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第2部 第3部

3部 「為替の学校 2008 −新学期−」

酒匂隆雄氏

Q:米国経済が後退するとなぜ円高になるのですか? しくみを教えてください


酒匂 米国経済が後退するとドルが下がるのであって、円が上がるのではない。ドル安だったから円高になった。昨年までは、ドルは下がったが、同時に日本の金利が低かったために円を借りてドルを売った。
しかし、円の金利は依然として低いもののドルの金利が下がったことで、円が買われ出した。そのため、昨年の末頃からドル安、若干のその他通貨高、プラス円高になった。米国経済がさらに減速すれば、ドル安は続くだろう。私は、当面はドルが弱くなり、円が強くなると思っている。
ちなみに、昨年までは、円の金利が低いがために、他の要因を無視して円が売られ、どの通貨に対しても円安になった。
しかし、金利差は、為替を動かす要因のひとつでしかない。本来は、政治的要因や貿易収支、地政学的リスク、金利などいろいろな要因が絡まって相場が形成される。では、ディーラーは何をポイントに売買をするのかと聞かれれば、市場のセンシティブを重視し、全部を見ながら売買するとしか言えない。

Q:一時、1ドル=95円台になったドル円ですが、どこまで行くでしょうか?


酒匂 1999年と2005年のドル安局面では、日本政府の大規模な円売り介入と個人投資家の大量の円売りがあった。しかし、今回はいずれもないと考え、1ドル=92円と予想する。ただし、92円が底になるとは限らない。また、数年のうちに基軸通貨の座を降りることはないが、徐々にドルの影響力が低くなることは間違いないだろう。

田平 需給を考えると95円の売買の数が多いので、95円を超えて円高になった場合にはどこまでいくかわからない。ただし、テクニカル分析の結果では、95円を割らなければ、110円までのリバウンドもありうる。ファンダメンタルを分析した結果、個人的には、ドル安は決定的だと考えている。

川口 ドル円の日足チャートを見ると95円は居心地のいいところだと思われる。ドル円の月足を見ても、99年、2005年の安値である101円を割り込んだということは、次に止まるのは97年につけた79.75円。しかし、日本経済もそんなにいい状態ではないことを考えると、80円を割るような円高局面はないだろう。

Q:株やFXにはどのくらいの時間をかけていますか?

田平 取引は、仕事から帰った夜か朝。基本的には5分かかっていない。絶えずチェックして売買するようなことはせず、休みで時間がある時にファンダメンタル分析やテクニカル分析をしている。

酒匂 指標が出たからといって右往左往せず、市場がどう反応したかを見たあとで投資するべき。私は相場が大きく動いた時にしか投資しない。その時でも、朝起きて、どうなったかを確認してから投資する。そもそも、個人投資家は、本業があり、余った資金の効率の良い運用を考えているはずだから、1日に3時間も4時間も取引する必要はないはずだ。

Q:皆が損をする局面でも利益をあげる方法、コツが知りたいです。

田平 日本の個人投資家は逆張りを好む傾向があるが、為替や金利は、他の商品よりトレンドが発生しやすいため、逆張りをすると負けることが多い。為替は、トレンドを確認し、落ち着いたところで買うべき。だから、ある方向に激しく動いているなど確認できたら、その時には、ファンダメンタル分析はさておき、乗っかることが重要だと言える。どうしても逆張りをしたいなら、長期投資を前提に、資金量を減らし、レバレッジを1から2倍程度に抑えて拾っていく戦略を取るべきだろう。

酒匂 敢えて苦言を呈するが、上がった時も下がった時も全部取ろうとする個人投資家が多過ぎる。そもそも、それは無理な話だ。余った資金の効率のいい運用を考えるなら、ここぞと思った時に力強く投資すればいい。たとえば、円を売りたいなら、円高局面では待つ。のべつ幕なしに投資すると得たものも失ってしまう可能性がある。

Q:使えるテクニカル指標を教えてください。どんな場面で何を使えばいいですか?

川口 相場には二局面ある。ひとつはトレンドが出ている状況。もうひとつは一定のレンジを行ったり来たりする持ち合い。これが交互に来るのが相場だ。テクニカル分析もトレンドに強いものと持ち合いに強いものの大きく2つに分けることができる。たとえば、売られすぎ買われすぎを表すRSIは持ち合いに強いと言われる。MACDはトレンドをつかむのに適している。それぞれの場面で有効なものを使うといいのではないかと思う。

田平 テクニカル指標には、トレンドが出ている時に適合するものと、RSIやストキャスティクスのように逆張りに適した指標があるが、為替はトレンドが発生しやすい傾向があるので、トレンド系を使うといい。敢えて逆張り系の指標を使うのであれば、レバレッジは抑えるべきだろう。

Q:投資をするうえでジンクスや縁起担ぎはありますか?

酒匂隆雄氏

酒匂 縁起担ぎはしないが、120円、110円、105円など、キリのいい数字で注文を入れようとしても、そこまで行かないことも多い。大きな数字を切ったあと、8や2が確認に使われることが多い。だから、95円で買いたい時は95円80銭、110円で売りたいなら108円80銭など、8のつく数字で注文を出すことが多い。

田平 験担ぎはしないが、負けだしたらいったん止める。

川口 負けが込んだらいったんポジションを整理する。常にポジションを持っていると相場を色眼鏡で見てしまう。

Q:FXの魅力とは?


