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マネトレ!2019年11月29日

いま個人投資家が注目する米指標はこれだ!/「年末はドル高になりやすい」は本当か?/気が抜けない!12月の注目材料を点検する

これまでに寄せられたご質問

年末はドル高にやりやすいとのことですが、どうしてでしょう?今年の12月もドルが買われそうですか?

年末のドル高はFXトレードの世界でよく聞く「アノマリー」です。
アノマリーとは「理由は分からないけど、なぜかその通りになることが多い」といった法則のようなものです。
過去10年のドル/円を振り返ると、10-12月期は7回上昇(3回下落)、12月に限ってみてみると6回上昇(4回下落)していますので、確率を考えると確度の高い材料と言えるかもしれません。

そこでドル高に動く要因をピックアップしてみましょう。
まず、米国企業の決算に伴い、外貨を米ドルに換える動きが強まるということが挙げられるでしょう。
米企業決算に伴い米国でリパトリ(外貨を自国通貨に換える動き)が起こりやすく、結果として円安・ドル高になりやすいとされています。

つぎに、米ドルは貿易など国際間の取引決済のために使用される通貨であるため、非常に貸し借りが盛んでもあります。
ただ、クリスマスや感謝祭を控えてドルの需要は高まりますが、ドルの貸し手が減少することも相まってドル高が加速する可能性があるのです。
また、年末にドル高になると見込んで取引をする市場参加者がいることもドル高に一因になるかもしれません。

しかし、12月に限って見てみると、10年で6回上昇(4回下落)なので、そこまではドル高に動きやすいとは言えません。
直近のチャートを見ても、12月半ばを過ぎると調整売りに押されている様子が見られます。
ドルロングは12月半ばをめどに一旦撤退を視野に入れて取引をするのもいいかもしれません。

「為替は需給で決まる」といいますが需給を確認する方法はありますか?

為替相場の3大変動要因の1つである需給ですが、経常収支(特に為替に影響のある貿易収支)、対外対内証券投資、通貨先物ポジション残高(投機筋)、個人投資家ポジション残高の見方を解説します。

1つ目の日本の『貿易収支』は、貿易赤字が拡大傾向にあるときは「円安」方向へ、反対に貿易黒字が拡大傾向にあるときは、「円高」方向へ進むと予測することが出来ます。
ただ、前月分が翌月に公表されることから、足元の為替相場を読むのは少し難しいかもしれません。

次に対外対内証券投資ですが、まず『対内証券投資』とは日本の株式や債券などへの投資のことを指しており、『対外証券投資』は海外の株式や債券などへの投資を指しています。
海外から日本への投資する対内投資は日本に資金が流れ込むため円高要因、逆に日本から海外に投資する対外投資は日本から資金が流出するため円安要因となります。
これら2つは財務省のホームぺージから確認することが出来ます。

しかし、貿易収支にしても、対外対内証券投資にしても、いわゆる実需のデータとなります。
外国為替では「実需1割、投機9割」といわれ、参考情報の1つとはなりますがどうしても決定打に欠けます。

そうなると頭に浮かぶのが3つ目の『IMM通貨先物』(International Monetary Market)でしょうか。
これはシカコ・マーカンタイル取引所(CME)にある国際通貨市場のことですが、そこで取引に参加しているヘッジファンドや金融機関などが、今どの通貨を買い持ち、売り持ちにしているのかを示しています。
買いポジションが過大になれば下落、売りポジションが過大になれば上昇の可能性が高まっていると判断することができます。
こちらは外為どっとコムのホームページからも確認ができ、ポジションの傾き具合をみてトレンドの判断材料にする人もいます。
しかし忘れてはいけないのは、これはあくまでも先物取引であって現物ではないということです。
為替レートとIMMポジションの関連性はたしかにありますが、これだけで投資を判断するのは心許ないです。

そこで最後4つめの外為どっとコム顧客の『ポジション比率情報』や『注文情報』となりますが、目先の判断材料としては有効でしょう。
売り・買いポジションのバランスから取引の動向やトレードの方向性を読みとることができます。
判断材料の1つにはなりますが1社の情報に限定されるため、市場の全貌をここから読む解くのは厳しいです。
どれをとっても、メリットだけでなく弱点も混在するので、これらを上手く組み合わせて活用するということがもっとも大切でしょう。

米議会がトランプ米大統領の弾劾に動き始めましたが為替への影響は?

