前半に引き続き、YouTubeで人気のJINさんへのインタビューの後編です。ゲーム好きから投資にもはまったJINさんには様々な相談が寄せられるそうですが、いわゆる「偽トレーダー」に関するものも多いとか。このあたりをズバリ質問しました。
▼目次
許すまじ!偽トレーダー
PickUp編集部:- さて、以前金融ライターの高城泰さん(@takagifx)にインタビューし、偽トレーダーについてお話伺いました。公開した記事について、JINさんにもTwitterでコメントを頂き、ありがとうございました。SNSでも少し話題となりました。そこで、JINさんにも偽トレーダーについてお伺いしたいと思います。ご自身のYouTube配信で偽トレーダー批判をされていますが、そのあたり改めてお話しをお願いいたします。
JIN:- まず、FX初心者の方は偽トレーダーが偽物だと気づきづらいと思います。投資に慣れていない方が、海外FXであり得ない金額をトレードしている人の姿を見たとき、国内のFX会社でトレードしている私との差が分からないと思うんですよ。信託保全(しんたくほぜん)も十分でない海外FXの口座で1億円のトレードなんて、普通に考えたらやるわけないじゃないですか。ただ、初心者の方は信託保全という言葉や制度自体を知らないわけですから、私のYouTube配信などでは口をすっぱくして言っているんです。偽トレーダーについて、私と同じように感じている視聴者の方も多いので、話題として取り上げると盛り上がりやすいんですよね。
PickUp編集部:- 偽トレーダーについて具体的にはどんな話をしているんですか?
JIN:- 投資界隈の偽トレーダー、つまり儲かったアピールをして、彼らが紹介するリンク先に行くと高額な情報商材や海外FXの口座開設アフィリエイトに行く例が多いということで、ああいうのは良くないよね、という話をします。
PickUp編集部:- 副業としてFXを頑張ろうと思い、これから始めようという初心者の方だったら、偽トレーダーかどうか見分けられないから、だまされちゃいますよね。
JIN:- はい。海外FXのピップスバックアフィリエイトというのがあって、口座開設者がトレードすればするほど、アフィリエイト主にお金が入るという、なかばトレーダーを奴隷にするような仕組みがあります。ピップスバックを目当てに「自分は儲かっているから、君もやりなよ」と誘ってどんどん騙していく卑劣なことがありますね。私のYouTube視聴者が、そういうのに引っ掛かって損していくのは嫌なので、配信の中で注意を促したりしています。別に正義感にかられて、というのではないんですけど。 あと、海外FXって金融庁が許可していないじゃないですか※。そういう意味でも、やるべきではないかなと。
※無登録の海外所在業者による勧誘にご注意ください
金融庁:https://www.fsa.go.jp/ordinary/kanyu/20090731.html
金融庁:https://www.fsa.go.jp/ordinary/kanyu/20090731.html
PickUp編集部:- JINさんは偽トレーダーや高額情報商材にお詳しいんですが、ご自身で調べたんですか。
JIN:- ええ。怪しいトレーダーがあまりに増えてきて、海外FXをやたらと推しているのが気になったので。バナーやリンクの終着点が、高額情報商材、高額サロン、海外FXだったので、ああこれは嘘なんだろうなと思いました。ぶっちゃけ、稼いでいるアピールの後に、今言ったようなリンク先に誘導するのは、インチキだと思いますよ。そう思っていた方がいいんじゃないかなと思います。
PickUp編集部:- なるほど。
JIN:- こういうの、いたちごっこだと思います。偽トレーダーのだれかがひとりが居なくなっても、また次から次に出てくるじゃないですか。昔からそうですし。FXの自動売買系も、胡散臭い人は山ほどいます。これも、自動で儲かるツールを配って、海外FXで口座開設するようなアフィリエイトでしている例が多いです。実際には、提供される自動売買のトレードでは勝てないというオチなんですけど。 日本で展開してる海外FXって、怪しいと思います。じつは日本人に向けてしか営業していないという話ですし。あとよく、海外FX口座に入金した、また増やしたお金を出金できないという話を聞きます。これは本当かどうかはわからないですけど、国内の業者じゃない、海外の実態はアンノウンなので何とも言えないですね。
PickUp編集部:- ・・・、ちなみにJINさんへ、海外FXのアフィリエイトをやらないかと、打診は来るんじゃないんですか?
JIN:- 私のところにも来ますよ。デモのトレード画面を本当のように見せてくださいって・・・。あとは、海外のコピートレードを紹介してくださいっていうのもありましたね。まあ、勝てるわけないと思いますけど。TwitterのフォロアーなどからもDMで、「FX自動売買で儲かりますってどこどこのサイトに書いてあるけど、これ本当に儲かりますか」とかいう相談はしょっちゅう来るんですよ。
PickUp編集部:- だんだん実態がわかってきました・・・。あと、偽トレーダーを盛り上げるような、取り巻きもいると思いますか?
JIN:- ええ、いると思いますよ。本気にだまそうと思っているなら、そうするでしょうね。爆益アピールをしてから、サクラを使って「すごいすごい」と偽トレーダーを祭り上げさせれば、FX初心者の方は信じちゃうでしょうからね。「10万円が100万円にできたのは、ハイレバレッジができる海外FXだから」、とか言うんですけど。少ない資金から突然大きく増やすのはなかなか難しいっていうのは、ちょっと勉強すれば分かるんですが。
PickUp編集部:- 詐欺の被害にあった方から、相談に乗ってほしいという連絡って来ますか?
