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お金には休むことなく働いてもらう これが与沢翼流「働き方改革」だ!(後編)

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撮影:森口新太郎


前編では海外移住の理由や投資に対する基本的な考え方について、そして、中編ではFXの具体的な投資方法について詳細に語ってくれた与沢翼氏。最終回となる後編では、投資家としての今後の活動などについて教えてくれました。

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人生を「ブチ抜く」ために、私は投資家の道を選んだ これが与沢翼流「働き方改革」だ!(前編)
為替相場に「絶対」はない これが与沢翼流「働き方改革」だ!(中編)

答は経験を積んだ自分の中にある


PickUp編集部:
現在、FXで実践されているような投資スタイルはどうやって身につけたのですか?

与沢:
独自です。FXも株に関しても師匠はいませんし、バイブルもありません。唯一、参考になったのはチャートの形状でしょうか。基本的な話にはなりますが、例えば、下降中にできる上昇ウェッジ。「くさび形になってすぼんで反発したら、もう一回急落する」とか、「逆ヘッド&ショルダーは少なくとも短期的な反発は起こす」とか、自分の中で法則を探しています。

アルファベットをヒントにして探すといいですよ。例えば、右肩上がりのV字は強いです。レートが下がってきていて、短期間で戻して、落ちる前のVの左肩トップラインを鋭角で超えると、その後は上にいく傾向が強いです。あとは、右肩上がりのWの"右辺"です。Wに高低差があればあるほど信頼できます。この他にも、IやNや逆N、Sなど、チャートを見ているとアルファベットが見えてきます。私は多数の現象から共通する独自ルールを作る帰納法が昔から得意でした。何本もの木を見て、森全体を想像します。ダイエットするときも、仮想通貨でリップルを買うときも、今年は株式投資でフルスイングしますが、全部自分のルールに基づいてやっています。

PickUp編集部:
独学で積み上げた投資理論ですね。

与沢:
「答えは本の中にはない」という大前提でやってきましたから。正直にいうと、2015年のFX初心者のときは「答えはどこかにあるんだろう」と思っていたので、たくさん本を買って読みました。訳の分からない"学術書"にまで手を出して(笑)、そこまでいくと、もう意味が分からないです。最終的に本は「分厚く」なって、数式が必ず出てくる。それで何がわかるかというと、定量面での説明が増えて「10%含み益になったら利食いしろ」みたいな話になる。結局、統計の話に行き着いてしまい、確率のお話で終わっている。「それはおかしいでしょ」と。場面(前提)が異なれば、ターゲットラインも当然違うべき。だから、私はある特定の場面で通用する知識をすべての真理かのように展開する本について「そこに答えはない」と気付いて、実際に自分の帰納的ルールを作り、それに従って、場面毎に分ける投資を0からやり直したら、うまくいくようになりました。

自分自身のバランスシートから投資判断は下せ


PickUp編集部:
FX以外の投資についても、少しお話を伺います。現在、不動産投資をされていますが、借金ゼロで購入されるのはなぜですか。普通、不動産投資は借金をして、レバレッジを効かせて運用するのが正解のように言われています。

与沢:
私は絶対にしませんね。

PickUp編集部:
どうしてですか?

与沢:
B/Sの純資産理論です。私が知る限り、個人の財務状況をP/L、特にB/Sで見ている人は、ほとんどいないです。しかし、私は自分のB/Sを頭の中に鮮明に持っています。だからローンはありえないと強く思う。例えば、頭金1,000万円、ローン4,000万円で不動産を購入すると、総資産5,000万円になり、レバレッジは5倍かけていることになります。ただ、不動産価格が1,000万円、つまり、時価主義にもとづいて2割減損されたら、自己資本である純資産はゼロになるわけです。もし2,000万円の減損となれば、債務超過です。また、ローン返済額は固定ですから、財務キャッシュフローは、常に確率100%でマイナスになるわけですが、空室が続いたら、維持費もあるわけで、営業キャッシュフローのほうは、100%プラスになるとは限らない。つまり、返済はあるが、家賃収入が得られず、手元の現金同等物から持ち出しを続けて、支払い遅滞や不能に陥ることも十分ある。こう考えると"バッファー"がなさすぎるという判断になる。私の投資は、仮に半値になっても、家賃収入がなくても勝つ投資です。極端な話をすれば、現物であれば、その資産が何であれ、取得価額の10分の1になっても、私はまったく問題なく耐えられます。

