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S&P500見通し(9/4〜9/11)|史上最高値まで1%、米CPIと国債バイバックがこれを支援するか 2026年9月4日

 

S&P500(SP500) 見通し、最高値更新へあと一歩 2026年9月4日

作成日時 2026年9月4日 12時00分

対象期間 2026年9月4~9月11日

監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 小野直人

【この記事でわかること】

  • 今後1週間(9月4〜11日)のSP500の予想レンジ:7,500〜7,850ポイント
  • 上昇要因:企業業績の底堅さ、AI関連需要の強さ、米長期金利の落ち着き・国債バイバックによる長期ゾーンの下支え
  • 下落リスク:米長期金利の高止まり、国債入札の低調、CPI・PPIの強い結果、原油高による企業収益圧迫
  • 重要な分岐点:7,815ポイント(史上最高値)・7,708ポイント(25日線)・7,600ポイント・7,552ポイント(75日線)・7,500ポイントの攻防

9月4〜9月11日のSP500をめぐっては、企業業績とAI関連の需要を支えに上値追いが続くとみる向きがある一方、米長期金利の高止まりが株式のバリュエーションを削るとみる向きも根強く、プロの間でも結論は一つになっていません。米国債バイバック、国債入札、欧州中央銀行(ECB)理事会、そして消費者物価指数(CPI)と、金利に効く材料が来週に集中しますので、ご自身がどの材料を最も重く見るかを意識しながら読み進めていただくと、来週の相場観を組み立てやすくなるはずです。

SP500|米9月利上げ期待後退で大幅高

今週は、原油高や世界的な債券売り、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ観測を背景に米長期金利が上昇し、SP500は一時7,600ポイント台前半まで下落しました。一方、3日はウォラーFRB理事が、インフレ鈍化が続けば9月会合で政策金利の据え置きを支持する考えを示し、米金利が低下。SP500は7,747ポイント台まで反発しています。前回、企業業績を背景に底堅さは残るものの、史上最高値の7,815ポイント前後を突破するには米長期金利の落ち着きが必要とみていましたが、今週はまさに金利上昇で株価が下がり、金利が落ち着くと買いが戻る展開となりました。なお4日の米雇用統計は本稿執筆時点では未発表で、結果次第で来週のスタート地点は変わります。

SP500見通し|米国債バイバックからCPIへ、AIと原油への警戒は継続

来週の最大のテーマは、引き続き米長期金利です。ただ今回は経済指標だけでなく、米財務省による国債バイバックの増額という需給面の材料が加わります。

米財務省は9月9日から、10〜20年、20〜30年の長期・超長期国債を対象とする流動性支援バイバックについて、1回あたりの上限を従来の20億ドルから少なくとも40億ドルへ引き上げます。増額措置は11月4日までです。

米国債市場の流動性改善が目的で、FRBによる量的緩和とは異なります。また、国債需給全体を大きく変える規模ではありませんが、長期・超長期金利の上昇圧力を和らげる可能性があります。9月9日は発効日にあたり、予定上、増額対象となる長期債の最初のオペは米国時間10日の10〜20年債バイバックです。日本時間では11日2時40分〜3時となります。

同じ週には3年債入札に加え、10年債と30年債のリオープン入札も予定されており、3年債の新発と、10年債・30年債のリオープンへの需要、そしてバイバックによる長期ゾーンの下支えを同時に確認できる週です。米財務省の予定では、米国時間で3年債は8日、10年債は9日、30年債は10日の入札となります。

また、10日にはECB理事会があります。欧州でも国債利回りが大きく上昇しており、ECBの政策姿勢を受けた欧州債の動きが米国債市場へ波及する可能性もあります。

加えて、10日の米卸売物価指数(PPI)、11日の米CPIが発表されます。国債市場が落ち着いたところへCPIの鈍化が重なれば、FRBの利上げ観測も後退し、SP500には追い風となります。反対に、国債入札が低調で長期金利が上昇し、さらにCPIまで強ければ、米10年債利回りが今週の4.8%台をさらに上抜ける展開が警戒されます。

9月5日から米連邦公開市場委員会(FOMC)のブラックアウト期間に入るため、FRB高官から新たな政策メッセージが出にくくなります。11日のCPIは会合前最後の主要なインフレ材料となり、いつも以上に市場の反応が大きくなる可能性があります。

