東京市場では米AI関連の売り材料となったニュースをきのう先んじて消化していたことから、前日の下げが目立ったソフトバンクグループは売りが先行したものの、すぐにプラス圏に浮上して上げ幅を拡大。他のAI関連にも切り返す動きが見られたことから、400円超下げて63000円に接近したところで売りは一巡した。そこからプラス圏に浮上すると前場では上を試しにいき、上げ幅を600円超に拡大。一時64000円を上回った。
一方、後場はアドバンテストなどAI関連の一角が売り直されたことから、再びマイナス圏に沈んだ。プラス圏に再浮上する場面もあったが、引けにかけてはまとまった売りに押され、一桁の下落で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で7兆4300億円。業種別では情報・通信、医薬品、サービスなどが上昇した一方、石油・石炭、銀行、証券・商品先物などが下落した。上述のソフトバンクグループが7.5%高と急伸。1銘柄で日経平均を350円近く押し上げた。半面、上期の最終赤字が拡大したTerra Drone(テラドローン)が大幅に下落した。
太陽誘電や村田製作所など電子部品株が大幅上昇。AI関連ではレーザーテックやキオクシアHDなどの動きも良かった。証券会社のリポートを材料に、Jフロントや三越伊勢丹など百貨店株が上昇。上方修正を発表したtriplaが急伸した。TOBに賛同の意を示したレオパレス21は、場中に値が付かずストップ高比例配分となった。
一方、AI関連ではアドバンテストのほか、古河電工が大幅安。三井住友やみずほFGなど銀行株が総じて弱かった。直近で原油高を追い風に強く買われていた出光興産やENEOSが利益確定売りに押されて大きめの下落。3Q累計は前年同期比で大幅増益となったものの、通期計画に対する進ちょく率の低さが嫌気された笑美面がストップ安となった。
アンソロピックCEOのAI開発減速に関する提言は、日本のAI関連銘柄を2日続けて強く売るほどの材料にはならなかった。ただ、日経平均が強含んだ場面ではアドバンテストが売り込まれており、完全復活にはほど遠い。米国ではきょうからFOMCが開催され、結果を東京市場で消化するのは木曜17日となる。本日の米国株は結果発表を前に様子見ムードが強まると思われるだけに、あすの日本株も不安定な地合いが想定される。ここ数日の日経平均は底堅い印象はあるものの、終わってみればきょうも下落で3日続落。戻したところでは5日線(64280円、15日時点)に上値が抑えられている。イベント待ちの状態で流れを変えることは簡単ではないが、下値は固めておきたい局面。節目の63000円やきのう14日の安値62726円を下回ることなく推移できるかに注目したい。
(越後)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