米国のペロシ下院議長は24日にトランプ大統領への弾劾調査を開始したと正式発表しました。
しかし調査開始の承認には下院218票が必要となり、現在の190票前後ではまだ届かない状況です。

また、仮に承認された場合にも決定的な証拠がない限り、共和党が過半数を占める上院での承認も困難なため、現実的にはハードルが高いと言えます。
もちろん、上院と下院で「ねじれ状態」が発生した結果、米株安→ドル売りの流れになる可能性も否定はできませんが、現時点では弾劾調査開始によってドル安・円高要因に傾くことはないでしょう。

FOMCは利下げを打ち止めにするのでしょうか?一方で、日銀は追加緩和に動くのでしょうか?

まず、9月18日にFOMCは0.25%の利下げを決定し、FFレート(政策金利)の目標レンジは1.75-2.00%に引き下げられました。
今後利下げは打ち止めとなるのか、それとも追加利下げがあるのかが気になるところです。

FOMC声明文は7月と比べ限定的な修正に留まり、「ドット・プロット(参加者の政策金利見通し)」では年内据え置きが示されました。
ただ、17人の参加者のうち7人が年内に追加利下げ、5人が金利据え置き、5人が利上げという見通しでFOMC内部の見方が分かれていたことを表しています。
また、2020年末に関しては、中央値は1.875%と変化はありませんが、追加利下げを想定したメンバーが7名から8名に増え、利上げ想定は5名から7名に増えています。

そのような「はっきりしない」状況が市場予想にもしっかりと表れており、CMEグループのFEDウォッチによると、23日時点では利下げか据え置きかはほぼ五分五分の予想となっています。
次回10月29-30日にかけて行われるFOMCでは利下げを見送る公算が大きいものの、米中の通商交渉の先行き悪化や景気の下ブレが見られればもちろん利下げに動く可能性もあります。
現時点ではどちらに転んでもおかしくはない状況のため、これらの動向にはしっかりと目を配る必要があります。

なお、日銀については9月19日の日銀金融政策決定会合後の記者会見で黒田総裁が追加緩和への姿勢を一歩強める発言をしています。 ただ、大きな変更が必要だとは思っていないと述べていることもあり、次回10月の会合にて追加緩和が打ち出された場合にも枠組の修正に留まるでしょう。

ブレグジットに備えて注目すべきポイントと今後のポンド相場の見通しは?

ブレグジットまで残り2カ月となった今、特に抑えておきたいポイントを大きく3つに分けて考えてみます。

まず、何と言っても「ジョンソン英首相とEUとの交渉」です。
8/21の英独首脳会談では、メルケル独首相が離脱協定案の焦点となっているアイルランド国境問題の解決策について30日以内に代替案を提示するよう求めました。
また、8/27にはユンケル欧州委員長が「EUは合意なき離脱回避のために可能な限り行動する」と表明しており、EU側は離脱協定案の再交渉には応じない姿勢を崩していないものの、多少態度を和らげているようにも感じられます。

こうした中、ジョンソン英首相は「合意なき離脱(ハード・ブレグジット)」をちらつかせることで、EU側が譲歩してくれるのではと踏んでいる面も見られます。
「合意なき離脱」になると輸入・輸出関税手続きの発生など、企業や市民生活に大きな混乱を与えることになるため、離脱交渉の行方とその結果が今後の鍵を握っているといえるのです。
10月末の期限ぎりぎりまで混迷が続くことになるでしょう。

