
ドル円レポート:156円台へ急反落!日米牽制でドル高一服も、底堅さ残るドル円の攻防
ニューヨーク市場:日米の「円安牽制」と地政学緩和で一時156円台へ急反落
日米首脳会談においてトランプ米大統領から「円安による対米貿易への悪影響」への懸念が示されたほか、日本の片山財務相とベッセント米財務長官による電話会談でも「円の過小評価は問題であり、日本の強固なファンダメンタルズを反映した強い円が望ましい」との認識が再確認された。当局による実務的な為替介入への警戒感が急激に高まり、持ち高調整の円買いを誘発。その後は、イラン側が米国に対し「ホルムズ海峡の7日間再開」を提案したとの報道を機に、エネルギー供給不安が後退した。WTI原油先物が約2%下落したことで、インフレ加速と米長期金利の急騰懸念が和らぎ、ドル売りに拍車がかかり、ドル円は156.93円まで下落した。
本日28日のアジア時間:介入警戒と金利差の綱引き、月末・四半期末特有のフローに警戒
ドル円は足元、157円台半ばで推移している。本日のドル円は、「上値の重い戻り試し」の展開が想定される。日米双方が首脳・閣僚級で「円の過小評価」を問題視した事実は重く、158円台への復帰局面では政府・日銀によるレートチェックや実弾介入への警戒感が強く意識される。原油市場の一服もドルの急伸を抑える要因となる。ただ、FRBが追加利上げの余地を残しタカ派スタンスを保つ一方、日銀の追加利上げ姿勢は慎重と受け止められており、構造的なドル高・円安地合いそのものは崩れていない。なお、9月末および第3四半期末の最終週にあたるため、国内外の機関投資家によるリバランス(資産配分調整)や事業法人の実需フローが突発的に持ち込まれる可能性がある。テクニカルな水準を無視した荒い値動きには十分な注意が必要だ。
黒川健(くろかわ・たける)
米国Capital Market Services LLCニューヨーク本社および上田ハーロー株式会社でカバーディーラー、プロップディーラーを約20年間務める。2021年9月(株)外為どっとコム総合研究所入社後は、テクニカル分析、ファンダメンタル情報を配信している。
