
執筆:外為どっとコム総合研究所 小野直人
執筆日時 2026年9月18日 19時00分
【この記事でわかること|ドル円見通し】
- 来週のドル円予想レンジ:155.50〜159.50円
- 今週のドル円が158円台まで反発した背景(FOMCの引き締め観測・日銀利上げペース期待の後退)
- 日銀は1.25%へ利上げも、円高は続かず円買い巻き戻しが発生
- 来週は米金利動向(PMI・米債入札・FRB高官発言)がドル円の主要材料
- テクニカル分析:157.30円維持が焦点、上値は158.42円・159.55円、下値は156.64円・155.75円
筆者のメインシナリオは、155.50〜159.50円です。
今週のドル円の動向|円安を支えに158円台前半へ反発
前回は、9月8日にドル円が152.887円まで下落したことを踏まえ、今週の予想レンジを152.50〜156.50円としていました。実際には、その後のドル円はほぼ一本調子で反発。FOMCでFRBの引き締め継続観測が強まり、さらに日銀会合後には利上げペースを巡る過度な期待が後退したことで、18日には158円台前半まで上昇し、予想レンジ上限の156.50円を上抜けました。
反発する方向性自体は前週の想定に沿ったものの、上昇幅は想定以上でした。来週は「円高がどこまで進むか」ではなく、157円台を維持し、159円方向への戻りを続けられるかへ判断軸を切り替えたいところです。
さらに、東京市場は21〜23日が3日連続休場となり、土日を含めると19〜23日の5連休となります。週前半は国内勢の通常の実需フローが細るため、海外勢主導で値動きが大きくなる可能性にも注意が必要です。
来週のドル円予想|米金融政策を背景に159円台を試すか注視
日銀は1.25%へ利上げ、それでも円高は続かず
日銀は政策金利を1.00%から1.25%へ引き上げました。もっとも、利上げ自体は市場でかなり織り込まれており、焦点は「次の利上げをどの程度のペースで進めるのか」に移っていました。
植田総裁は会見で、基調的な物価上昇率が2%に近づくなか、「政策の局面が変化した」との認識を示し、追加利上げを続ける姿勢を維持しました。一方、「基調物価、2%で定着するかを含めて確認するには時間がかかる」とも述べ、次の利上げ時期やペースについて具体的な目安は示しませんでした。
このため市場では、利上げ継続の方向性よりも、市場が織り込んでいた速いペースでの追加利上げを裏付ける材料が示されなかったことが意識されました。利上げ決定が7対2となり、2人が据え置きを主張したことも、円買いの巻き戻しにつながったとみられます。
加えて、9月8日時点で買い越しに転じていたシカゴ通貨先物市場の円ロングが巻き戻されれば、円への下押し圧力がさらに強まる可能性もあります。
FOMC後は再び米金利がドル円を左右
ドル側ではFOMCが反発を支えました。FRBは0.25%利上げし、政策金利を3.75〜4.00%としました。追加利上げ観測も残り、米金利は高止まりしています。
前週までは米金利が上昇しても日銀の利上げ観測による円買いが優勢でしたが、今週後半はFRBの引き締め継続観測と、日銀の利上げペースを巡る期待修正が重なり、再び日米金利差が意識されやすくなりました。
来週は米PMIや米2年・5年・7年債入札に加え、FRB高官発言も相次ぎます。米金利が高止まりすれば158円台から159円台を試しやすい一方、FOMC後の金利上昇が巻き戻されれば156〜157円台への押し戻しが意識されます。
原油高も円の重し|中東情勢とインフレ圧力に注意
その他、中東情勢を背景とした原油高も、ドル円を支える材料です。原油高は米国ではインフレ圧力を通じて金利上昇につながりやすく、日本では輸入コストの増加を通じて円の重しになります。
一方、159円台へ接近する場面では、日本当局の円安けん制発言にも注意したいところです。米金利高が続いても、159円台では160円方向を一気に追うより、上昇ペースが鈍る可能性は頭の片隅に置いておきたいです。