次に「英議会再開に向けた動き」に注目しましょう。
労働党など主要野党が8/27に幹部会合を開き、経済が混乱に陥る「合意なき離脱」を阻止するための法案を議会に提出することで合意しています。
その内容は離脱期限の延期をEUに申請することをジョンソン英首相に義務づけるものです。

英議会の再開は9/3となりますが、この法案が可決されればポンド高の材料となる半面、否決されればポンド安の材料となります。
ただ、ジョンソン英首相が9月第2週から5週間にわたって議会を閉会すると発表したことで離脱が強行される可能性が膨らんでおり、英議会の出方と法案の行方次第ではポンド相場が揺れる展開も予想されます。

最後に、「イギリスの経済指標」にも目を向けておきましょう。 英7月製造業PMIが前月に続き6年半ぶりの低水準に落ち込むなど、合意なきEU離脱への懸念が英国経済に悪影響を与え始めていることが浮き彫りになっています。

離脱交渉が暗礁に乗り上げて経済に打撃を与える場合には利下げ機運が高まってくる見方もあります。
そうなるとポンドは更に下落圧力がかかる見通しです。
9/2には8月製造業PMI、9/9には7月GDPの発表が控えていますが、これらの経済指標が前月からどう推移するのか気になるところです。

なお、ポンド/円相場は8/12以降は持ち直してきているように見えますが、移動平均線は20日・100日・200日いずれも下向きの流れはまだ変わっていないようです。
下落トレンドの中の調整に過ぎないと読んでおいた方がよいでしょう。

トランプ米大統領がドル売り介入する可能性はあるのでしょうか?

まず、日本が過去実施したドル買い・円売り介入時の為替相場を見てみると効果が限定的な事が分かります。
これには外為市場全体の取引規模が大きいため、単独介入しても効果は小さいといった見方があります。

協調介入(複数の国の通貨当局が市場介入を行う事)を行えば、ある程度の影響は見込めますが、協調介入の合意を取り付けるのは容易ではありません。
また、ムニューシン米財務長官が強いドル政策について「現時点で変更はない」と強いドルを支持する姿勢を示しているため、米国が現時点で介入に踏み切る可能性は低いと見ています。
ただ、スタンスに変更があった場合にはその限りではありません。
方針変更の有無を気にかける必要はあるでしょう。

7月30-31日のFOMCで注目すべき点は?

抑えておきたいポイントが大きく分けて3つあります。
まず、「政策金利の引き下げ幅」です。
25bp(0.25%)の引き下げが確実視されていますが、50bp(0.50%)の利下げを予想する向きもあります。
短期的なドルの値動きに影響する可能性がありそうですが、今の所は初期反応として25bpの利下げならドル買い、50bpの利下げならドル売りと見ています。
つぎに、「声明で示す景気・物価の判断」です。
前回の声明では「景気は拡大している」ものの「物価上昇率は伸び悩んでいる」ことが指摘され、利下げへの意欲をにじませていました。
この声明のニュアンスが前回からどう変わるか注目しましょう。
最後に「パウエルFRB議長の会見内容」ですが、FOMCで利下げに踏み切ることはほぼ確実視されているため、利下げを行った後、追加利下げについて示唆するのか、そこが重点でしょう。
なお、「声明で示す景気・物価の判断」と「パウエルFRB議長の会見内容」においては中期的なドルの値動きに影響する可能性があります。

FOMCは7月に利下げするのでしょうか?
利下げしたらドルは売られますか?

FedWatch(シカゴ・マーケンタイル取引所が米国の政策金利であるFFレートの誘導目的が変更される可能性をFFレートの先物の動向に基づいて算出した数値)から、政策金利が変更(利上げ・利下げ)される予想確率が解りますが、7月の利下げ確率は0.25%の利下げ予想が70%超、0.50%の利下げ予想が30%弱となっています。

つまり利下げ予想は100%となり、ここから分かるように7月の政策会合で利下げが行われる可能性は非常に高いと言えます。 そのため本来であれば利下げはドル安材料のはずですが、0.25%の利下げであれば織り込み済みの範囲内のため、影響は限定的になると見ています。

