「WTI原油」は、シカゴマーカンタイル取引所で取引されている「WTI原油先物」を原資産とした銘柄です。原油の含有硫黄分が少なく軽質で、ガソリンや軽油が多く採れる原油です。欧州産の北海ブレント、中東産のドバイと並ぶ、原油価格の代表的な指標のひとつとなります。原油は、ガソリンや灯油だけでなく、プラスチック、合成ゴム、合成繊維などの多くの製品の原料として使われています。生産量の多い国は、アメリカ、サウジアラビア、ロシア、カナダ、イラク、中国です。
WTI原油取引も需供関係を捉えることが大切です。供給目線では、世界各地の製油所の稼働状況、中東エリアの地政学による供給不安や、OPECプラスの減産増産による供給コントロールに注目です。また需要目線では、活動的な夏/暖房器具を求める冬といった季節要因、石油消費国である中国や日本などのアジア諸国の景気、米国経済との相関などに注目です。また近年では地球の持続可能性をテーマにクリーンエネルギーが採用され始めています。こうした代替エネルギーが原油価格に影響を与える可能性は高いため、需要指標としてモニタリングする価値はあるかもしれません。 原油取引における重要指標として、米国石油協会(API)、米国エネルギー情報局(EIA)の週間発表が参考になるかもしれません。原油の在庫量や、採掘の稼働状況(供給量)のレポートになります。米国全体だけでなく、WTI原油の受け渡し拠点となっているオクラホマ州クッシング地区の原油在庫は特に注目されています。APIは毎週火曜、EIAは毎週水曜発表です。