
基準日:2026年10月1日/対象期間:2026年10月
【この記事でわかること|ポーランドズロチ円(PLN/JPY)見通し】
- 10月のPLN/JPY予想レンジ:39.70〜42.20円
- 上昇要因:NBPの利上げ観測が強まる、円高の一服
- 下落リスク:NBPの慎重姿勢継続、市場の利上げ期待後退、円高の再加速
- 注目水準:41.46〜41.57円/39.98円/42.20円
メインシナリオは、39.70〜42.20円の範囲で戻りを試しながらも、上値の重い展開です。9月のPLN/JPYは、前回予想した42.00〜43.30円を下回り、一時40.580円まで下落しました。
一方、9月CPIは前年比+4.0%まで上昇し、市場ではNBPの利上げ観測が意識されています。足元では日銀の10月利上げ期待がやや後退し、円高圧力も少し和らいできました。10月は、NBPが本当に利上げへ近づくのか、そして円相場が再び円高へ向かうのかを見ていきたいところです。
PLN/JPY 9月の値動き|42円割れで想定以上の下落
9月のPLN/JPYは高値42.953円、安値40.580円、終値40.861円となりました。
予想レンジの幅は1.30円でしたが、実際の値幅は2.373円まで広がりました。今回は方向だけでなく、値幅も想定以上だったと振り返る必要があります。
9月の下落はユーロ円の影響が大きく、そこにズロチ安(EUR/PLN上昇)も重なりました。ただし、ユーロ円の下落をすべて円高で説明することはできません。米金利上昇を背景にドルが強まり、ユーロも対ドルで下落したため、円側とユーロ側の両方からPLN/JPYが押し下げられたとみられます。
10月のPLN/JPY見通し|CPI4.0%でNBPの利上げ姿勢が焦点
BPは市場の利上げ観測を追認するのか|金利差とズロチの評価
9月はポーランド2年債利回りが大きく上昇し、ドイツ2年債との金利差も広がりました。こうした金利差の拡大は、本来ズロチを支えやすい材料です。
それでもズロチの戻りが鈍かった背景として気になるのが、市場の利上げ観測とNBPの発信のずれです。
NBPは9月会合で政策金利を3.75%に据え置きました。一方、市場では今後の利上げがかなり織り込まれており、NBPの慎重な姿勢よりも先を走っています。
そこへ9月30日、CPI速報が前年比+4.0%と、8月の+3.4%から上昇しました。NBPのインフレ目標2.5%±1%ポイントの上限も超えています。
このため10月7日のMPC会合では、実際に利上げするかだけでなく、NBPがこれまでより利上げに前向きな姿勢を見せるかどうかもポイントになります。
利上げの可能性を明確にすれば、市場とのずれが縮まり、高い金利がズロチの支えとして意識されやすくなり、反対に、物価上昇をエネルギー中心の一時的な動きとみて慎重姿勢を続ければ、利上げ期待が後退し、ズロチ安(EUR/PLN上昇)につながる可能性もあります。
ポーランド格下げの影響|財政懸念とズロチの上値重さ
ムーディーズは9月18日、ポーランドの格付けをA2からA3へ引き下げました。高水準の財政赤字や政府債務の増加が理由です。一方、見通しは「ネガティブ」から「安定的」へ変更されています。
格下げ直後にズロチが大きく売られたわけではないため、10月の中心材料とはみていません。ただし、財政への警戒が再び強まれば、高い金利がそのままズロチ買いにつながりにくくなる可能性には注意しておきたいところです。
ECB政策の影響|EUR/PLNとユーロ円の両面を確認
ECBの金融政策にも目配りが必要です。
ECBの追加利上げ観測が強まると、対ユーロではズロチの重しになりやすい一方、ユーロ自体が買われればユーロ円を通じてPLN/JPYを支えることもあります。
そのためECBについては、一方向の材料と決めつけず、EUR/PLNとユーロ円のどちらへの影響が強く表れるかを確認していきたいところです。
円高圧力の変化とPLN/JPYへの影響|日銀の利上げ観測に注目
PLN/JPYでは、日本側の動きも重要です。
9月はユーロ円の下落がPLN/JPYを大きく押し下げましたが、足元では日銀の10月利上げ期待がやや後退し、円高圧力も少し和らいでいます。
この流れが続けば、ズロチが対ユーロで大きく上昇しなくても、PLN/JPYは戻しやすくなります。
一方、10月末の日銀会合に向けて再び利上げ観測が強まれば、円高を通じてPLN/JPYの上値を抑える可能性もあります。
PLN/JPYテクニカル分析|41.46〜41.57円の戻りが焦点

9月高値42.953円、安値40.580円、終値40.861円から計算した10月の月足ピボット(P)は41.46円です。
月足ピボットは、前月の高値・安値・終値から、翌月の上値や下値の目安を計算する指標です。
- R1:42.35円
- P :41.46円
- S1:39.98円
- S2:39.09円
9月30日時点の25日移動平均線は41.57円付近にあり、月足ピボットとほぼ重なっています。そのため、まずは41.46〜41.57円を回復できるかが、戻りを考えるうえでの最初のポイントです。
ここを上抜ければ、予想レンジ上限の42.20円、さらにR1の42.35円付近が次の目安になります。
一方、下値ではS1の39.98円に注目です。40円を割り込んでも、この水準で下げ止まれるかを確認したいところです。
10月のPLN/JPY見通しまとめ|39.70〜42.20円を予想
10月の予想レンジは39.70〜42.20円とします。
日銀の10月利上げ期待がやや後退し、円高圧力が和らいでいることから、9月末水準からの戻りも想定したレンジです。
NBPが利上げの可能性をこれまでより明確にし、市場とのずれが縮まるなかで円安も進めば、41.46〜41.57円を上抜け、42.20円方向への戻りが視野に入ります。
反対に、NBPが慎重姿勢を崩さず利上げ期待が後退し、円高も再び強まれば、S1の39.98円を割り込み、39.70円方向への下落を警戒します。さらに39.70円を明確に割り込む場合は、S2の39.09円前後が次の下値目安です。
10月は、CPI+4.0%を受けてNBPの姿勢が変わるのか、そして足元で和らいだ円高圧力が再び強まるのか。この2つを軸に見ていきたいところです。
10月の重要イベント
- 10月07日(水)22:00頃:NBP金融政策委員会(MPC)政策金利発表
- 10月15日(木)16:30:ポーランド 9月CPI確報
- 10月29日(木)22:15:ECB政策金利発表
- 10月29日(木)22:45:ECBラガルド総裁 記者会見
- 10月30日(金)未定:日銀金融政策発表・展望レポート
- 10月30日(金)15:30:植田日銀総裁 記者会見