酒匂 結果がすぐに出ること。間違ったことをやれば損をするし、正しくやれば利益が出る。売りも買いもできるうえ、外貨預金に比べて手数料も安い。外貨定期預金は中途解約すると金利にペナルティが課されるが、FXなら毎日スワップポイントが入る。

田平 そもそも為替は株などに比べて変動率が少ない。相関性の低い複数の通貨に分散投資すればボラティリティも小さくなる。レバレッジを調整すればリスクもコントロールできるし、ストップロスを入れることで損失を限定することもできる。リスクを自分でコントロールできることは、大きな魅力だと言える。

川口 24時間取引できることも魅力。パソコンを開いた段階で世界のマーケットが動いているからリアルタイムで市場に参加し、注文を出すことができる。

Q:FX投資で注意したほうがいいこととは?

酒匂 ちゃんとリスクを考え、ちょっといい効率でやるべき。「ここぞ」という時に投資したほうが利益率も上がる。また、為替市場では「あり得ない」と思うことも起きるもの。いろいろな局面を想定しつつ、急激な変化があった時に、それに対処できない取引をしてはいけないということも申しあげたい。

田平 一般投資家には、ファンダメンタルの予測はほぼ不可能。だから、ドル、ユーロ、オセアニア通貨など複数の通貨に分散すべき。そうすることによって、レバレッジが同じでもボラティリティは低下する。また、為替は株などと違い、全部の通貨が弱くなることはない。値動きの相関性が低い通貨を組み合わせることで、全体としてのリスクを下げることも可能になる。

川口 最近、一発屋を研究しているのだが、一発屋は、世の中の流れと自分の実力が一致したときに大ブレークする。ところが自分の実力がわかっていないと、世の中の流れに置いて行かれてしまう。投資でも同じことが言える。自分の実力をしっかり把握し、常に磨いていないと、ある時は儲かっても、いつのまにか負けが込んでくることになる。勉強を続けて自分の実力を磨くとともに、常に自分の今の実力がどこにあるかをチェックしていれば、長く投資を続けることができるはずだ。

3部 「為替の学校 2008 −放課後−」

この他にもたくさんの質問をいただきました。時間内にお答えできなかった質問をセミナー終了後、先生方に伺いました。

Q:FXの取引を今年から初めて挑戦する場合、どのような点に最も注意すべきか、教えてください。

酒匂 昨年までの円安一辺倒から、円高が進みました。外貨預金型で、レバレッジを大きくしないで円を売り外貨を買うことに反対はしませんが、みすみす高くなる(円高)になるものを急いで売る必要は無いでしょう。円売りしか興味が無いのであれば、様子を見るのも肝要かと思います。FXの醍醐味は、円買いも出来ること。円が高くなるかも知れないと自分でも思ったら、短期的に円をロングにすることも考えていいかも知れません。

川口 無くなってもいいであろう、という投資資金を明確にしておくことです。つまり、投資をする以上リスクを避けることはできません。したがって、最大どこまでのリスクを負えるのかをキチンと考えることです。

田平 ・損切りを徹底すること(損切りしない大きくまけてしまう)
    ・レバレッジを3倍以内にする(レバレッジをあげるとリスクをコントロールできない)
    ・思い込みを捨てる(相場は予測通りに動かないものと考えていたほうがうまくいく)

Q:勝てる個人投資家と負ける個人投資家の違いを1つだけ挙げるとしたら?

酒匂  勝てる個人投資家は潔くすっぱりと損切りが出来、負ける個人投資家は“自分が取った行動を正当化”して、損切りが出来ません。プロとアマの違いは、プロは損の仕方が上手なことです。プロも損をしますが、“終わってみると”、必ず勝っています。理由は損切りをするからです。

川口 自分の運用スタイルを持っているのかいないのか、という点です。

田平 前の質問の答えがすべてです。レバレッジコントロールを含めた資金管理の徹底。切り替えが早い。

Q:相場で負けた時の立ち直り方法

酒匂 何故、Entry Point.を間違えたかを反省すること。何かを盲信し過ぎなかったか?(他人の言うこと。チャート。)損切りをした後は、暫く様子を見て相場観を取り戻すこと。

川口 休むことです。休むも相場といいます。今一度相場から離れて相場を眺めることです。

田平 休んで冷静になる。負けるのは相場では必然であるので、負ける前から負けた時を想定して備えておく。負けた後の余裕資金を置いておく。

Q:リスクを抑えてFXの運用をしたい。お勧めの通貨・トレード方法は?

酒匂 先ずは、訳の分からない通貨を、金利が高いからというだけでは手を出さないこと!No risk, no return.は嫌だ。High risk, high return.も怖い。Managed risk, better return.=(リスクを最小限に抑えて、効率のいい運用だけ心掛ければいいのです。)先ずは、取引通貨をドル、ユーロ、円、そしてせいぜいポンド、豪ドルとニュージーランド・ドルだけに留めることをお勧めします。塾長は損をしたくないし、よく分からないので、ドル・円、ユーロ・円しか手を出しません。基本的には、ドル・円ショート、ユーロ・円ロングなので、ドル・円を売買するのはユーロ・ドルを取引しているのと同じになります。トレード方法は、お教え出来るものではありません。

川口 投資をする以上リスクを避けて通ることはありません。その中で、自分の良く知っている国を中心にその国の通貨の動きをじっくり観察することです。それがお勧めの通貨になると思います。じっくり観察をすれば、そこでの有効なそして自分が得意となるトレード方法が見えてきます。

田平 レバレッジをさげる。通貨を分散して投資する。通貨の分散の際は、クロス円だけでなく、クロスドル、クロスフランなどを混ぜ、相関の低い組み合わせを持つ。たとえば、ユーロ円とドルスイスフランなど。

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