AI需要は強い、次は巨額投資に見合う利益成長を示せるか

金利が上値を抑える一方で、相場を押し上げてきたAI関連の需要そのものは、依然として強さを保っています。ブロードコムのAI半導体売上は前年同期比221%増の167億ドルまで拡大しました。ただし次四半期の売上見通しが市場の高い期待に届かず、3日の株価は下落しています。AIの成長そのものだけでなく、その成長が市場の高い期待に追いつけるかが問われ始めているとみられます。

今後は、米金利が上昇するなか、社債発行などによる資金調達コストも上昇傾向にあり、将来的には設備投資の採算ハードルが高くなる可能性があります。高金利と巨額AI投資の組み合わせを、どこまで利益成長で吸収できるかは、来週以降も確認していきたいところです。

伏兵は原油高、中東情勢の企業収益への波及に注意

中東情勢そのものはSP500を直接動かす材料にはなっていません。ただし原油高が長期化すれば、企業コストの増加や消費者の購買力低下を通じて利益を圧迫する可能性があります。原油高が続く場合は、SP500の上値を抑える材料として頭の片隅に置いておきたいところです。

SP500テクニカル分析|25日線・75日線の二段構えと史上最高値7,815ポイント

SP500 日足/25日・75日移動平均線/14日RSI 2026年9月4日

SP500 日足/25日・75日移動平均線/14日RSI 外為どっとコム「CFDネクスト」

SP500の日足では、25日移動平均線が7,708ポイント、75日移動平均線が7,552ポイント付近です。14日RSIは50.3まで回復し、方向感としては中立に近い水準へ戻っています。

上方向では、まず25日線の7,708ポイントを維持できるかを確認します。そのうえで、史上最高値の7,815ポイント前後が最大の上値抵抗です。ここを明確に突破できれば、今回の予想レンジ上限となる7,850ポイントを試す余地が広がります。

下方向では7,600ポイント前後が最初の重要水準です。今週もこの水準から買い戻されており、来週も支持帯として機能するかが焦点となります。7,600ポイントを割り込むと、75日移動平均線が位置する7,552ポイント前後が次の下値メドです。さらに米金利上昇が強まり75日線も下抜ける場合は、今回の予想レンジ下限となる7,500ポイントまで調整が広がる可能性があります。

SP500の視点とシナリオの組み立て方

筆者のメインシナリオは、7,600ポイント前後を維持しながら再び史上最高値の突破を試すものの、高値更新には米長期金利の落ち着きが前提になる、というものです。あくまで一つの見方であり、金利のどの部分を重視するかで結論は変わり得ます。

すでに買い持ちの方であれば、どこまでの押しなら想定内としておくかを、7,600ポイントと7,552ポイントという二段構えの水準で線引きしておく考え方があります。売り持ちの方であれば、7,815ポイント突破が明確になった場合に自分のシナリオをどう扱うかを、あらかじめ決めておく形になります。

【あなたの見通しは?】

A.金利は落ち着く。7,815ポイントを突破し、7,850ポイント方向を試す

B.判断は保留。7,600〜7,815ポイントのレンジ内でCPI待ちの往来が続く

C.金利上昇が優勢。7,600ポイントを割り込み、75日線の7,552ポイント方向へ下押しする

今後の重要イベント

※時間は日本時間です。9月5日からFOMCのブラックアウト期間に入っています。

  • 9月8日(火)26:00 米国 3年国債入札
  • 9月9日(水)26:00 米国 10年国債入札(リオープン)
  • 9月10日(木) 21:15 ユーロ圏 ECB政策金利
  • 9月10日(木) 21:30 米国 8月卸売物価指数(PPI)
  • 9月10日(木) 21:30 米国 新規失業保険申請件数
  • 9月10日(木) 21:45 ユーロ圏 ラガルドECB総裁 記者会見
  • 9月10日(木) 26:00 米国 30年国債入札(リオープン)
  • 9月10日(木) 米国 26:40〜27:00 米財務省10〜20年国債バイバック(増額対象となる長期債オペ)
  • 9月11日(金) 米国 21:30 8月消費者物価指数(CPI)
  • 9月11日(金) 米国 23:00 9月ミシガン大学消費者態度指数・速報値

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外為どっとコム総合研究所
小野 直人
株式会社DZHフィナンシャルリサーチでの情報配信業務、上田ハーロー株式会社での調査・市場部門を経て、2021年より外為どっとコム総合研究所へ参画。ニュースベンダーとFX会社で培った「情報の目利き力」と「市場実務の経験」を武器に、個人投資家へ有益な情報を発信している。ドル円などの主要通貨に加え、トルコリラ・メキシコペソなどの新興国通貨、日経平均・NYダウといった株価指数(CFD)まで、幅広い金融商品の分析を得意とするマーケットアナリスト。