ただ、0.50%の利下げだとサプライズでドル売りが強まる可能性はあります。

どちらにせよ、利下げとなった場合にもそこまで大きなインパクトはないと考えています。(可能性はゼロに等しいですが、ここまで利下げ織り込みが進んでいるなかで据え置きとなった方が市場は混乱するかもしれません)

大切なのは利下げを継続するのか、はたまた打ち止めか「今後の方針」にあり、これこそがドルの先行きを見るうえでより重要となります。
6月26日時点で7月末のFOMCまで1カ月ほどありますが、その間にも米雇用統計をはじめパウエルFRB議長の議会証言など重要イベントを控えています。
これらの内容も1つずつ注目しておきましょう。

メイ首相の辞任でブレグジットは上手くいくのでしょうか?ジョンソン氏が次期首相なら合意なき離脱の可能性が高まると思うのですが。

7月末頃までに保守党の党首選が行われ、次のリーダーが選出される予定です。

知名度の高いジョンソン氏が最有力候補と目されていますが、議員投票を勝ち抜けるかが焦点となるでしょう。
保守党の党首選は2段階で行われますが、まず下院議員の繰り返し投票で最下位が脱落していく形で候補者を2人に絞り、その後に全国の党員による決選投票で最終的に決定します。

そのため下院議員の人気度がカギとなります。
ジョンソン氏は「合意なき離脱」を辞さない構えを示している事から、彼の首相就任が確実視されれば、大きく混乱することが予測されます。

なお、5月28日時点で11名が立候補しており、ジョンソン氏を含む5名がハードブレグジット派です。
ハードブレグジット派のメンバーが首相に就任すればポンドは売られ、ソフトブレグジット派のメンバーが就任すればポンドは買われやすくなるでしょう。

10月末の離脱期限前に英国とEUが何らかの形で衝突する展開が予想されますが、現時点においては 10月末の離脱期限は再延期される公算が大きいのではないでしょうか。
引き続きブレグジット関連のニュースは目を配っておきたいところです。

欧州議会選挙でEU懐疑派が躍進と報じられていますが、今後ユーロ相場に影響は出ますか?

5月26日に投票が終了した欧州議会選挙ですが、これまでEUを主導してきた中道右派・左派の2大会派は退潮が鮮明となる反面、確かにEU懐疑派は勢力を伸ばしています。
しかし、親EU派であるリベラル派や環境保護を訴える緑の党も大きく躍進しているため、親EU派全体では踏みとどまり、総議席の3分の2を確保しました。

EU懐疑派は議席こそ増やしたものの、事前予想ほど伸びなかった事もあり、今時点ではそこまで大きな影響はないと見ています。
ただ、全体で三分の一を占めると発言権が強まると言われており、このあたりが焦点になるかもしれません。

なお、投票率は51%と過去20年で最高水準にも関わらず、EU懐疑派が伸び悩んだ背景としては、ポピュリズム政党に対する一定の警戒感が有権者の間で強まった事の表れと判断出来ます。
これはユーロ相場にとってポジティブな材料と言えるでしょう。

反面、南欧財政不安の再燃のほか、要職ポストを巡る争いという、ネガティブ材料も揃っています。
10月には欧州委員会の委員長が、そして11月にはEU大統領がそれぞれ任期満了を迎えますが、これらのポストとECB総裁という3主要人事は、EU域内の異なる国の出身者で分担される慣例があります。

ポストを誰が手に入れるかが今後の金融政策運営等にも影響してくる事から、人選が難航する事が予測されます。
ユーロ相場が大きく動く可能性もあるため、留意が必要でしょう。

GW10連休に大きく円高が進む可能性はあるのでしょうか。またあるとしたら注意すべき点は?

