
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2026年9月11日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村勉
目次
▼10日(木)の為替相場
(1):増日銀審議委員講演
(2):ECB予想通りの利上げ
(3):米PPI 予想を上回る
(4):米10年債利回り 約3年ぶり高水準付ける
▼外為注文情報/ ▼本日の予想レンジ/ ▼ドル/円の見通し:155円を試す展開か/ ▼注目の経済指標・イベント
10日(木)の為替相場

期間:10日(木)午前6時10分~11日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):増日銀審議委員講演
日銀の増審議委員は「現在の金融環境が緩和的であることを踏まえれば、引き続き政策金利を引き上げ金融緩和の度合いを調整していくことになる」などと、あらためて利上げに前向きな姿勢を示した。「今はデフレではないので、実質金利がマイナスという状況は早く解消すべきだ」とも語った。一方で、利上げのタイミングやペースについては具体的なコメントを避け、「経済・物価情勢の展望(展望リポート)で示した見通しが実現する確度やリスクを点検しながら検討する」と述べるにとどめた。午後の会見では、利上げを巡り原油価格の上昇や為替動向に触れつつ「全部細かく点検しながらきっちりと検証して、しっかり次の会合で議論する」と発言。0.5%の大幅利上げについて問われると、基調物価が「大きく2%を超える状況が今見えるわけではない」と述べて慎重な見解を示した。
(2):ECB予想通りの利上げ
欧州中銀(ECB)は予想通りに政策金利である預金ファシリティ金利を2.25%から2.5%へと引き上げた。声明で「中東情勢の混乱はインフレ圧力を継続的に高め、物価上昇率は長期にわたり目標を大幅に上回る見込みだ」と指摘。2027年のインフレ率予測を前回(6月)から0.2%ポイント引き上げて2.5%とした(26年は3.0%で据え置き)。これを受けて市場では、年内の追加利上げ観測が高まった。ただ、ラガルド総裁はその後の会見で、経済が予想以上に堅調であるとの見方を示しつつも、今後の金融政策については「次回の会合でどの方向に向かうか、現時点での見解はない」「今後われわれが何をすべきかは、会合の都度決定されることになる」と述べるにとどめた。また、7月に米当局が行ったユーロ売り・円買い介入の規模が5億ユーロ(約900億円)だったことも明らかにした。
(3):米PPI 予想を上回る
米8月生産者物価指数(PPI)は前年比+5.4%と市場予想(+5.3%)を上回り前月(+4.8%)から伸びが加速した。食品とエネルギーを除いたコアPPIは前年比+4.6%と予想通りに前月(+4.3%)から加速した。同時に発表された米新規失業保険申請件数は20.6万件で(予想20.5万件)、これによって4週平均の申請件数は20.6万件となり、前週時点の20.8万件から減少した。
(4):米10年債利回り 約3年ぶり高水準付ける
米10年債利回りが上昇幅を拡大し、2023年10月以来の高水準となる4.96%前後を付けた。中東情勢の悪化による原油高や米8月PPIの上振れに加え、この日米財務省が実施した長期国債の買戻し(バイバック)額が上限を下回る51.9億ドルにとどまったことも利回りを押し上げた。
10日(木)の株・債券・商品市場
日経平均: 65270.95 △128.17
豪ASX: 8819.364 ▼92.061
上海総合: 3934.404 ▼17.103
英FT: 10608.92 ▼61.14
独DAX: 25361.15 ▼215.30
NYダウ: 52064.10 ▼316.56
日10年債: 2.922 △0.036
豪10年債: 5.2490 △0.0405
英10年債: 5.374 △0.113
独10年債: 3.501 △0.057
米2年債: 4.5856 △0.1561
米10年債: 4.9626 △0.1220
NY原油: 102.48 △6.43
NY金: 4407.30 ▼53.40
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)

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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円: 153.600 ~ 155.300
ユーロ/円: 178.500 ~ 180.100
ポンド/円: 207.600 ~ 209.600
豪ドル/円: 110.000 ~ 110.900
ドル/円の見通し:155円を試す展開か
昨日のドル/円は終値ベースで約0.6%上昇。NY原油(WTI)先物価格が上げ幅を拡大する中でドル買いが先行すると、米8月生産者物価指数(PPI)が市場予想を上回る伸びだったことも材料視され、一時154.67円前後まで上値を拡大した。また、米財務省がこの日実施した長期国債の買戻し(バイバック)額が上限に届かなかったことで米10年債利回りは約3年ぶりとなる4.96%まで上昇した。 米8月PPIが予想以上に前月から伸びが加速していたことで、来週の米連邦公開市場委員会市場(FOMC)での利上げ織り込みは70%超まで上昇している。本日は米8月消費者物価指数(CPI)が発表されるため、結果次第では利上げ期待が一段と高まり、ドル/円は155円を試す展開となりそうだ。一方で、弱い結果となった場合、利上げ観測が後退しドル売りで反応することになるだろうが、足元で原油価格が急騰しているため、エネルギー価格の上昇がいずれはインフレに波及するとの見方から下値は限定的となる公算が大きい。
注目の経済指標・イベント
09/11 (金)
15:00 〇 (英) 7月GDP
15:00 (英) 7月鉱工業生産
21:30 ◎ (米) 8月消費者物価指数
21:30 ◎ (米) 8月消費者物価指数・コア
23:00 〇 (米) 9月ミシガン大学消費者態度指数・速報値
23:00 ◎ (ユーロ圏) ラガルドECB総裁講演
26:00 (ユーロ圏) レーンECB専務理事講演
27:00 (米) 8月財政収支
09/12 (土)
19:15 ◎ (ユーロ圏) ラガルドECB総裁講演
外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
