
作成日時:2026年9月29日10時00分
想定期間:2026年9月29日~10月6日
【この記事でわかること|トルコリラ/円見通し】
- 今週のトルコリラ/円の予想レンジ:3.12〜3.27円
- 今週の核心:ドル/トルコリラの緩やかな上昇による「週0.01円のリラ安」を、円安で打ち消しにくくなってきたこと
- 下落要因:日米当局の円安けん制と日銀の利上げ観測、トルコの資金流出と物価上振れリスク
- 上昇要因:米金利の上昇が続き、米国の経済指標が強い結果となって円安が再び進むケース
- 注目の水準:3.22円(25日線)、3.24円(前週高値)、3.17円(前週安値)、3.12円(9月14日安値)
トルコリラ/円は前週、3.242円まで上昇したものの押し戻され、3.20円前後で週を終えました。リラが大きく崩れなかったことに「ひと安心」と感じた方もいれば、円安の追い風が止まったことに不安を覚えた方もいるかもしれません。市場でも見方は分かれています。リラ円見通しのベースシナリオは、3.17〜3.22円を中心とした上値の重い展開です。その行方を左右するのは、ドル円の上昇がどこで止まるかという点でしょう。ご自身の考えと照らし合わせながら読み進めてみてください。
トルコリラ/円の振り返り:日米当局の円安けん制でドル/円にブレーキ
前週は高値3.242円、安値3.178円、終値3.202円と、予想レンジの範囲内で推移しました。米金利の上昇を背景に、ドル円は一時159円に迫りました。流れが変わったのは、9月22日の日米首脳会談でトランプ大統領が円安への懸念を示し、25日夜の日米財務相の電話会談でも「円の過小評価は問題」との認識が再確認されてからです。ドル円は156円台後半へ下落し、週明け28日には三村財務官の発言がダメ押しとなって、156.62円まで下げ幅を広げています。
今後のトルコリラ/円見通し:週0.01円のリラ安を円安で打ち消す展開にブレーキ
この円安の一服は、リラ円にとって見た目以上に大きな意味を持ちます。ドル/リラは足元、週0.4%前後の緩やかな上昇(ドル高・リラ安)が続いています。リラ円が3.20円前後なら、ドル円が横ばいでも1週間に約0.01円ずつ下押しされる計算です。つまり、この下げを円安で打ち消すには、ドル円が1週間でおよそ0.6円上昇する必要があります。あるいは、ドル/リラの上昇(ドル高・リラ安)ペースが鈍る必要があります。これまでリラ円が底堅く推移してきた背景には、こうした円安の支えがありました。
そこで、円とリラの動きを考えたいと思います。
トルコリラ/円を動かす円とリラの材料
円相場:米金利は高いまま、それでもドル円の上値には限界が意識される
円安を後押しする力は、いまも残っています。米10年債利回りは28日に一時5.27%前後と、2007年以来の高さまで上昇しました。米PCEや米雇用統計が強い結果となれば、円安が再び進む可能性もあります。
その一方で、円安へのけん制は首脳・財務相・財務官の3段階で重なり、日銀の議事要旨でも、利上げを急ぐべきとの意見がみられました。足元では、159円前後がドル円の上値の目安として意識されています。円安という支えに上限が見えてきたことで、緩やかなリラ安がリラ円にそのまま表れやすくなっていると考えられます。
トルコリラ:急落は防がれても、リラ安のペースには注意
では、リラの下げは今後も緩やかなままで済むのでしょうか。トルコでは9月18日までの週に外貨預金が約30億ドル増え(約9割が法人)、TCMBの外貨準備は約56億ドル減少しました。それでもドル/リラの上昇(ドル高・リラ安)は緩やかなペースを保っています。市場では、今回のファンド問題が金融システム全体に波及するリスクは限定的との見方もあり、当面は急落よりも緩やかなリラ安が続く可能性が高いとみられます。
気がかりなのは物価です。10月1日には燃料価格上昇を一部吸収してきた税調整の仕組みが終了するため、今後は原油高や製油所価格の上昇が店頭価格に波及しやすくなります。同じ日のTCMB週次統計や、10月5日の9月CPI(予想は前月比+2.2%)の結果次第では、下げのペースが速まる場面もあるかもしれません。
ファンダメンタルズからみたトルコリラ/円の方向感
リラ安を打ち消してきた円安の力が弱まる一方で、リラ安そのものは続いています。このため、ファンダメンタルズの面からは、リラ円は急落しにくいものの戻りは限られ、緩やかに水準を切り下げやすい流れにあると考えられます。
こうした方向感がチャートにどう表れているのか、テクニカル面から確認します。
トルコリラ/円のテクニカル分析:25日線が上値の壁に
チャートでは、5日線が3.21円、25日線が3.22円、50日線が3.28円、RSIは43.7となっており、前週の反発は25日線で止められた形です。

上値の節目:25日線3.22円から3.24円
上値の節目は3.22円、3.24円(R1・前週高値)、3.27円(R2)です。
下値の節目:3.17円から3.12円
下値は3.17円(S1・前週安値)が最初の目安で、割り込むと3.143円(S2)、3.12円が意識されやすくなります。
