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米中GDP逆転がより近づく。夏のリスクを生かしたい

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総括

米中GDP逆転がより近づく。夏のリスクを生かしたい

ドル円=104-109、ユーロ円=121-126 、ユーロドル=1.13-1.18

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨3位、株価9位、GDPの米中逆転が近づいてきた。やってきた夏のリスク」
夏によくあるリスク回避のニュースが届く。夏は人間をそうさせるのか。古くはメキシコ危機、南ア危機、砂漠の盾作戦、最近はパリバショックがあった。今回は米中の領事館相互閉鎖報道があった。大人しいドル円も7月24日は3月9日以来にボリバン下限を大きく下回った。ただ全面円高とならないのが最近の円の特徴。やはり貿易赤字がのしかかる。輸出のドル売りが剥落する秋は円売りが勝るだろう。
 コロナ感染で戦々恐々としている中での米中対立が加わった。コロナ感染は「経済封鎖→感染減少→経済開放→感染再拡大」を繰り返しながら収まっていく想定はあるが、米中対立はまだ中国が一歩も引かない状況なので先行きが見えずリスク要因となる。2030年前に米中GDPが逆転する見通しだったが、コロナ感染での中国の回復が早く、米国はまだ低迷していることから、逆転は早まるかもしれない。中国2Q・GDPは前年比3.2%増、一方米国2Q予想は前期比年率で35%減なので差はつまっていく。中国は年間100兆元GDPが悲願である。
 米中は貿易、知的財産、香港などの人権問題で争う。今、それぞれ同盟国を求めているが、どの国も米国にも中国にも経済依存している。完全遮断は米国も含め難しい。

*米ドル「通貨5位、株価(NYダウ)10位、民主党の公約は。米中対立は株安。景気回復では中国に差をつけられる」
 コロナ感染、米中対立、大統領選挙とトランプ大統領は忙しい。そこへ民主党が事実上の公約となる政策綱領の原案を公表した。トランプ政権が中国に強硬な政策を打ち出す中、民主党としても中国政府による知的財産権の侵害や不公正な貿易慣習などから米国の労働者を守っていく。香港の問題では、市民の民主的な権利を支持し香港の自治を脅かす中国政府の当局者に制裁を科す方針を示しているほか、多くのウイグル族が不当に拘束されている問題の解決に向けて国際社会の結束をはかり、人権や民主化などの問題で厳しい立場をとるとしている。
 一方で関税の引き上げによる貿易戦争などで中国に圧力を加える手法を批判し、気候変動や核拡散の問題では中国との協力の道を探る方針を示している。また、日本、韓国、豪との同盟関係を強化するとしているほか、世界貿易のルールづくりで中国が主導権を握ることを阻止するため、関係国と結束していく必要性を強調する。中国は民主党政権の誕生を待つのだろう。
 今週は2Q・GDPの発表があり、前期比年率で35%減となる見込み。予想されている数字ながらショックなマイナス幅。コロナ感染からいち早く景気回復する中国に差をつけられる。ナスダックが米中対立もあり3月以来の2週連続陰線となっていることは注意したい。FOMCは現在の政策を様子見し現状維持となるだろう。

*ユーロ「通貨2位、株価7位(DAX)、伝統国通貨の強さ 今週はGDP 辛口のS&Pも評価」
 通貨レースではスイスとともに首位戦線を走っている。トランプ大統領が次から次へと対立軸を作り、コロナ感染抑制や株価回復に水を差していることに比べ欧州は穏やかな動きとなっていることで買われている。もちろん膨大な貿易黒字という基礎需給がある。欧州通貨や円が強いと言うことは経常黒字を反映する自然の流れ。歴史的にもこの3通貨が強い。
 さて先週は欧州復興基金の協議については「紆余曲折ありながら、欧州の伝統的な会議の進め方のスタイルで最終的に合意する=会議は踊り、議事も進む」としたが、予想より速やかな決着となり景気回復を支援することとなった。
 珍しく辛口の格付け会社S&Pも復興基金はEUの格付けにプラスになるとの見解を示した。基金を創設し債券発行権限を持たせることで政治的に合意したのはEU、とりわけユーロ圏にとって大きな前進で、国債格付けに好材料と述べた。今後の展開を見守る必要があるとしながらも、共通の財政メカニズムを創設したのはEUの信用格付けに関して非常に重要な達成と評価した。
 今週は2Q・GDPの発表があり、前年同期で14.5%となる見通し、米国同様、中国とは差がついてしまう。またPMIなど前月比ベースの経済指標は大きく改善している。

*ポンド「通貨9位、株価14位、引き続き先進国通貨では最弱」
 7月はポンドも上昇しているが、ユーロには遅れを取っている。今年は英国に大きなイベントがなく基本的な需給の差(ユーロ圏は経常黒字、英国は経常赤字)がユーロ高ポンド安を生んでいる。経済指標は小売売上にしろPMIにしろ前月比では他国と同様に改善している。英国とEUとの自由貿易協定(FTA)締結交渉が難航していることもポンド安の要因だ。公正な競争や漁業権などを巡る溝を埋めることができないとEUのバルニエ首席交渉官は、現時点で合意に達する「可能性は低い」と述べた。一方、英交渉責任者のフロスト氏は9月中の締結は可能と期待をつないだ。
 波乱(ポンド買い)があるとすればソフトバンクグループ傘下の半導体設計会社、英アームの買収に米エヌビディアが関心を寄せていることだが、まだ交渉中のようだ。

