
ドル円レポート:急落からの急反発を経て――短観・米ISMが握る157円台の命運
ニューヨーク市場:156円台半ばへ急落後に急反発――原油高と米金利上昇がドルを押し上げ
米商務省発表の8月個人消費支出(PCE)コア価格指数が市場予想を下回り、過去分も下方改定された。これを受けてFRBによる10月FOMCでの追加利上げ観測が後退(FedWatchでの織り込み度は約70%から37%へ急低下)。米長期金利が低下したことでドル売りが先行し、ロンドン時間につけた157円台から一時156円64銭付近まで急落した。
しかし、売り一巡後は流れが一変。中東情勢(米イラン対立)の緊迫化を背景としたNY原油先物の反発、および米9月シカゴ購買部協会景気指数(PMI)の改善を手掛かりに、米10年債利回りが5.30%台へと上昇に転じた。これによりドルの買い戻しが急速に進み、一時157円53銭まで上昇している。
本日1日のアジア時間:下値堅くも上値重し――日銀短観と米金利動向を見極める一日
ドル円は足元、157円台半ばで推移している。本日のドル円は、底堅さを保ちつつも上値の重さを意識しながら、東京市場朝方の日銀短観、そして欧米時間に相次ぐ米雇用関連指標・ISM製造業景気指数・FRB高官発言を見極める神経質な展開が予想される。
朝方の注目材料は日銀短観(9月調査)。大企業製造業・非製造業の業況判断DIや想定為替レート、企業の設備投資意欲が確認される。景況感やインフレ圧力の持続が示されれば、日銀の早期追加利上げ思惑から一時的に円高バイアスがかかる場面も想定される。ただし、介入ラインとされる水準に接近しているため、上値トライでは本邦勢の警戒感が根強く意識されやすい。
NY時間は明日に控える9月米雇用統計の先行指標として、米新規失業保険申請件数(21:30)、米ISM製造業景気指数(23:00)が発表される。足もとの雇用先行指標(JOLT求人件数減少、消費者信頼感指数の雇用環境悪化)は労働市場の減速感を示唆しており、新規失業保険申請件数が上振れた場合やISM製造業指数が下振れた場合には、ドル売り圧力が強まりやすい環境といえる。
黒川健(くろかわ・たける)
米国Capital Market Services LLCニューヨーク本社および上田ハーロー株式会社でカバーディーラー、プロップディーラーを約20年間務める。2021年9月(株)外為どっとコム総合研究所入社後は、テクニカル分析、ファンダメンタル情報を配信している。