「バイ・アンド・ホールド」の投資をするときは、「絶対に勝つ」ということです。勝率100%を当然のように目指す。勝つまで止めない。見方によっては、ウォーレン・バフェットの勝率は99%だと言われていますが、自分もそれに近いです。勝つまで放さないので。儲けるまで止めない。言い換えると、資産取得時点でかなり腹をくくっているんです。それは投資の意思決定に「にごり」がないということなんです。

PickUp編集部:
覚悟を持って、絶対に負けない投資をすると。

与沢:
とは言っても、正直、新興国の不動産は......まったく意味がわからないです(笑)。例えば、ドバイのブルジュ・ハリファは、不動産価格が半値になったり、3倍になったりします。ドバイショック後から、株のような動きをするようになりました。ドバイは不思議な国で、イギリスあたりで"富裕層いじめ"があると、イギリスから富裕層が移住してきますし、トルコで政変があると、トルコの金持ちが逃げてきます。何かマイナスな事象が周辺で起きると、儲かる逆説的な国......(笑)。予測不能なのに、不動産でローンなんかを組んだら大変です。「家賃収入がないときに、ローンの返済があったらどうしよう」って、本当に思いませんか。物件が火事で燃えることもあるかもしれない。ローンだけが残ったら、かなりきつくなりますよ。そもそも、不確実な家賃収入や将来の推定売却価格から、ローンを返済しようという考えが、私には理解できません。人間と同じで、いつまでも、いくらでも、稼いでくれるという楽観的な前提のほうが、おかしいと思うのです。

それにレバレッジを効かせた不動産投資は、高金利の新興国には"ハマ"らないと思います。タイのローン金利は約6~7%。そこで資金調達して、利回り7%くらいの不動産に投資することを考えてみてください。下手したら逆ザヤですよ。日本くらいです、こんなに金利が低いのは。日本から海外不動産向けに引ける融資もあるけれど、私は基盤が日本にないから。ものによるけれど、フィリピンはタイよりも高い10%程度です。現地調達で現地運用では全然ハマらない。

実は企業経営も同じです。A社の来年の売り上げが、今年と同じようにあるという蓋然性はあっても、絶対的な保証はありません。だから、「現金払い」という絶対に破綻しない方法で、私は不動産を購入するのです。家賃収入が10カ月間ゼロでも、その国で政変が起ころうとも、ひとつやふたつの物件が、燃えてなくなろうとも、まったく困らない。余裕もあるので、安売りもしない。絶対的優位な状況がくるまで待つ。逆に借り手や高い買い手がいれば、利益を出した上での営業ないし、投資キャッシュフローのプラスになり、即座に再投資にも使えます。

資本家になることが、与沢流の「働き方改革」


PickUp編集部:
今年は日本株で"フルスイング"されると言っていましたね。

与沢:
日本株はものすごく優位性があります。海外で気がつきました。こんなに"金のなる木"はないなと思いました。ネイティブ言語の日本語で深く理解できますし、かつ本当に割安です。特に新興株は、ここ1年の値崩れで、今は相当に安い状態だと思います。安くてしかるべきものが多い中で、「安いのはおかしい、本当は価値のあるベンチャー」も、少なからずありますし、今も日々生まれているのです。購入した不動産は、すべて貸し出して、利益を出して売れるものは売っていこうと思います。その売却益を全部、株に投資したいです。保有する資産は、「有利な状況がきたら売却して利益を出す」というのが、自分のやり方なんです。ただ、当方の希望価格で買ってくれる人がいれば売りますが、買い叩こうとする人には売らないです。家賃だけもらっておきます。その国の経済成長にも期待できますし。僕が不動産を持っている国は、インフレ率が3〜4%程度です。まあ、当面は家賃だけを回収しておいても、十分でしょう。最も有利なのは、インカム運用を5年した後の売却だと考えています。インカム5年分+新興国の実需拡大に伴うキャピタルゲイン、そこから物件自体の摩耗のマイナスを考慮した上での、遅すぎず、早すぎずの手仕舞いです。

