
ドル円レポート:円キャリー巻き戻し加速か?152円台タッチで試されるドルの底力
ニューヨーク市場:円買い圧力と原油高・米金利上昇の綱引き、153円台後半で引け
日銀の利上げペース加速への思惑や、ベッセント米財務長官による円安牽制発言(「円相場に介入する場合、私には明確な見通しがある」など)が重石となり、これまで積み上がっていた円キャリー取引の巻き戻しが加速。一時152.89円と半年ぶりのドル安・円高水準を記録した。
しかし、欧米市場に入ると中東情勢の緊迫化(イエメン・フーシ派によるサウジ施設攻撃や米イランの攻撃応酬)を受け、原油先物が高騰。インフレ再燃懸念から米欧の長期金利が上昇したことでドル買いが再燃し、欧州時間には一時154.42円台まで買い戻された。その後、米財務省の国債買い戻し観測やポジション調整で153円台半ばへ押し戻される場面もあったが、最終的にニューヨーク市場は153.98円で取引を終えた。
本日9日のアジア時間:下値固めも戻りは限定的か、米金利動向と指標を注視
ドル円は足元、153円台後半で推移している。日銀の早期利上げ観測に伴う「円の底堅さ」と、中東地政学リスク・原油高に伴う「ドル・米金利の底堅さ」が拮抗し、153円台を中心とした神経質なレンジ推移が見込まれる。
日米の重要イベント(週内の米消費者物価指数や来週の日銀金融政策決定会合など)を控えて様子見ムードも強まりやすく、突発的な地政学ヘッドラインに警戒しつつも、153円台前半では押し目買い、154円台半ば以上では戻り売りが意識されやすい展開となりそうだ。
黒川健(くろかわ・たける)
米国Capital Market Services LLCニューヨーク本社および上田ハーロー株式会社でカバーディーラー、プロップディーラーを約20年間務める。2021年9月(株)外為どっとコム総合研究所入社後は、テクニカル分析、ファンダメンタル情報を配信している。