ゴールデン・ウィークというと円高というイメージがありますが、ここ15年を見ると円高が8回、円安が7回となので、その傾向は顕著とは言えません。

記憶に新しい、今年1月3日のフラッシュ・クラッシュ的な暴落が気になる所だと思いますが、一般的にフラッシュ・クラッシュは市場の売りと買いのバランスが崩れた場合や、相場の流動性が低い時、また悲観ムード(世界経済の冷え込み等)が広がっている時に起きやすいと考えられています。

それを踏まえると、1月3日は「薄商い」の他、「株式市場のクラッシュ直後」「米アップルの売り上げ見通し下方修正」など悲観ムードが広がっていました。

また、参考情報として外為どっとコムのお客様の売・買のポジションバランス(ポジション比率情報より参照可能)を見ると、1月はドル/円ポジションの割合が傾いていたことが分かり、まさにフラッシュ・クラッシュの材料が揃っていたとも言えます。

ただ、足元は株式市場も持ち直しているほか、ドル/円のポジション比率もほぼ均衡です。
悲観材料も特に見当たらない事から過度な警戒は不要と見ています。

しかし、トルコリラ/円などクロス円においては、大きくポジションのバランスが崩れている通貨ペアもあります。
そのため、クロス円での円急騰が他通貨に波及する可能性もあります。
また、ゴールデン・ウィーク期間中には米雇用統計などの重要イベントも控えています。
もちろん過度な警戒は不要ではありますが、気に留めておく必要はあるでしょう。

「逆イールド」が景気後退のシグナルといわれるのはなぜ?ドル/円への影響はあるのでしょうか?

一般的には期間が長い国債ほど長期保有のリスクが上乗せされ金利が高くなるので、長期金利が短期金利を上回る順イールド(イールドカーブが右上がりの曲線)が形成されます。
これに対し、短期の金利が長期より高くなり、逆転すると逆イールド(イールドカーブが右下がりの曲線)が形成されます。

さて、そこで気になるのが短期金利と長期金利の決まり方です。
まず、短期金利は中央銀行の金融政策(利上げ・利下げ)に左右されます。
一方、長期金利は短期金利の動向に加えて、景気やインフレ動向に関する予測を反映した長期資金の需給に左右されます。
原則的には、景気サイクルの終盤になると中央銀行は景気の過熱感を抑えるために政策金利を上げるので、短期金利が上昇します。

しかし長期的には景気後退が見えてきていることから、将来の利下げに備えて今の長期の国債を買うようになります。
このため長期債の価格が上昇(利回りは低下)します。
このように短期金利が上がり、長期金利が下がってくると金利差が逆転して「逆イールド」が起こるのです。

ところが、この逆イールドが起こると銀行が貸し出しを出来なくなります。
なぜかと言うと、銀行は基本的に短期の資金を調達して、長期で貸し出しを行います。

通常であれば短期金利が長期金利より低いので、これが銀行の利益となります。
しかし短期金利より長期金利が低くなると、借入金利より貸出金利の方が低くなってしまい、利ざや(預金金利と貸出金利の差)を取れなくなり、貸し出しを渋るようになります。
その結果、企業の倒産や個人の破産に結びつき、景気が後退すると言われています。

最後に注目したいのが逆イールドとドル/円の関係です。
過去を振り返ると、逆イールド発生後にFRBが利下げに踏み切ったことでドル/円も下落しています。
ただし、実際に利下げを行うまで1〜2年ほどのタイムラグが発生する場合もあり、その間に逆イールドが解消したケースもあります。
ここからわかるように、逆イールドが必ずしも景気後退につながるというわけでもありません。
また、現時点では短期金利と長期金利がワンタッチした状態で、先のことを判断するのは難しい状況です。

いつ大きな変動が起きても良いように、今後の米経済指標をチェックするなど自身のポートフォリオに対して適切なリスク管理を行いましょう。

日米物品貿易協定(TAG)の協議が始まると円高になるとの見方があります。見通しと協議のポイントは?

