スリッページとは?発生する原因と対策を解説

スリッページとは?

FXでは、注文発注時に提示されていたレートと実際に約定したレートとの間にずれが生じることがあります。このずれを「スリッページ」といいます。

スリッページが発生する原因

スリッページは、トレーダーが発注してからその注文がFX会社のサーバーに到達(約定)するまでの間にレートが変わってしまった場合に発生します。発注から約定までの時間はごくわずかですが、相場は常に変動しているため、短い時間でもレートが動いてしまうことがあるのです。

スリッページが発生する原因

スリッページは相場の値動きが激しいと発生しやすくなります。米雇用統計など重要な経済指標の発表前後、大型経済イベントや災害・重大事件の発生時は値動きが大きくなりやすく、スリッページ発生のリスクが高まるため注意しましょう。

スリッページの対策

マーケット注文なら許容スリッページ幅を設定できる

不利なスリッページを回避する方法として、注文するときにスリッページのずれ幅をどこまで許容するか設定できる「マーケット注文」という注文方法があります。

マーケット注文でスリッページの許容値を設定しておけば、注文を出した後に許容値を超えて不利な方向へレートがずれた場合、注文は不成立となります。また、外為どっとコムのマーケット注文では、トレーダーにとって有利な方向へレートがずれた場合は、設定したスリッページの許容値に関係なく注文が成立します。

例えば、マーケット注文でスリッページの許容値を20銭に設定して、100.00円で買注文を出したとします。注文がサーバーに到達するまでの間にレートが100.30円にずれた場合、許容値の20銭を超えるスリッページが発生し、トレーダーにとっては想定していた価格より高い価格で買うことになるため、不利なスリッページとなり注文は成立しません。

一方、同様の注文で99.75円にずれた場合は、20銭以上ずれているものの、トレーダーにとっては想定よりも安い価格で買えることになり、有利なスリッページとなるため注文は成立します。売注文の場合も、同様のルールが適用されます。

不利なスリッページの対策 買注文の場合、売注文の場合

FX会社の中には、設定した許容値を超えるスリッページが発生した場合、トレーダーにとって有利と不利どちらの方向に動いても約定しない会社もあります。外為どっとコムのマーケット注文では、トレーダーにとって有利な方向へ価格がずれた場合は注文が成立する仕様となっており、それだけ利益獲得の機会が増えるともいえます。

スリッページのおすすめ許容範囲

許容スリッページの目安は取引金額やトレードスタイルなどによって異なり、一概に適正値を示すことはできませんが、数pips~数十pipsくらいに設定されることが多いようです。ちなみに、外為どっとコムのマーケット注文では初期設定を50pipsとしています。

スリッページの許容値は0に設定することも可能ですが、その場合注文が不成立となりやすくなり、なかなか約定しないかもしれません。そうなると、「早く注文を出さないと損失が拡大してしまう」とか「利益確定のチャンスを逃しそう」といった場面で思惑どおりに注文できなくなるため注意が必要です。

スリッページの許容値は、約定を優先する場合は大きめに、価格を重視する場合は小さめにするなど、そのときどきのニーズに合わせて調整することが大事です。少しずつ実践を積んで感覚をつかんでいきましょう。

スリッページに関するよくある質問

スリッページの許容値を0にするとどうなりますか?

スリッページの許容値を0にした場合、少しでも不利な方向にスリッページが発生した場合は全て不成立となります。「発注時に提示されていた通りのレート」または「有利な方向へずれたレート」でのみ約定させ、少しでも不利なスリッページが発生した場合は約定させたくないという場合は、この設定にするとよいでしょう。ただし前述の通り、注文がなかなか成立しない可能性があることに注意が必要です。

指値注文や逆指値注文ではスリッページが発生しますか?

指値注文では、基本的にスリッページは発生しません。ただし、月曜日の午前7時のオープン(取引開始)レートで指定レートを超えていた場合は、その時点のレートで注文が成立するため、結果的にスリッページとなる可能性はあります。クリスマスや年末年始など、通常よりも早く取引時間が終了する場合も同様です。

逆指値注文では、実勢レートが指定レートに到達してから注文が執行されるため、スリッページが発生することがあります。相場変動が激しいときは特に多く発生する可能性があるため十分注意しましょう。

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