ドル円テクニカル分析|157.30円維持と158.42・159.55円が焦点
157.30円を維持できるかが焦点
日足では、ドル円は前週の152.887円から158円台前半まで反発し、14日RSIも53.6まで回復しています。
まず注目したいのは、25日移動平均線の157.30円です。ここを維持できれば、次は200日移動平均線158.42円、さらに100日移動平均線159.55円が上値の目安になります。
反対に157.30円を明確に割り込めば、156.64円、155.75円が次の下値候補です。
来週の上下の判断水準
来週は、157.30円を維持する間は158.42円から159円台を試す展開を基本とします。FOMC後の米金利高と、日銀の利上げペースを巡る期待修正が続けば、ドル円は底堅く推移しそうです。
ただし、159.50円前後では100日線に加えて日本当局の円安けん制も意識されやすく、上値は重くなりそうです。反対に155.50円を割り込む場合は、日銀会合後の反発シナリオを見直す必要があります。
(各レート水準は執筆時点のもの)
【ドル円チャート 日足】

重要イベント・経済指標(2026年9月21日〜9月25日)
- 9月21日(月)
- 日本 休場
- 19:30 アメリカ シカゴ連銀総裁発言
- 9月22日(火)
- 日本 休場
- 国連総会、一般討論演説開始
- 23:00 ユーロ 9月消費者信頼感(速報値)
- 23:00 アメリカ 9月リッチモンド連銀製造業指数
- 23:05 アメリカ NY連銀総裁発言
- 26:00 アメリカ リッチモンド連銀総裁発言
- 26:00 アメリカ 米2年債入札
- 9月23日(水)
- 日本 休場
- 17:00 ユーロ 9月製造業/サービス業購買担当者景気指数(PMI、速報値)
- 17:30 イギリス 9月製造業/サービス業購買担当者景気指数(PMI、速報値)
- 22:45 アメリカ 9月製造業/サービス業購買担当者景気指数(PMI、速報値)
- 26:00 アメリカ 米5年債入札
- 9月24日(木)
- 米中首脳会談(予定)
- 15:45 フランス 9月消費者信頼感指数
- 15:45 フランス 9月企業景況感指数
- 17:10 アメリカ NY連銀総裁発言
- 17:30 ドイツ 9月IFO企業景況感指数
- 18:30 イギリス ディングラ英MPC委員発言
- 21:30 アメリカ 4-6月期四半期経常収支
- 21:30 アメリカ 新規失業保険申請件数
- 21:30 アメリカ 失業保険継続受給者数
- 21:50 アメリカ クリーブランド連銀総裁発言
- 22:30 イギリス ブリーデンBoE副総裁発言
- 23:00 イギリス ロンバルデリBoE副総裁発言
- 23:00 アメリカ 8月新築住宅販売件数
- 23:10 アメリカ フィラデルフィア連銀総裁発言
- 26:00 アメリカ 米7年債入札
- 9月25日(金)
- 15:00 ドイツ 10月GFK消費者信頼感調査
- 21:30 アメリカ 8月耐久財受注
- 23:00 アメリカ 9月ミシガン大学消費者態度指数・確報値
ハロンズFX「来週のドル円見通し」(過去分)
- 来週のドル円見通し:158円が戻りの壁、日銀とFRBどちらの利上げ観測が主導するか 2026/9/5
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小野 直人
株式会社DZHフィナンシャルリサーチでの情報配信業務、上田ハーロー株式会社での調査・市場部門を経て、2021年より外為どっとコム総合研究所へ参画。ニュースベンダーとFX会社で培った「情報の目利き力」と「市場実務の経験」を武器に、個人投資家へ有益な情報を発信している。ドル円などの主要通貨に加え、トルコリラ・メキシコペソなどの新興国通貨、日経平均・NYダウといった株価指数(CFD)まで、幅広い金融商品の分析を得意とするマーケットアナリスト。