ポイントとして「自動車輸出」と「為替条項」があげられます。
まず、自動車輸出ですが、昨年9月の日米首脳会議の共同声明の中に「交渉結果が米国の自動車産業の製造及び雇用の増加を目指すものであること」と文言が盛り込まれました。
日本は対米貿易黒字である7兆円のうち約76%は自動車輸出が占めているため、これらの増加は日本での生産に直結します。
すなわち、対米輸出台数を減らすとなると、国内生産を減らすことになり、結果として国内雇用にも影響が出てくる可能性があります。
交渉の行方を慎重に見守る必要はありますが、自動車輸出に対する話が出てくると自動車株が下落して円は買われやすい傾向になるでしょう。
次に、為替条項ですが、これは「通貨安誘導を行っている」と判断した場合に、関税を引き上げるなどの対抗措置をとることができる仕組みのことです。
ただ、仮に盛り込まれたとしても、過去に導入されたケースからは極端に通貨高に繋がった例もなく、また直近に実施された円売り介入の水準から現在は30円ほど円安水準にあるため、影響は限定されるでしょう。
その為、為替条項よりは自動車輸出に対する内容が市場にインパクトを与えそうです。

ポンドが乱高下していますが、ブレグジットの進捗状況と今後の注意点を教えてください。

EU離脱を巡り英国内では引き続き、「強硬離脱派」「残留派」「穏健離脱派」の折り合いが困難な状態です。
もっとも大きな障害となっているのが、アイルランドとの国境問題に関するバックストップ(防御策)ですが、離脱協定修正案の提示期限となる2月26日までに提示出来る可能性は低く、3月21-22日に開催されるEU首脳会議まで決まらない見方が濃厚です。
ただ、こうなると事実上3月29日の離脱自体が延期となる事も考えられます。
合意がないまま3月29日にEUを離脱することになれば、貿易や金融市場に混乱が生じる事が懸念されます。
しかし「延期」となれば、少なくとも合意なき離脱に突き進むことにはなりません。
このことが「すぐに大混乱になる可能性も低い」との安心感を醸成し、ポンドを下支えしているのかもしれません。
また、現在ポンド相場は2016年6月にEU離脱を決定した時の水準で推移しているため、これ以上大幅に下げる事は考えづらいでしょう。
なお、ロイターの予想によると「ポンドは合意なき離脱で6%下落する」との予想ですが、ポンド/ドルのケースに当てはめると1.2ドル台まで下落する見込みということになります。

米政府機関の閉鎖が長引くとドル円にどのような影響が出ますか?

もともと米国は会計年度末までに予算が成立しないケースが多く、歴代政府は短期間の「暫定予算」を多用することで運用されてきました。
12月21日にこの暫定予算が失効したのですが、トランプ米大統領がつなぎ予算を認めず、政府機関が閉鎖されました。閉鎖は1月23日で33日と過去最長を更新中です。
もっとも今回の予算は全体の25%にとどまっており、期間が伸びてもあまり影響が出ていません。
また過去のチャートをみても、米政府期間が閉鎖された期間の影響は相場にはあまり出ていないことがわかります。
ただ、今後のリスクとしては「債務上限」問題への引火と「国家非常事態宣言」の発動が想定されます。
まず、3月には20兆ドルの「債務上限」が復活します。ここで予算が成立していなければ国債が発行できず、今まで借りてした分が返済できなくなります。これが大きな問題となり、ドルが売られる可能性が浮上します。
もうひとつの「国家非常事態宣言」ですが、大統領権限でこの宣言をすると軍予算の転用が可能となります。
しかし、非常事態宣言を実行した場合は民主党が大統領を訴追するといっており、これがリスク要因と捉えられて円買いに発展する可能性が出てきます。
なお、さきほどの「債務上限」問題は国債の格下げとドル下落につながることもあります。
実際、2011年8月5日のS&Pによる格下げによって、ドル/円が急落した経緯があります。世界で最も安全とされてきた米国債が格下げされることで、資金が米国から他の国に逃避したわけです。
したがって、今年の3月に迎える「債務上限」の復活でも同様のことが起きる可能性があり、注意が必要です。

米国が利上げ打ち止めとなるとドル安になるのでしょうか?