*豪ドル「通貨4位、株価11位、4か月連続陽線となるか、その要因は」
 対ドル、対円で3か月連続陽線、今月もここまで陽線。関係が悪化している中国の景気回復が大きく豪ドルを支援している。コロナ感染で29年ぶりの景気後退となることや財政収支が第2次世界大戦後、最大の赤字になるとの見通しもあるが底堅い。マイナス成長や財政赤字拡大はどこの国もあることなので大きな影響はない。中国との関係悪化でも、中国向けの鉄鉱石輸出は伸びているようだ。
 フライデンバーグ財務相は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、2020年4~6月期の実質国内総生産(GDP)が前期比7%減となる見込みと発表した。1~3月期は0.3%減。1991年以来、2四半期連続のマイナス成長を経験せず、29年にわたり世界最長となる景気拡大を続けたが、景気後退局面を迎えた。財政赤字では、感染防止の為の社会的距離などの規制を実施するとともに国内総生産(GDP)の14.6%に相当する規模の経済対策を発表した。純債務は6月末時点で4882億豪ドル、GDP比24.6%で、2021年半ばまでに6771億豪ドル、GDP比35.7%に拡大する見通し。
ただ豪政府の財政悪化見通しを受けても、S&Pは最上級格付けに影響は与えないとの見込みを示した。
 財務相は6月に7.4%と22ぶりの高水準を記録した失業率が4Qに9.25%前後まで上昇し、2021年に入っても高止まりすると予想した。
RBAは現在の環境において政策措置を調整する必要はなく、マイナス金利導入の可能性は引き続き「極めて低い」との認識を示した。また為替介入については為替相場がファンダメンタルズ要因とおおむね一致する現在の状況では効果が限定的だとし、否定的な見方を示した。

*NZドル「通貨7位、株価4位、現金支給不要の景気回復」
 豪ドルと同じく対ドル、対円で3か月連続陽線、今月もここまで陽線。ロバートソン財務相は、新型コロナウイルスの流行に経済、衛生の両面で早期に対応したおかげで経済は予想より良い状況にあるとの認識を示した。政府は5月、今年度予算に盛り込んだ新型コロナ対応基金から140億NZドルを感染第2波への対応に宛てる方針を示している。財務相は「経済は予想以上に良好で、世界のどの国よりも開放的である」と述べた上で、緊急事態に備えて債務はできるだけ抑える意向を示した。5月に検討中としていた、個人への現金支給(ヘリコプターマネー)はもはや考えていない、とした。
新型コロナ感染者は累計1204人、うち死者は22人。市中感染者は80日前を最後に確認されていない。
 総選挙まで2カ月となった。アーダン首相は迅速な対応で新型コロナウイルスの感染拡大を抑制した手腕が評価され支持率が上昇。同氏が率いる労働党が勝利し、政権を維持する勢いだ。
アーダン氏は中小企業向けの融資制度の期限延長やインフラ改良を公約。「動き続けよう」と呼び掛けた。6月の世論調査では、労働党の支持率は54.5%と最大野党国民党の27%に大差をつけた

テクニカル分析

*ドル円「ついにボリバン下限下抜く。週足、月足もボリバン下限へ」
日足、7月22日-23日の上昇ラインとボリバン下限を下抜く。ボリバン下限は106.45。7月23日-24日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。雲下
週足、6月22週-7月13日週の上昇ラインを下抜く。6月29日週-7月20日週の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下位。
月足、3月-4月の下降ラインを上抜く、3月、4月の下ヒゲ効果で5月上昇。2月-6月の下降ラインが上値抵抗。5月-6月の上昇ラインを下抜く。ボリバン下限。
年足、4年連続陰線。16年-19年の上昇ラインは一旦下抜くも上抜き返す。16年-17年の下降ラインが上値抵抗。

*ユーロドル「日足から月足までボリバン上限上抜く」
日足、ボリバン上限上抜く。7月22日-23日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。
週足、5週連続陽線でボリバン上限上抜く。7月13日週-20日週の上昇ラインがサポート。
月足、月足は2か月連続陽線。今月も上伸、ボリバン上限越える。5月-7月の上昇ラインがサポート。3月-5月、3月-6月の下降ラインを上抜く。2月から5月までボリバン下限を何度も一時下抜くも下げ止まっていた。雲の下だが下限に近付く。
年足、2年連続陰線。今年は陽転。18年-19年の下降ラインを上抜く。02年‐17年の上昇ラインがサポート。14年‐18年の下降ラインが上値抵抗。

*ユーロ円「一時ボリバン上限を上抜く」
日足、ボリバン上限で張りつき一時上限を越えるも週末はボリバン内へ戻る。7月23日-24日の下降ラインが上値抵抗。7月21日24日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。週末は再び長い下ヒゲ。
週足、ボリバン上限へ、7月13日週-20日週の上昇ラインがサポート。6月1日週-7月20日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、ボリバン下限で3月より3か月連続で長い下ヒゲを出し漸く5月、6月は陽線。今月も陽線だが上ヒゲ長い6月高値の124.43に近づく。
年足、2年連続陰線。今年はここにきて陽転。ドルや円を抜く。18年-19年の下降ラインを上抜く。16年-20年の上昇ラインがサポート。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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