読む前にチェック!最新FX為替情報

読む前にチェック!
最新FX為替情報
CFD銘柄を追加!

スプレッド
始値比
  • H
  • L
FX/為替レート一覧 FX/為替チャート一覧 株価指数/商品CFDレート一覧 株価指数/商品CFDチャート一覧

長期海外分散投資を考える:第3回「外貨建て保険」とそのリスク

f:id:navimedia:20210608153015j:plain
近年人気を集めている保険商品のひとつが「外貨建て保険」です。
貯蓄型の円建て保険の販売が伸び悩む一方で、高金利国の外貨建て保険は、本来の保障機能だけでなく、投資商品として注目を集めてきました。
しかし、保険が銀行預金の代わりに長年利用されてきた身近な金融商品であるがゆえに、外貨建てのリスクを十分に理解しないまま購入し、トラブルに発展してしまったケースも増えています。
そこで今回は「外貨建て保険」を取り上げ、その特徴、デメリットやリスクついて詳しくご紹介します。

外貨建て生命保険とは?

外貨建て生命保険とは、日本円で払い込まれる保険料相当額が、米ドル、豪ドル、ユーロなどの外貨に換金され、運用される保険のことです。
日本円よりも金利の高い国の通貨、例えば、米ドルや豪ドルなどで運用されるのが一般的で、円建ての生命保険よりも高い運用成績が期待できることから、このところ人気が高まっていました。

当然ですが、保険では運用された資金で、満期保険金や解約返戻金のほか、死亡や高度障害となった場合に支払われる給付金など、すべてがカバーされることになります。
なお、支払いの際、外貨から日本円に換えなければなりませんが、そのときの為替相場が「円高」か「円安」かで、支払われる金額が変わります。

外貨建て保険の種類

外貨建て保険も、円建ての保険商品と同様に種類が分かれています。

外貨建て個人年金保険

「60歳以降」など、あらかじめ契約時に定めた年齢に達したときに、「年金」の代わりにお金が受け取れる「私的年金」としての保険です。
生きている限り受け取れる「終身年金」と、一定期間に限り、確実に受け取れる「確定年金」があります。

外貨建て終身保険

死亡時や重度障害になったときの保障が生涯継続する生命保険の一種です。
多くの場合、途中解約しても所定の解約返戻金を受け取れます。
保険料については生涯支払い続ける「終身払い」と、一定の期間の支払いでよい「短期払い」の2種類があります。

外貨建て養老保険

保証期間中に死亡すれば死亡保険金を、死亡していなければ満期給付金を受け取れる保険です。
死亡保険金と満期給付金は同額であり、死亡保障をしながら貯蓄もできることが特徴で、満期保険金を何かの目的に使いたい人に向いています。

外貨建て保険の特徴

外貨建て保険の特徴は以下のものがあります。

高利回りが期待できる

外貨建て保険を運用する米ドルや豪ドルは、長らくマイナス金利政策を取っている日本円よりも高金利なので、円建て保険よりも高い利回りが期待できます。

保障つきの資産運用

保険の貯蓄性に着目し、高利回りが期待できる外貨建て保険に加入する人も少なくありませんが、保険であることから万が一の際の保障機能がついています。
これは他の金融商品にはないメリットと言えるでしょう。
資産運用を行いながら、大けがをしたり、命を失ったりというリスクに備えることができるからです。

掛け金が割安

円建て保険商品よりも保険料が安くなる傾向にあります。
それは高利回りが期待できるからです。
つまり、もし、円建て保険と同じ保険料を支払うならば、外貨建て保険のほうが、より大きな死亡保障や多い年金が手に入れられる傾向にあるため、相対的に保険料が安くなるというわけです。

外貨建て保険のデメリットやリスク

外貨建て保険はこうしたメリットばかりではありません。
デメリットやリスクも存在します。

為替変動リスク

最も大きなものは為替変動リスクです。
日本円で支払った保険料が外貨に交換されるタイミングと、外貨で払い込まれた満期保険金や解約返戻金を日本円に戻すタイミングとで為替レートが異なり、場合によっては手に入る額が少なくなる可能性があります。米ドル建ての保険に加入し、保険金10万ドルを受け取るとします。加入時が1ドル=100円であれば、10万ドルは1000万円です。

