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ポンド/トルコリラ(GBP/TRY)で3カ月スワップポイント投資、リラ安を凌駕できるか?実現性を確認

ポンドリラでのスワップポイント投資 リラ安を凌駕できるかを検証

記事作背:2026年9月29日

高水準な政策金利で投資家から根強い人気を誇る「トルコリラ投資」。「トルコリラ/円(TRY/JPY)」の買いや「スイスフラン/トルコリラ」の売りなどが知られていますが、「ポンド/トルコリラ(GBP/TRY)の売り」も高いスワップポイント受取を狙う選択肢のひとつとして挙げられます。

一方で、GBP/TRYは年初から上昇傾向(ポンド高・トルコリラ安)が続いており、売りポジションを建てる場合は相場上昇による「為替差損」のリスクを背負うことになります。

果たして、受け取れる高スワップポイントは、為替差損のリスクを十分に補える水準なのでしょうか? 本記事では、実際のデータをもとに損益のシミュレーションを行い、ポンド/トルコリラが新たなスワップ投資先として検討できるかを検証します。

【ポンド/トルコリラ(GBP/TRY) 2026年1月からの日足チャート(出所:外貨ネクストネオ)】

ポンドトルコリラ 日足チャート 出処:外為どっとコム 外貨ネクストネオ

金利差だけでなく、実際の受取額に注目

2026年9月現在、英国の政策金利は3.75%、トルコは37%で、両国の差は33.25ポイントです。

【政策金利 ポンド トルコリラ 出所:外為どっとコム】

政策金利 ポンド トルコリラ 出所:外為どっとコム

ただし、この金利差がそのままスワップポイントに反映されるわけではありません。外為どっとコムの実績では、GBP/TRYの売りスワップは9月25日の1,267円から、9月28日には1万ポンド当たり1日1,610円へ増えました。

9月28日から12月31日までは、GBP/TRYの売りスワップを、付与日数1日当たりでCHF/TRYの売りスワップと同額以上とするキャンペーンが実施されています。新規建ての時期にかかわらず、すべてのGBP/TRY売りポジションが対象です。

スワップポイントの金額が期間中固定されるわけではありません。仮に比較対象であるCHF/TRYのスワップポイントが下がれば、GBP/TRYの受取額も現在より低くなる可能性があります。

ポンド/トルコリラ(GBP/TRY):90日間でどこまでの上昇を補えるか

直近の為替レートをもとに、ポンド/トルコリラ=64.86、ポンド/円=208.15円、トルコリラ/円=3.21円とします。1万ポンドの売りポジションを持ち、9月28日のスワップポイント1,610円が90日分続いたと仮定した場合の概算です。

90日後のGBP/TRY 為替損益 受取スワップ 合計
5%下落した場合 約10.4万円 約14.5万円 約24.9万円
横ばい 0円 約14.5万円 約14.5万円
5%上昇した場合 ▲約10.4万円 約14.5万円 約4.1万円
10%上昇した場合 ▲約20.8万円 約14.5万円 ▲約6.3万円

この試算では、90日間でGBP/TRYが約7.0%上昇すると、受取スワップと為替差損がほぼ同額となり、合計損益はおおむねゼロになります。なお、試算にはスプレッドなどの取引コストは含んでいません。

スワップポイントが1,610円より10%少なければ、為替差損を補える上昇率は約6.3%、20%少なければ約5.6%です。9月21日の1,301円を使った場合、試算では約5.6%でした。

向こう3カ月には、トルコ中銀の10月22日・12月10日、英中銀の11月5日・12月17日の金融政策決定会合があります。一部の国際的な経済調査機関は、エネルギー価格が1バレル90ドルを下回る方向へ落ち着いた場合、10月にトルコ中銀の利下げを予想しています。

両国の政策金利と実際のスワップポイントは同一ではありませんが、トルコ中銀が利下げし、ポンドやスイスフランとの金利差が縮小すれば、CHF/TRYやGBP/TRYの受取額がともに低下する可能性があります。キャンペーンが続いていても、現在のスワップポイント水準が維持されるとは限りません。

今年の上昇を主導したのはポンドか、リラか

GBP/TRYのレートは、GBP/USDとUSD/TRYを掛け合わせることで算出されます。英中銀の参考レートで2025年末と2026年9月25日を比べると、GBP/TRYは57.79から64.86へ約12.2%上昇しました。この間、GBP/USDは約1.5%下落し、USD/TRYは42.96から48.96へ約14.0%上昇しています。つまり、今年のGBP/TRY上昇は、ポンド高よりもトルコリラ安が主因でした。

直近では、65.76付近の高値から64.86付近まで約1.4%下がっています。チャート上はポンド安・リラ高方向への調整ですが、年初来の上昇率約12.2%と比べると、上昇傾向が転換したと判断できるほどの値幅ではありません。

今後、リラ安に加えてポンド高が強まれば、GBP/TRYの上昇ペースが速まる可能性があります。英中銀の9月会合では政策金利の据え置きが決定された一方、金融政策委員9人のうち3人が利上げを支持しました。また、政治・市場イベントなどでリラ安が急に進めば、90日分のスワップポイントが積み上がる前に、試算上の損益分岐点を超えるおそれがあります。

トルコ中銀は3月、為替変動を抑制する目的でリラ決済の為替先物売りを開始すると発表しました。また、トルコ中銀が掲載するインフレデータでは、8月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比31.51%です。物価動向、金融政策、政治情勢への見方は、リラ相場を大きく動かす場合があります。

スワップが積み上がるまでポジションを維持できるか

例えば、GBP/TRYを64.86で1万ポンド売り、直近高値圏の65.80で決済した場合の為替差損は約3万円です。1日1,610円が続くと仮定した場合でも、スワップポイント約19日分に相当します。短期間で65.80へ上昇すれば、90日分のスワップポイントを受け取る前に為替差損が拡大します。

中長期で保有する場合は、取引に必要な必要保証金だけでなく、含み損が拡大した場合にもポジションを維持できる資金の余力が重要になります。週末を挟む相場の急変時などにはロスカットの執行が遅れたり、逆指値注文が指定レートより不利なレートで約定したりする場合があります。また、GBP/TRYは原則固定スプレッドの対象外です。

すでにGBP/TRYの売りポジションを保有している場合は、建値からの為替損益と累積受取スワップを合算して現在どのような損益になっているか確認したいところです。トルコリラ/円なども買い持ちしている場合は、通貨ペアをまたいでリラ安の影響が重なる点にも注意が必要です。

ポンド/トルコリラ3カ月スワップポイント投資のまとめ

9月28日の1,610円を90日間固定した試算では、損益分岐点はGBP/TRYの約7.0%上昇です。ただし、キャンペーンが定めているのはCHF/TRYとの相対的な付与水準であり、1,610円の継続ではありません。投資判断を行う際は、受取スワップの変動、想定する為替差損、ポジションを維持できる資金の3点を分けて確認することが肝要です。

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ポンドリラ高スワップ宣言

※記事内の表はあくまで試算です。スワップポイントは外為どっとコムの9月28日実績である1日1,610円が90日分続くと仮定し、円換算レートも固定しています。これは将来の付与額や運用結果を予測・保証するものではありません。実際のスワップポイントと円換算レートは変動し、付与日数も日によって異なります。キャンペーンは内容が変更されたり、終了したりする場合があります。試算にはスプレッドや税金等を含めていません。