
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2026年9月21日8時10分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村勉
目次
▼18日(金)の為替相場
(1):日本CPI 予想を下回る
(2):日銀 予想通りの利上げ
(3):英小売売上高 予想に反して増加
(4):日銀総裁会見
(5):日銀がレートチェック 報道
▼外為注文情報/ ▼本日の予想レンジ/ ▼ドル/円の見通し:原油価格および米長期金利動向を睨んだ値動き/ ▼注目の経済指標・イベント
18日(金)の為替相場

期間:18日(金)午前6時10分~19日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日本CPI 予想を下回る
日本8月全国消費者物価指数(CPI)は日銀が重視する生鮮食品を除いたコアベースで前年比+1.7%と予想および前月(+1.8%)を下回る伸びとなった。政府による補助金によってエネルギー価格が抑えられた影響が大きいものの、日銀の物価目標である2%を8カ月連続で下回った。
(2):日銀 予想通りの利上げ
日銀は予想通りに政策金利を1.00%から1.25%に引き上げた。同時に公表した声明で「基調的な物価上昇率については、企業の賃金・価格設定行動の積極化や中長期的な予想物価上昇率の上昇などを踏まえると、2%の『物価安定の目標』を超えて上振れていくリスクがある」との認識を示した。その上で「現在の金融環境が緩和的であることを踏まえると、経済・物価・金融情勢に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えている」とした。一方で、追加利上げのペースやタイミングについては「中東情勢やAI関連需要の拡大、為替相場の変動の影響を含め、経済・物価の中心的な見通しが実現する確度やリスクを点検しながら、検討していく方針である」として明確な見通しは示さなかった。また、佐藤委員と浅田委員が政策金利の据え置きを主張し、利上げに対して反対票を投じたことも明らかになった。
(3):英小売売上高 予想に反して増加
英8月小売売上高は前月比+0.5%と市場予想(-0.2%)に反して増加。自動車燃料を除いた売上高も+0.6%と好調だった(予想-0.2%)。
(4):日銀総裁会見
日銀の植田総裁は金融政策決定会合後の会見で「政策の局面が変化したと考えている」と発言。総裁が利上げペースの加速を示唆したとの見方から一時円高に振れた。しかし、その後、今後の利上げペースについて「特定のものを念頭に置いているかといえば、それはない」などと踏み込んだ発言を避けたことから円買いは早々に収束。会見の後半にかけて再び円売りが活発化した。
(5):日銀がレートチェック 報道
NYタイムに円相場が不自然に急伸。ドル/円やクロス円は急速に上げ幅を縮小した。その後、日本経済新聞は「米東部時間午前の外国為替市場で複数の金融機関に対し日銀がドル/円相場の『レートチェック』を実施した」と報じ、「日本の大型連休前に『レートチェック』を実施することで、円売りを進めようとする投機筋の機先を制した可能性もある」と指摘した。
18日(金)の株・債券・商品市場
日経平均: 65018.95 △882.70
豪ASX: 8731.173 ▼1.246
上海総合: 3911.871 △36.267
英FT: 10659.13 ▼157.01
独DAX: 25304.06 ▼412.65
NYダウ: 51682.64 ▼95.40
日10年債: 2.989 ▼0.010
豪10年債: 5.2658 ▼0.0382
英10年債: 5.295 △0.073
独10年債: 3.519 △0.042
米2年債: 4.7433 △0.0792
米10年債: 4.9961 △0.0657
NY原油: 100.30 ▼1.61
NY金: 4424.90 △25.20
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)

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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円: 156.200 ~ 157.800
ユーロ/円: 179.600 ~ 181.200
ポンド/円: 209.400 ~ 211.200
豪ドル/円: 111.500 ~ 112.400
ドル/円の見通し:原油価格および米長期金利動向を睨んだ値動き
18日のドル/円は終値ベースで約0.6%上昇。日銀は金融政策決定会合を開催し、政策金利を約30年ぶりとなる1.25%へ引き上げたが、2名の審議委員が利上げに反対票を投じたことが判明した。また、植田日銀総裁が会見で今後の利上げペースについて手掛かりを示さなかったことで、日銀の利上げペース加速観測が後退し円が売られると、一時158.05円前後まで上昇した。もっともNY時間「日銀がレートチェックを実施した」と伝わり156円台後半まで上げ幅を縮小した。 為替介入の準備段階とされるレートチェックの実施によって、円買い介入への警戒感が高まっており、急速な円安は抑えられる可能性が高い。もっとも、レートチェックや介入は一時的には相場の円安の流れを止めることは出来るが、円安の根本的な要因を変えられるわけではない。また、原油価格の上昇もドル/円を下支えする一因となろう。週末にはウクライナが1000機を超えるドローンでモスクワの製油所を含むロシア各地を攻撃しており、原油価格の上昇が予想される。本日は主要な経済指標の発表はないため、日米通貨当局の動向や原油価格および米長期金利動向を睨んだ値動きとなりそうだ。
注目の経済指標・イベント
09/21 (月)
19:30 (米) グールズビー・シカゴ連銀総裁講演
外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
