていない。英国とNZでは近い将来の景気失速を懸念する空気が残り、英ポンドとNZドル建て資産への需要は豪ドルとユーロに相当遅れをとっている。
 ユーロの対円相場は26日に一時1ユーロ=169円台半ばと導入来高値を更新。豪ドル・円は同日、1豪ドル=103円台後半まで買われて07年11月以来の円安・豪ドル高水準を付けた。一方、英ポンドの直近高値圏は1ポンド=213円台と、3月安値の192円台からの戻り幅は20円を超えたが、年初は220円を上回っていただけに物足りない。NZドルにいたっては1ドル=80—81円ゾーンでの「レンジ相場」が長引き、結局は円売りの波に乗り切れなかった。
 市場では「NZドルはこれまでにも何度か金利観の変化に動揺した経緯があり、利下げ観測が高まった現状では相場の腰は弱い」(外国証券の顧客担当者)との慎重意見が出ている。英国では物価高への対処圧力がかかる中、引き締め的施策が景気冷え込みを助長しかねないとの不安がユーロ圏などよりも濃いことが影響したと見られる。
 短期スタンスの投機売買や日本の外国為替証拠金取引(FX)で主流のレバレッジ投資(運用額を自己資金の数倍—数十倍に膨らませる手法)では高利回り通貨を選ぶ傾向があるものの、反対方向への値動きにはもろい。基調判断のさいにはあまり参考にならない。また、リスク管理の厳格化は今後も進む見通し。英ポンドやNZドルの出遅れ感は簡単には解消されそうにない。(今 晶)

2008年7月 1日(火)12:54 個別ページ

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