市場ではパウエルFRB議長がハト派に傾いたように見られていますが、そもそもパウエルさんは「中立金利以上に利上げしない」というわけではありません。 中立金利に近づいたので、これからは「利上げが適切」かどうかをデータ次第判断すると言っています。
つまり、「利上げの打ち止め」か「利上げ継続」かはデータで判断しますと言っているわけで、そうなると今後は雇用指標やインフレ指標の重要度が増すことになります。
したがって決して利上げ打ち止めに向かうということではないと考えられます。
また、利上げ打ち止めになっても必ずしもドルが下がるわけではありません。
他国との金利差で考えてみましょう。
たとえば日本との金利差を考えてみると、たとえ米国の利上げが打ち止めになっても日米金利差は開くことはなくても広がった状態のままになります。 この金利差に着目した取引が増え、米国債を買おうという動きにつながります。
そして、この際にドルを調達するためドル高の要因になるわけです。
利下げの動きが出てきた場合はたしかにドルが売られる局面が考えられます。
しかし、利上げ打ち止めになっただけではすぐにドル安になるわけではなく、その後しばらくドル高・円安のトレンドは変わらないと考えられるのです。

最近はドル/円と株価の連動性が薄れていますが、それはなぜでしょう?

単純な理由としては株価が下げたことによるリスク回避のドル買いや、年末に向けたドル需要が考えられます。
あとは仮説になりますが、国際マネーの逃避先が米国債に向かい、それに伴ってドルが買われたという側面もあると考えられます。
高流動性、高格付け、高金利の米国債はマネーの逃避先に最適と見られているのです。

最近はドル/円と株価の連動性が薄れていますが、それはなぜでしょう?

単純な理由としては株価が下げたことによるリスク回避のドル買いや、年末に向けたドル需要が考えられます。
あとは仮説になりますが、国際マネーの逃避先が米国債に向かい、それに伴ってドルが買われたという側面もあると考えられます。
高流動性、高格付け、高金利の米国債はマネーの逃避先に最適と見られているのです。

通貨や商品市場との連動性はあまり信用しないほうがいいのでしょうか?

商品と通貨の組み合わせによると考えられます。
原油とメキシコペソはブレている時期もあり連動しているといえなくもないという状況です。
逆に鉄鉱石と豪ドルの連動性は薄いように思われます。南アフリカランドとプラチナは比較的きれいに相関しているように見えます。
連動性が低い豪ドルと鉄鉱石ですが、鉄鉱石の市場は小さく豪ドルのマーケットは巨大です。そうなると豪ドルを取引する際には多大な材料をみているわけで、鉄鉱石だけをみるわけではありません。
比較的マーケットが小さい南アフリカランドは手がかりとなる材料が少ないのです。
そういう中でプラチナは7割が南アフリカ産という条件下だと連動性が高まるという傾向があります。
したがってドルや円といったメジャーカレンシーの場合は商品市場との連動性はあまり重視しないほうがいいように思われます。

11月6日の米中間選挙は相場にどのような影響がありますか?

メインシナリオは上院が共和党、下院が民主党が勝利するというものです。
しかし、予想を覆す場合は相場に影響が出ることが考えられます。
上院、下院とも共和党が勝利した場合はドル高・円安になると考えられます。理由としてはトランプ米大統領への信任と追加減税、公共事業を実施しやすくなるというものです。
反対に上院、下院ともに民主党が勝利した場合はドル安・円高になる可能性が高いです。理由はロシアゲートなどの追求が強まり、予算の成立が困難になることが挙げられます。

●当社主催のセミナーについて
※本コンテンツにて紹介するセミナーは、外為どっとコムが主催するセミナーです。セミナーにおきましては、ご来場のお客様にお取引関連資料(口座開設申込書を含みます)をお配りするとともに、FX(外国為替保証金取引)の簡単な紹介・説明をさせていただきますので、あらかじめご了承のうえ、ご参加くださいますようお願い申し上げます。またこれらのセミナーは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。