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週明け中東緊張で円高進む。世界は利下げする必要があるのだろうか

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総括

週明け中東緊張で円高進む。世界は利下げする必要があるのだろうか

ドル円=105-110、ユーロ円=116-121 、ユーロドル=1.08-1.13

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨2位、株価12位、中東緊張で円高進む」
 今朝のシドニー市場では週末に起きたサウジアラムコの石油関連施設への無人機攻撃を受け、円買いが進んでいる。午前5時50分では107.50-60。サウジアラビアと敵対するイランが後ろ盾のイエメン反政府武装組織フーシ派が犯行を主張。フーシ派はサウジ重要拠点への攻撃拡大を警告しており、今後も世界の原油供給に悪影響が広がる恐れがある。原油高は円安要因だが、初期反応は中東緊張によるリスク回避の円買いとなっている。

 さてドル円では8月は20日線及び雲の下で推移していたが、9月になって20日線を上抜き、また先週は一目均衡表の雲の上に出て秋の底堅さを早くも表し始めた。もちろん米中通商協議の進展、香港の「逃亡条例」の撤廃、英の合意なきEU離脱の後退などからのリスク選好の円売りもドル円の上昇に寄与した。秋になれば上半期に先行して輸出予約を締結していた輸出勢のドル売りも一服してくる。投機的なドル売りがでても輸出のドルの売り切りがフォローしないと投機筋は自分で買いもどさなくてはいけなくなる季節となる。ただそれは晩秋に起きやすく、今年は初秋から円安が進んだのは米中通商協議の進展によるところも大きい。

 今週の金融政策決定会合でマイナス金利の深掘りが有力な選択肢となりそうだが効果はないだろう。むしろ金融機関の収益悪化や個人の消費減退という副作用、いや本作用が生じよう。既にECBでもマイナス金利政策への批判が高まっているし、ドラギ総裁さえも金融緩和の限界を示唆している。無駄なマイナス金利深堀はやめるべきだろう。
また8月貿易統計の公表もあるが、これで9か月連続輸出が減少し貿易赤字となる見通し。個人消費の減退もあり輸入も減少し貿易は縮小気味だ。

*米ドル「通貨4位、株価(NYダウ)10位、利下げする必要があるのだろうか。関税引き上げをやめれば済むこと」
 今週はFOMCがあり0.25%の利下げ予想だ。ただ最近の経済指標からは利下げを急ぐことはないようだ。8月の小売売上高が前月比0.4%増と、予想の0.2%増を上回り、個人消費の底堅さを示した。9月の消費者信頼感指数は前月から2.2ポイント上昇し、92.0となった。予想の90.9を上回った。7月から8月にかけて8.6ポイント低下していたが、持ち直した。8月の消費者物価指数(CPI)は変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数が前月比0.3%上昇と底堅く伸びた。前年同月比は2.4%上昇し、2018年7月以来の大幅な伸びとなった。予想は前月比が0.2%上昇、前年同月比が2.3%上昇だった。FRBは米政権が中国製品の関税対象をさまざまな消費財に拡大したことから物価が向こう数カ月間で加速し、20年に物価目標を超えるとみている。利下げはあくまでもトランプ大統領の関税引き上げによる景気減速に対応するためであり、関税引き上げ競争を止めれば米国のみならず世界でも利下げする必要のない国も増えてくる。
 トランプ大統領も選挙を控え、貿易戦争において中国へも徐々に譲歩するだろう。クリスマス前にいがみ合ってさらなる景気減速や株価下落を招くのは誰が考えても害しか与えない。譲歩すればリスク選好となりドル安円安が進むだろう。ただ週末に起きたサウジアラムコの石油関連施設への無人機攻撃はリスク選好の流れを阻んでいる。

*ユーロ「通貨10位、株価8位(DAX)、金融緩和実施するも、緩和批判派や緩和限界説も出てくる」
 経済指標は弱いままでECBは予想通り金融緩和を実施したがユーロは2週連続上昇した。米中通商協議の進展と英の合意なきEU離脱の後退という外部要因も押上げの一つ。ECB理事会では、中銀預金金利をマイナス0.4%からマイナス0.5%に引き下げると同時に、マイナス金利が銀行に及ぼす影響を軽減するために金利階層化の導入を決定。債券買い入れの再開のほか、銀行を対象とした長期資金供給オペ(TLTRO)の条件緩和も決定した。ただドラギ総裁が「財政政策が主導する時期に来ている」と述べ、経済成長とインフレ押し上げに財政刺激策が主導的な役割を果たす必要があると強調したことを受け、ECBの政策手段は限界に近づいているのではないかとの懸念が台頭したことやワイトマン独連銀総裁やクノット・オランダ中銀総裁らの理事会内のタカ派から包括刺激策の効果に疑問を呈する発言が相次いだこともユーロ買いに繋がった。マイナス金利政策での副作用を批判する声も強まっている。

