
このレポートでは、メキシコペソとアメリカ経済や日本円との為替レートの動き、メキシコペソの見通し、そしてその影響を受ける可能性がある要因について詳しく解説します
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト 神田卓也
X(Twitter): https://twitter.com/KandaTakuya
USMCA見直し交渉は翌月に延期
9月28日、29日に予定されていた米国とメキシコによるUSMCA(米、メキシコ、カナダ協定)の見直しをめぐる第4回協議は10月に延期された(日時未定)。ただ、メキシコのシェインバウム大統領は先週21日、USMCA見直しの一環として米国からの輸入を増やし、他国からの輸入を減らす方針を打ち出した。メキシコは政府として米国の貿易赤字削減に協力する姿勢を示したと見られるが、USMCAにおける最大の争点である自動車・鉄鋼関税および、自動車の原産地規則強化をめぐる協議の落としどころはまだ見えない模様だ。
ペソは対ドル、対円ともに4月以来の安値
なお、メキシコペソは足元で軟調推移が続いている。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ加速観測を背景にドルが上昇する中、ペソは25日に約5カ月半ぶりのドル高・ペソ安水準を付けた。一方で円は同日、日米首脳が円安是正の必要性を共有したとの見方から対ドルで1%前後急伸。結果的にペソ/円は4月1日以来の安値となる8.844円前後まで下落する場面があった。今後、USMCAの見直しをめぐる協議がさらに長期化するようなら、ペソに一段の下落圧力が加わる可能性もあることから進捗状況を注視したい。
メキシコペソ/円 週足チャート

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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年から外国為替市場に携わる為替アナリスト。証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社し、ドル/円スポット、資金(デポジット)、金利デリバティブなど国際金融商品の取引仲介業務を担当。2009年7月、外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・金融市場の調査・分析に従事。2011年12月より現職。
30年以上にわたる市場経験をもとに、個人FX投資家向けの相場解説・情報発信を行う。テレビ東京「Newsモーニングサテライト(モーサテ)」への出演をはじめ、NHK、日経CNBC、ストックボイスTV、ニッポン放送など、テレビ・ラジオ・新聞・WEBメディアへの出演・取材・コメント実績多数。

