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来週の為替予想(米ドル/円)日銀が利上げしても、円が買われない理由 ハロンズFX 2026/9/12

 

ドル円予想 2026年9月11日週

執筆:外為どっとコム総合研究所 小野直人

執筆日時 2026年9月11日 16時20分

【この記事でわかること|ドル円見通し】

  • 来週のドル円予想レンジ:152.50〜156.50円
  • 今週のドル円が152円台まで急落した背景(円キャリー巻き戻し・日銀利上げ観測)
  • FOMCと米長期金利がドルの下値を支えられるかが焦点
  • 日銀会合:0.25%利上げはほぼ織り込み、追加利上げペースが円相場の分岐点
  • テクニカル分析:155.00〜155.22円、155.75円、156.50〜156.65円が戻りの目安

今週のドル円|強い米指標でも152円台まで円高

ドル円は今週、前週の予想レンジ154.00〜158.00円を下抜け、一時152.89円まで下落しました。

前回の記事では日銀とFRB、どちらの利上げ観測が相場を主導するかを焦点としていました。実際には、8月米雇用統計が市場予想を大きく上回ったにもかかわらずドル円の戻りは続かず、日銀の追加利上げ観測や円キャリー取引の巻き戻しが円高を加速させました。

一方、週後半は米卸売物価指数(PPI)の上振れやエネルギー高を受けて米金利が上昇し、ドル円も154円台まで持ち直しています。来週は、まずFOMCがドルの下値を支えられるか、その後の日銀会合で円買いが材料出尽くしとなるかが焦点です。

なお、11日21時30分の米CPIは執筆基準時点では未発表です。結果次第ではFOMCの利上げ観測や米金利が変化し、来週のスタート地点にも影響する可能性があります。

ドル円予想|日銀・FOMC通過で円売り再開も

FOMCと米長期金利、ドルの下値を支えられるか

米国では雇用統計の強いヘッドラインに加え、インフレへの警戒も再び強まっています。8月PPIは市場予想を上回り、エネルギー高も続くなか、市場では9月FOMCで0.25ポイント利上げする確率が約7割まで高まりました。

FOMCで利上げに踏み切れば、米金利とドルの支えになります。据え置きでも、ウォーシュFRB議長がインフレ警戒を維持し、追加利上げの余地を残せば、ドル円は下げにくくなりそうです。

米長期金利も高水準にあり、ドルの下支え材料です。一方、米財務省は長期債のバイバック拡大方針を打ち出しており、金利上昇がさらに進めば追加対応への思惑も強まりそうです。高い米金利はドル円を支える一方、金利抑制策への期待が156円台より上の戻りを抑える可能性があります。

日銀会合と円キャリー、円高継続には追加材料が必要

次は17〜18日の日銀金融政策決定会合です。OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)市場では、9月会合の0.25ポイント利上げ確率が96.8%まで上昇しており、政策金利を1.00%から1.25%へ引き上げることはほぼ織り込まれています。

さらに市場は、12月までに累計約1.8回、2027年7月までに約3.5回の利上げまで織り込んでいます。6月から9月へ利上げ間隔が3カ月に短縮されることも含め、市場はすでにかなり速い正常化ペースを前提にしています。

こうした利上げ観測は、今週の円キャリー取引の巻き戻しにもつながりました。円金利の上昇で、円を低金利の調達通貨として使う魅力が低下し、155円割れ後の円買いを増幅したとみられます。

ただ、短期間で152円台まで円高が進んだことで、ポジション調整もある程度進んだ可能性があります。1.25%への利上げだけでは新味に乏しく、植田総裁が市場の織り込みを上回る速さで追加利上げを進める姿勢を示さなければ、円買いはいったん一服する可能性があります。

その他、17日にも実施されるとみられる内閣改造では、GPIFの運用見直しを巡る人事にも注目です。国内金融資産への投資拡大に前向きな厚生労働相が就けば、海外資産から国内への資金シフトが意識され、円買いの思惑が強まる可能性があります。ただし、実際の資産配分変更には時間を要するため、まずは人事や発言に対する市場の反応を見極める必要があります。

ドル円テクニカル分析|152.50〜156.50円を予想

ドル円の日足では、25日移動平均線が158.02円、200日移動平均線が158.42円、100日移動平均線が159.70円と、主要移動平均線はいずれも現在値を上回っています。足元で反発しても、156円台まではまだ戻りの範囲とみられます。

上方向のポイント

上方向では、まず8月安値も重なる155.00〜155.22円を回復できるかがポイントです。その上は160.39円から152.89円までの下落に対する38.2%戻しの155.75円前後、さらに50%戻しにあたる156.50〜156.65円が次の目安です。

下方向のポイント

下方向では今週安値の152.89円が最初のサポートです。ここを割り込むと予想レンジ下限の152.50円が焦点となり、さらに下抜ければ151円台まで下値余地が広がります。

(各レート水準は執筆時点のもの)

【ドル円チャート 日足】

ドル円テクニカル分析 日足/移動平均線/14日RSI 2026年9月11日

ドル円 日足/25・100・200日移動平均線/14日RSI 外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

重要イベント・経済指標(2026年9月14日〜9月18日)

  • 9月15日(火)
    • 13:30 日本 7月第三次産業活動指数
    • 15:00 イギリス 7月失業率(ILO方式)
    • 18:00 ドイツ 9月ZEW景況感調査
    • 18:00 ユーロ 9月ZEW景況感調査
    • 18:00 ユーロ 7月貿易収支
    • 21:30 アメリカ 9月ニューヨーク連銀製造業景気指数
  • 9月16日(水)
    • 08:50 日本 8月貿易統計
    • 15:00 イギリス 8月消費者物価指数
    • 18:00 ユーロ 7月鉱工業生産
    • 21:30 アメリカ 8月小売売上高
    • 21:30 アメリカ 8月輸入物価指数
    • 23:00 アメリカ 9月NAHB住宅市場指数
    • 27:00 アメリカ 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表
    • 27:30 アメリカ ウォーシュ米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
  • 9月17日(木)
    • 08:50 日本 対外対内証券売買契約等の状況
    • 18:00 ユーロ 8月消費者物価指数(HICP、改定値)
    • 20:00 イギリス イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表
    • 20:00 イギリス 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
    • 21:30 アメリカ 新規失業保険申請件数
    • 21:30 アメリカ 8月住宅着工件数
    • 21:30 アメリカ 8月建設許可件数
  • 9月18日(金)
    • 未定 日本 日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表
    • 08:30 日本 8月全国消費者物価指数(CPI)
    • 15:00 ドイツ 8月生産者物価指数(PPI)
    • 15:00 イギリス 8月小売売上高
    • 15:30 日本 植田和男日銀総裁、定例記者会見
    • 17:00 ユーロ 7月経常収支
    • 18:00 ユーロ 7月建設支出
    • 22:15 アメリカ 8月鉱工業生産

外為どっとコム「経済指標カレンダー」

ハロンズFX「来週のドル円見通し」

 
外為どっとコム総合研究所
小野 直人
株式会社DZHフィナンシャルリサーチでの情報配信業務、上田ハーロー株式会社での調査・市場部門を経て、2021年より外為どっとコム総合研究所へ参画。ニュースベンダーとFX会社で培った「情報の目利き力」と「市場実務の経験」を武器に、個人投資家へ有益な情報を発信している。ドル円などの主要通貨に加え、トルコリラ・メキシコペソなどの新興国通貨、日経平均・NYダウといった株価指数(CFD)まで、幅広い金融商品の分析を得意とするマーケットアナリスト。