*ポンド「通貨7位、株価13位、ついに英首相辞任のシナリオまで出てきた」
 ポンド円は5週連続陽線。ポンドドルも堅調だ。英株価もポンド上昇の重しはあるが上昇を続けている。ジョンソン首相の合意なき離脱策が打ち消されていくのに従いポンドは上昇している。そんなことなら
メイ首相で良かったのではないかと思ってしまう。JPモルガンのアナリストは、英国のEU離脱を巡り、ジョンソン首相が辞任し、次期首相に離脱延期の要請を任せるというのが現時点で最も起こり得るシナリオとの見通しを示した。ジョンソン首相には、1)離脱協定案の下院への提出、2)辞任し次期首相に離脱要請を任せる、3)自身のスタンス変更、という3つの選択肢が残されていると指摘。「現時点ではこの3つの選択肢の中で辞任が最も起こり得る」と述べた。
 キャメロン元首相はEU離脱の是非を問う2回目の国民投票の実施が必要になる可能性があると述べた。条件などで合意しないままEUを離脱することは追求するべきではなく、2回目の国民投票を実施することが事態打開に向けた選択肢になる可能性があると指摘した。
 その中で今週の経済は、消費者物価 小売売上 英中銀政策金利決定など盛りだくさん。消費者物価 小売売上は弱い予想だ。ただ7月のGDP)は予想を上回る伸びとなった。前月比0.3%増。予想は0.1%増。
サービス業がGDPを押し上げた。だが、2Qがマイナス成長だっただけに、3Qのマイナス成長の可能性がかなり低下し、2四半期連続のマイナス成長は回避できそうだ。

*豪ドル「通貨8位、株価7位、国内景気悪化も外部要因が豪ドルを支える」
 日足では対円で10日連続陽線。消費者信頼感指数、企業景況感指数ともに悪化した。2Q・GDPも前年比1.4%増と、約10年ぶりの低い伸びとなっていたが、豪ドルは上昇した。引き続き米中通商協議進展観測や英の合意なきEU離脱の交代でのリスク選好の流れにのった。ファンダメンタルズは悪化しているが、2Q経常収支が1975年以来の黒字となったように需給面からは豪ドルを支えている。
 今週は雇用統計やRBA議事録の発表がある。RBA議事録では「国内消費が主な不透明要因になっていることで、雇用・物価の押し上げには長期にわたる低金利が求められる」との内容になると思われているが
市場は織り込んでいるだろう。中国貿易に依存しているが中国も鉱工業生産、小売売上高を発表するので注目したい。

*NZドル「通貨11位、株価3位、GDP予想は2%、株価も上昇しなくなった。NZ首相が来日」
 先週は対円で小幅上昇、対ドルで小幅下落した。米中通商協議進展観測のリスク選好の中では伸び悩んだ。3週連続陽線だが先週は上ヒゲを残した。日足でも10日ぶりに陰線となった(豪ドル円は10日連続陽線)。堅調だった株価も先週は3.17%下落した。8月の企業信頼感指数が、大幅悪化したことに続き、2Q製造業売上も1Qの前年比2.1%増から0.4%減少と悪化した。今週は2Q・GDPの発表があるが、1Qは前年比2.5%増であったが、2Qは2.0%増へ伸び率が縮小する予想となっている。心理的には2.0%を割り込むと景気減速の印象が強くなってしまう。尚、アーダーン首相が18日から22日の日程で訪日する予定だ。

テクニカル分析

*ドル円=「依然 高値を更新中だが中東緊張に注意」
日足、依然ボリバン下限に沿って上昇、雲の上を維持。日々高値を更新中。高値を更新しなくなったら注意したい。中東の緊張が高値更新を妨げるか。9月12日-13日、9月6日-9日の上昇ラインがサポート。8月1日-9月13日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。20日線は越えている。
週足、3週連続陽線。ボリバン下限から反発修理費用中位へ。7月29日週-9月2日週、4月22日週-7月29日週の下降ラインを上抜く。8月26日週-9月9日週の上昇ラインがサポート。18年11月26日週-19年4月22日週の
 下降ラインが上値抵抗。
月足、19年6月-7月の上昇ラインを下抜く。月のボリバン下限に到達してからは戻す。19年5月-8月の下降ラインが上値抵抗。16年6月-19年8月の上昇ラインがサポート。
年足、3年連続陰線。今年は陽線スタートであったが5月に陰転。15年‐17年の下降ラインが上値抵抗。16年-18年の上昇ラインを下抜く

*ユーロドル=「20日線突破も先週末は上ヒゲ」
日足、20日線突破も先週末は上ヒゲ。8月26日-9月13日の下降ラインが上値抵抗。急な上昇ラインの9月12日-13日の上昇ラインは下抜くか。9月3日-13日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。
週足、ボリバン下限下抜きから逆カブセ的な陽線で先週は乱高下しながらも陽線。8月26日週-9月9日週、8月5日週-8月12日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、8月は長い上ヒゲを残す陰線だったが今月は陽線スタート。19年7月-8月の下降ラインが上値抵抗だが上抜いたか。17年1月-19年8月の上昇ラインがサポート。
年足、17年-18年の上昇ラインを下抜く。14年‐18年の下降ラインが上値抵抗。02年‐17年の上昇ラインがサポート

*ユーロ円=「雲中へ入ったが、中東緊張で再び雲下か」
日足、雲中へ(中東緊張は注意)。ボリバン上限に沿いつつ上昇。9月4日-12日の上昇ラインがサポート。7月10日-9月13日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。
週足、8月12日週-26日週、7月1日週-9月2日週の下降ラインを上抜き上昇。4月15日週-7月1日週の下降ラインが上値抵抗。9月2日週-9日週の上昇ラインがサポート。
月足、ボリバン下限下抜きから9月はバンド内へ戻してスタート。19年7月-8月の下降ラインを上抜くか。
年足、16年-17年の上昇ラインを下抜く。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。12年‐16年の上昇ラインも下抜く。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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