JIN:- めっちゃ来ますよ。ある有料オンラインサロンが、入会金80万円だかで、さらにオプションで同額かかるという話を聞きました。私に相談してきたその方は、全額払ったようなんですけど、そのサロンで学べる内容は、無料で読める程度のものばかりで全然役に立たず、これって詐欺なんですか?と聞かれました。・・・私に言われても、どうしようもないんですけど。そんな相談はザラです。
PickUp編集部:- ひどいですね・・・。
JIN:- 情報商材って、それ自体は違法ではないじゃないですか。さらに、買ってみないと中身がわからない。この辺が厄介ですよね。だから胡散臭いと分かっているのに、買ってしまう人が出てくる。いろいろな商材が次から次へと出てくると、また買ってしまう人が出る・・・。購入してはじめて詐欺とわかっても、泣き寝入りする方も多いでしょうから、この手の問題はなくならなんですよね。 たまに、「絶対もうかる」など、行き過ぎた表現になっちゃって捕まる人もいますけど、大半は表現のギリギリのラインを保っているためなんでしょう。 爆益のトレード画面を見せるとき、デモトレードだとも言わないけど、本番口座だと言わなければ、だましたことにならないですもん。
PickUp編集部:- ・・・では、どうすればいいんでしょうか。
JIN:- やっぱり知恵をつけて防御するしかないですよ。お金を増やすことに対して、高額のお金を払わなければならないという矛盾があることを考えておかないと、永遠に騙されちゃうと思います。投資でお金を増やしたい、という気持ちに付け込んでくるんですから、しっかり防御するのがよいと思います。
トレード手法について
PickUp編集部:- 話題をガラッと変えまして、FX初心者の方はスワップポイント狙いの投資から始める方もいますよね。
JIN:- スワップポイント狙いでFXをすること、否定するわけじゃないですけど、エントリータイミングを見誤ると、想いと裏腹に含み損になっても、スワップポイントがあるから耐えよう、となって結果的にポジションを吹っ飛ばしてしまうことになるのが多いと思います。実際、私も何度も経験しているので・・・。
PickUp編集部:- う、言葉が重い・・・。
JIN:- 金利目当てでポジションを持つのであれば、新興国通貨なら過去最安値を更新したくらいのタイミングで少し買って、レートが戻るときに、スワップポイントも受け取るという作戦がいいと思います。これがとても儲かる手法なのかと聞かれると、難しいですよね。 私はYouTube配信で名前が売れましたから、いわゆる億トレーダーと呼ばれる凄腕の投資家の方とも繋がるようになりました。彼らの話を聞くと、株式優待やスワップポイント狙いでトレードをしてないんですよね。なので、本当に投資で勝ちに行くんだったら、スワップポイントだけじゃないんだろうなと思います。ただ、今後世界的にバブル景気になって新興国通貨もドンドンレートが上がっていくのだったら、スワップポイント狙いのトレードもありだと思っています。
PickUp編集部:- ちょっと脱線しますが、JINさんは株式投資も活発にされていますよね。
JIN:- はい。アメリカ株の株価指数と現物株を取引しています。現物株は下落しても、いつか上昇すると考え、いつまでも持っていて良いと思って投資しています。昔は日本株も買っていましたが、あまり儲からず、そんな中で米株を買ったら順調に利益が出たので、今は米株が中心になりました。ちなみに、FXは暴落が起きても耐えられるよう、取引口座にはたっぷり目に入金しています。株はまた別で、買えたらいいな、くらいの値段に指値を入れて待っている感じです。
PickUp編集部:- あと、投資仲間から刺激を受けて、投資に対する考え方を変えたり、アドバイスをトレード手法に生かすことなどは、されていますか。
JIN:- はい、参考にしています。蜂屋すばるさん(@M45FX)からは、チャートトレーディングの基礎を学ばせていただきました。短期トレードで優秀な方は結構いらっしゃるんですが、中長期のスイングトレーダーとして彼くらい優秀な人って、ネットで探してもいないと思っています。あと田畑昇人さん(@shoto0212)は、頭が良すぎて何を言っているのかよくわからなかったんですけど(笑)。彼はブレイクする相場を取りに行くのが上手ですよね。暴落時に利益を伸ばせるタイプかなと思います。
PickUp編集部:- そうなんですね。あと、トレード手法について追加の質問です。ナンピンってされてないんですか?
JIN:- ナンピンはするんですが、あまり早い段階でしないように気を付けています。過去、安易なナンピンで何度も痛い目を見ていますので・・・。
PickUp編集部:- では最後の質問です。トレードする時間はどのくらいでしょうか。
JIN:- 私はFX以外に米株も取引しているので、NYダウが終わる日本時間の早朝まで見ていますね。その勢いでテレビ東京のモーニングサテライトを見て、それから寝る感じです。で、昼頃に起きる。NYダウって、売られていてもクローズの時間になると買い戻されたりするので、それを狙うために起きています。最近の米株は上がりっぱなしでNYクローズを迎えるので、あまり意味ないのですが。
PickUp編集部:- 本日は貴重なお話を、どうもありがとうございました。
PickUp編集部より
ビデオ会議形式で行った今回の取材は、普段のJINさんそのままに、和やかな雰囲気のなか進みました。今回は偽トレーダーの具体的な手口や、だまされないように注意したいポイントなどについて伺いました。DMなどで被害者からの相談も多く寄せされているという場面では、若干緊張した雰囲気にも。個人投資家として日々奮闘するJINさんの今後の発信に注目していきたいと思います。