※RやSは週足ピボットの抵抗帯やサポートです。
トルコリラ/円のシナリオの組み立て方と視点
メインシナリオは、3.17〜3.22円を中心とした上値の重い推移です。
見通しを変える条件
上方向へ見通しを修正する条件
米国の指標が強く、ドル円が159円台を回復するようであれば、3.24円を超えて3.27円を試す余地も出てきます。
下方向へ見通しを修正する条件
ドル円が156円を割り込んだり、トルコの資金流出や物価の上振れが重なったりすれば、3.17円を割り込んで3.12円を試す展開も考えられます。
ポジション別の着眼点
(「スワップ目的で持っているけれど、このまま持っていて大丈夫かな……」)
買いポジションをお持ちの方にとって気を配りたいのは、急な下落よりも、緩やかなリラ安と円高が重なる場面です。3.17円を保てるかどうかが、一つの目安になりそうです。一方、売りを考えている方は、下げのペースがゆっくりであることや、円安が再び進む可能性も踏まえておきたいところです。3.22円で上値が抑えられるかどうかが、判断の手がかりになるでしょう。
【あなたの見通しは?】
A.米金利の上昇で円安が再び進み、3.24円を超えて3.27円を試す
B.円安の追い風が鈍る一方、リラ安も緩やかにとどまり、3.17〜3.24円でのもみ合いが続く
C.円高やトルコの資金流出・物価上振れが重なり、3.17円を割り込んで3.12円を試す
注文情報(オーダーブック)|3.30円の売り厚と3.10円・3.00円の買い
| Sell | Rate | Buy |
|---|---|---|
| 36,000 Lot | 4.20 | 0 Lot |
| 20,000 Lot | 4.10 | 4,000 Lot |
| 40,000 Lot | 4.00 | 4,000 Lot |
| 20,000 Lot | 3.90 | 4,000 Lot |
| 40,000 Lot | 3.80 | 4,000 Lot |
| 40,000 Lot | 3.70 | 4,000 Lot |
| 40,000 Lot | 3.60 | 4,000 Lot |
| 40,000 Lot | 3.50 | 4,000 Lot |
| 40,000 Lot | 3.40 | 4,000 Lot |
| 40,000 Lot | 3.30 | 4,000 Lot |
| 0 Lot | 3.20 | 0 Lot |
| 40,000 Lot | 3.10 | 40,000 Lot |
| 40,000 Lot | 3.00 | 40,000 Lot |
| 40,000 Lot | 2.90 | 40,000 Lot |
| 40,000 Lot | 2.80 | 28,000 Lot |
| 32,000 Lot | 2.70 | 12,000 Lot |
| 8,000 Lot | 2.60 | 8,000 Lot |
| 40,000 Lot | 2.50 | 12,000 Lot |
| 4,000 Lot | 2.40 | 4,000 Lot |
| 4,000 Lot | 2.30 | 4,000 Lot |
| 4,000 Lot | 2.20 | 4,000 Lot |
本データは10分おきに再集計され、その約5分後に表示されます。
背景が水色の行は現在レートの位置を表しています。
トルコリラ/円は現在3.20円付近で、上方向では3.30円から3.80円まで各40,000 Lotの売り注文が並び、3.30円に近づくと上値の重さが意識されそうです。一方、下方向では3.10円・3.00円・2.90円にそれぞれ40,000 Lotの買い注文があり、3.12円を割り込んでも3.10円付近では下げ渋る可能性があります。
トルコリラ/円の今後の重要イベント
- 9月29日(火) 23:00アメリカ 9月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)
- 9月29日(火) 23:00アメリカ 8月雇用動態調査(JOLTS)求人件数
- 9月30日(水) 16:00トルコ 8月失業率
- 9月30日(水) 16:00トルコ 8月貿易収支
- 9月30日(水) 21:30 アメリカ 8月個人消費支出(PCEデフレーター)
- 9月30日(水) 21:30 アメリカ 4-6月期実質国内総生産(GDP、確定値)
- 10月1日(木) 08:50 日本 7-9月期日銀短観
- 10月1日(木) 16:00 トルコ 9月製造業購買担当者景気指数(PMI)
- 10月1日(木) 20:30 トルコ TCMB週次証券統計・週次銀行統計
- 10月1日(木) 23:00 アメリカ 9月ISM製造業景況指数
- 10月2日(金) 21:30 アメリカ 9月雇用統計
- 10月5日(月) 16:00 トルコ 9月消費者物価指数(CPI)
- 10月5日(月) 23:00 アメリカ 9月ISM非製造業景況指数
- 10月6日(火) 15:35 日本 植田和男日銀総裁発言
