
ドル円レポート:日銀タカ派と米利上げ後退の挟み撃ち——試される155円ライン、焦点は米雇用統計
ニューヨーク市場:日米金利差縮小の思惑からドル急落・円全面高
日銀が今月の会合で0.25%の利上げに踏み切り、10月以降も経済・物価動向次第で追加利上げを排除しない方針と伝わったことで円買いが優勢となった。さらにベッセント米財務長官による円安是正への思惑や、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が基本ポートフォリオを見直すとの思惑も加わり、円高の流れが強まった。
NY時間に入ると、ウォラーFRB理事が「ディスインフレ傾向が継続すれば、政策金利の据え置きを支持する」と発言したことで、市場の早期利上げ警戒感が急速に後退。米新規失業保険申請件数の増加や貿易赤字の拡大も重なり、米長期金利の低下とともにドル売りが加速し、ドル円は一時155.297円まで下落した。
本日4日のアジア時間:米雇用統計が最大の焦点、下振れリスクに警戒
ドル円は足元、155円台後半で推移している。本日の東京・欧州時間は様子見姿勢が強まりやすいものの、基調は「戻りの鈍い展開」を想定する。
本日のメインイベントはNY時間の8月米雇用統計だ。非農業部門雇用者数は前月の大幅な落ち込み(-2.3万人)から「+5.0万人〜+5.6万人」程度への回復が見込まれている。しかし、先行指標であるADP雇用統計が低水準にとどまったことや、消費者信頼感指数の雇用見通し悪化などから、市場では2カ月連続での減少といったネガティブサプライズへの懸念がくすぶっている。
黒川健(くろかわ・たける)
米国Capital Market Services LLCニューヨーク本社および上田ハーロー株式会社でカバーディーラー、プロップディーラーを約20年間務める。2021年9月(株)外為どっとコム総合研究所入社後は、テクニカル分析、ファンダメンタル情報を配信している。