受取時の為替レートが1ドル=110円の円安になっていたら、10万ドル=1100万円になりますし、1ドル=90円の円高になっていれば、10万ドル=900万円に目減りしてしまいます。
為替の変動で利回り以上の利益が得られることもあれば、大きな損失を生む可能性もあるというわけです。

f:id:navimedia:20210608153600j:plain

金利変動リスク

外貨建て保険は海外金利の動向に左右されます。
昨今のコロナ禍で諸外国の金利も下がっています。
一時販売停止になった外貨建て保険もありました。
今後、積立利率の引き下げなどの条件変更も十分にありえます。

為替手数料が発生

日本円で保険料を支払うとき、日本円で保険金を受け取るとき、いずれにおいても為替手数料が発生します。
これは円建て保険にはないコストです。
通貨の種類や保険会社によって、為替手数料は異なります。

高額な解約控除費用

解約控除費用とは「契約後の一定期間内に解約した場合、積立金から控除される費用」のことです。
要するに満期前に解約したときにかかる費用です。
この費用は「積立金に対し市場金利の変動を考慮した独自の計算方法で導き出した金額」と定められています。
解約控除に関する知識がないと予想外の金額に驚かれるかもしれません。

FXと外貨建て保険を比較

ここでFXと外国債券を比較してみましょう。
両者ともに外貨で運用しますので、為替変動によって差益や差損が出る点はよく似ていますが、金融商品としてはかなり異なります。

1)売買のタイミング

FX:平日であればほぼ24時間いつでも、好きなときに、自分のタイミングで売買ができます。
スキャルピングのような数秒の売買を何度も繰り返すことができますし、何年にも渡ってポジションを持ち続けることもできます。

外貨建て保険:加入するタイミングは選べますが、満期のタイミングは選べません。
契約時より円高になっていたら、保険金が支払った保険料の総額を下回る可能性もあります。
円高が進む前に解約することも可能ですが、解約手数料が発生し、同時に為替手数料も負担しなければならず、返戻金が保険料よりも少なくなってしまうこともありえます。

2)取引コスト

FX:多くのFX会社で取引手数料は無料となっています。
そのため、通貨を売るときの価格(BID)と買うときの価格(ASK)の差額であるスプレッドがFXの実質的な売買手数料という見方もできます。
スプレッドは通貨ペアで異なります。
外為どっとコムのスプレッドは米ドル/円0.2銭、ユーロ/円は0.4銭(午前9時~午前3時)となっています(2021年5月現在、原則固定(例外あり)※A)。
なお、スプレッドはFX会社でも異なります。

外貨建て保険:契約時の費用、保険料支払いの際の為替手数料、解約手数料(解約控除費用)、保険金を受け取る際の為替手数料などさまざまな費用が発生します。費用は選択する通貨や保険会社によって異なります。
加えて、保険会社によっては保障費用、運用費用、その他の特約保険料などが期間中にわたってかかることがあります。
契約前に発生する費用について、しっかりと確認しておく必要があります。

3)初期投資

FX:通貨ペアにもよりますが、レバレッジを利用すると少額投資が可能です。
例えば、最小ロットが1,000通貨のFX会社なら、1ドル=100円のとき、1Lot(1,000通貨)として10万円が必要になりますが、FXは最大25倍までのレバレッジ(個人の場合)が使えるので、理論的には25分の1の4,000円から運用が始められます。

外貨建て保険:国内の生命保険と同じです。毎月の支払い額が家計を圧迫しないような「平準払い」を選択することができます。
一方、払込額を契約時に一括して払い込む「一時払い」の商品では、初期費用が数パーセントと意外に大きな額が差し引かれます。

