読む前にチェック!最新FX為替情報

読む前にチェック!
最新FX為替情報
CFD銘柄を追加!

スプレッド
始値比
  • H
  • L
FX/為替レート一覧 FX/為替チャート一覧 株価指数/商品CFDレート一覧 株価指数/商品CFDチャート一覧

FX/為替 米8月雇用統計、NFP16.2万人増|9月利上げの障害は後退も確信には至らず 2026年9月7日 By 外為どっとコム総研

 

米雇用統計ふりかえり NFPは大幅増 2026年9月

執筆日時:2026年9月7日 14時05分
執筆者:株式会社外為どっとコム総合研究所 小野直人

2026年9月4日に発表された米8月雇用統計は、非農業部門雇用者数(NFP)が前月比16.2万人増と、市場予想の5万人台を大きく上回りました。失業率は4.1%で横ばい、平均時給は前月比0.3%上昇しました。

6月分は2.0万人増から3.1万人増、7月分は2.3万人減から2.1万人増へ上方修正され、2カ月合計で5.5万人引き上げられました。一方、6〜8月の3カ月平均は月7.1万人増にとどまっており、単月の16.2万人増だけで雇用が再加速したと判断するのは早そうです。

ドル円 5分足チャート 2026年9月7日

※チャート:ドル/円-5分足 外為どっとコム「ネオチャート」

労働参加率上昇でも失業率4.1%を維持

今回注目したいのは、失業率の中身です。

労働参加率は61.4%から61.6%へ上昇し、労働力人口は前月から68.3万人増、就業者数も56.9万人増となりました。失業者数も増えましたが、失業率は4.1%を維持しています。

7月は労働力人口が減少するなかで失業率が低下しました。今回は労働市場への参加者が増える一方、就業者数も大きく増えており、前月より雇用の中身は改善したとみられます。

ただし、雇用の強さには偏りもあります。飲食店が5.9万人増、地方政府の教育部門が4.2万人増となり、この2分野でNFP増加の6割超を占めました。また、27週以上の長期失業者は増え、失業期間の中央値も7月の10.5週から11.4週へ延びています。

平均時給は前月比では0.2%から0.3%へ伸びが加速した一方、前年比では3.2%から3.1%へ鈍化しました。雇用は強かったものの、賃金インフレまで一段と強まったわけではありません。

米雇用統計発表当日の市場反応|ドル円・米国株・金

為替市場:ドル円は上昇も、ドル高は限定的

強い雇用統計を受けてドルは156.742円まで上昇しました。ただ、利上げ確率が発表直後のピークから低下すると上げ幅を縮小し、ドル円は155.336円まで下落しました。もっとも、155円の大台割れを回避したことで、その後のNY時間は156.00円前後で推移しました。

日銀の追加利上げ観測による円買いも続いており、強い米雇用統計だけではドル円の上昇が加速しませんでした。

株式市場:金利上昇を警戒し主要3指数は下落

米株はそろって下落しました。

  • ダウ平均:-0.51%(-271.86ドル)の 53,414.25ドル
  • S&P500:-0.38%(-29.11ポイント)の7,718.60ポイント
  • ナスダック総合:-0.29%(-77.070)の26,506.99ポイント

好調な雇用は景気面ではプラスですが、今回は利上げ観測と米金利上昇が株式市場の重石になりました。

金市場:利上げ観測で一時2%超下落

金は強いNFPを受けて売られました。スポット金は一時4,360ドル台まで下落し、下落率は2%を超えました。

米金利上昇とドル高に加え、9月利上げ観測が強まったことで、金利を生まない金の投資妙味が相対的に低下しました。

チャート:左上から横に米国S&P500、米国DJ30、日本N225、金スポット、2026年9月7日

※チャート:左上から横に米国S&P500、米国DJ30、日本N225、金スポット、5分足 外為どっとコム「株価指数・商品CFDチャート」

今後の焦点|強い雇用の次は米CPI

強い雇用統計を受け、9月FOMCでの利上げ確率は発表前の約55%から、一時約65%まで上昇しました。ただ、その後は50%台後半まで低下しています。

今回の結果で、雇用悪化を理由にFRBが利上げを見送る可能性は後退しました。一方、雇用増には偏りがあり、平均時給も前年比では3.1%へ鈍化しています。

次の焦点は9月10日のPPIと11日のCPIです。物価が強ければ9月利上げを後押しし、鈍化すれば据え置き余地が残ります。

今回の雇用統計は利上げを決めたのではなく、利上げを阻んでいた雇用面の懸念を後退させたとみるのが適切でしょう。市場の関心は、雇用から物価へ移っています。

関連記事
米雇用統計の予想と戦略(先行記事へのリンク)

 
外為どっとコム総合研究所
小野 直人
株式会社DZHフィナンシャルリサーチでの情報配信業務、上田ハーロー株式会社での調査・市場部門を経て、2021年より外為どっとコム総合研究所へ参画。ニュースベンダーとFX会社で培った「情報の目利き力」と「市場実務の経験」を武器に、個人投資家へ有益な情報を発信している。ドル円などの主要通貨に加え、トルコリラ・メキシコペソなどの新興国通貨、日経平均・NYダウといった株価指数(CFD)まで、幅広い金融商品の分析を得意とするマーケットアナリスト。