PickUp編集部:
与沢さんは事業家から資本家になったということなんでしょうか。

与沢:
人はお金に使われたらダメで、逆にお金のほうに24時間365日寝ないで、フルスイングで仕事をしてもらわないといけません。お金の使い道は大切です。本当に人間は"死に金"をよく使ってしまいがちだけれど、やはり"生き金"に使わなければならない。シンガポールの銀行がよく営業にきます。私は保険で5億5,000万円、社債で5億5,000万円を保有しているので、それを担保に「11億円まで融資する」と言われます。そのお金を使って、日本株も米国株も買えますが、私は銀行の申し入れを断りました。その一方で、現物で購入した社債が、1年経って配当が税引き後純額で2,560万円入ってきたので、そのお金でまた社債を買いました。私は複利運用したいので、すぐに買い増しです。1日もおかないです。配当が入金されて、購入最小単価までたまれば、また、即日すぐに再投資です。先日、マレーシアの不動産から4年分の家賃収入が入ってきましたが、そのお金が入金されたその日に、すぐに社債を買いました。そうすれば、その日から4年分の家賃収入は、年利5%で回ります。前払いで"お安く"したので、4年でも1,000万円少々でしたが、それも無駄にしません。お金は寝かさずに、すぐに仕事をしてもらいます。

PickUp編集部:
入ってきたお金には、一睡もさせないと。

与沢:
とにかく休まずに、すぐに仕事をしてもらいます。これが私なりの「働き方改革」ですね(笑)。

PickUp編集部:
お忙しい中、今日はどうもありがとうございました。



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「ブチ抜く力」 与沢翼 扶桑社 定価 本体1600円(税別)
ISBN978-4594-07943-7
法人税滞納で会社を清算し、資産ゼロで日本から姿を消したあの"秒速男"が、一点突破で局面を打開し、地獄から生還。5年ぶりに投資家として私たちの前に姿を現した。資産ゼロで海外移住した彼は、どうやってわずか4年間で資産70億円を作り投資家として成功することができたのか。失敗を恐れることなく、常に挑戦し続ける強い心、何度となく困難を乗り越えるバイタリティーを持った男、与沢翼が、奇跡の復活劇のすべてを余すところなく語っている。
https://www.fusosha.co.jp/Books/detail/9784594079437

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「告白―秒速で転落した真実」 与沢翼 扶桑社 定価 本体1300円(税別)
ISBN 978-4594-07056-4
事業家から個人投資家へ、5年の時を経て、華麗な転身を遂げた与沢翼。なぜ彼は秒速で稼ぎながら、秒速で地獄の底まで転落してしまったのか。法人税滞納で"破綻宣言"をした直後の2014年7月に発売された。ここからなぜ彼は事業家ではなく、投資家として奇跡の復活を遂げたのか。現在の与沢翼の成功を正確に読み解く上で欠かせない1冊。
https://www.fusosha.co.jp/books/detail/9784594070564

与沢 翼氏
1982年11月11日生まれ。埼玉県出身。高校中退後、偏差値30から猛勉強の末、大学入学資格検定に合格。8カ月後の入試で早稲田大学に見事入学。大学生ながらアパレル通販会社を起業し、3年半で月商最大1億5000万円、年商実績で10億円の会社にまで拡大させるも6年で倒産。2011年に再起をかけて、手持ち資金10万円でネットビジネスに参入し、半年で7億円を稼ぐと、2013年には「秒速で1億円稼ぐ男」とのキャッチコピーで自身の書籍の電車ジャック広告を出し、大きな話題を集める。しかし、2014年に法人税の滞納で資金繰りに窮し、会社を清算することに。その後、海外に移住、今度は投資家として奇跡の復活を遂げる。2016年からはドバイに拠点を移し、株、為替、仮想通貨、不動産、債券、保険などに分散投資して、純資産70億円超を保有するまでになっている。