4)スワップポイントと配当金

FX:通貨ペア同士の金利差で発生するスワップポイントは、原則、毎日受け取ることができます。
ただし、該当国の金利動向や、高金利通貨を売って低金利通貨を買うなど取引内容次第で支払いに転ずることがあり注意が必要です(※1)。

外貨建て保険:保険でも保険会社に剰余金が生じた場合、契約者に配当金が分配されることがあります。
保険の保険料は予定利率、予定死亡率、予定事業比率から算出されます。
ただし、長期運用になることもあり、予定通りにならないことが多く、予定と実績に差分が発生します。
つまり、保険の配当金とは、株式の配当金や預貯金の利息とは性質が異なり、保険料の「事後精算」のような性格のものなのです。
配当方法は、毎年、一定年数ごと、もしくはまったくないかの3パターンとなります。

5)投資対象

FX:外貨そのものを売買するという非常にシンプルなものです。

外貨建て保険:円建て保険なら、日本国債など円資産で運用し、保障や保険金を受け取るわけですが、円を外貨に替え外国債券などで運用し、運用益をもう一度円に戻すというものですから、FXよりもかなり「複雑」と言えます。

外貨建て保険特有のリスクに注意

最近、外貨建て保険をめぐるトラブルに、高齢者の方々が巻き込まれたようなニュースを目にするようになりました。
「こんなはずではなかった」という後悔の声も聞かれます。
残念ながら、上述したような外貨建て保険特有のデメリットやリスクが、十分に理解されていないことを裏付けるようなデータが発表されました。
国民生活センターが2020年2月に公表した調査結果によると、2018年度の相談件数は、2014年度の3倍になったそうです。

為替変動リスクやさまざまな手数料が発生することを理解していない相談も多く、国民生活センターでは、トラブルにあわないように注意を呼び掛けています。

f:id:navimedia:20210608153327j:plain
出所:独立行政法人国民生活センター「報道発表資料・外貨建て生命保険の相談が増加しています!」

外貨建て保険は、FXなどと比較すると、かなり複雑な部類の金融商品になります。
本当に必要な保障条件や保険内容なのか、契約する前に内容についてよく検討しましょう。どの金融商品を選ぶにしても、期待利回りの高さだけでなく、リスクなどについても十分に考慮して選択するようにしなければなりません。

PickUp編集部

media.gaitame.com

FX投資が初めての方へ!FXの魅力や特徴(初心者編)はこちら

f:id:navimedia:20200115123814:plain

※A 本広告は『外貨ネクストネオ』におけるスプレッドを表示するものです。
国内外の休日や平日早朝など市場の流動性が低い時間帯、主要経済指標の発表前後、ならびに天災地変または金融・経済関連の重大事件など予期せぬ突発的事象の発生時には、一時的にスプレッドを広告表示値よりも拡大する場合があります。
当社のスプレッド表記は、提示率(全取引時間中に占める広告表示値以下のスプレッド提示時間の割合)を基に算出しております。
本広告では、1pip=0.0001(米ドル、スイスフラン、豪ドル、英ポンド、カナダドル、NZドル)、1pip=0.001(トルコリラ)として表現しております。
提示スプレッドにつきましては、当社の都合により予告なく変更または中止する場合があります。
なお、ダイレクトカバーは本広告の対象外です(詳細はこちら)。
当社広告表示値スプレッドの提示実績は、こちらをご参照願います。


※1 スワップポイント(金利差調整分)について 通貨ペアを構成する通貨のうち、相対的に高金利の通貨を売った場合、または相対的に低金利の通貨を買った場合には、その取引数量相当のスワップポイント(通貨ペアを構成する両通貨の金利差の調整額)の支払い額が日々蓄積され、時間の経過に比例して損失額が大きくなりますのでご注意ください。
また、現時点でスワップポイントを受け取れるポジションであっても、将来にわたって通貨ペアを構成する両通貨の金利差が縮小または逆転した場合には、その受け取り金額が縮小したり、反対に支払いへと転ずる可能性がございます。