
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2026年9月2日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト 神田卓也
目次
▼1日(火)の為替相場
(1):片山財務相、日米協調は「継続的な取り組み」
(2):ユーロ圏CPI加速
(3):米ISM製造業景況指数、前月から低下
(4):米財務省、会談概要公表
(5):米国がイラン再攻撃
▼外為注文情報/ ▼本日の予想レンジ/ ▼ドル/円の見通し:原油高が続けば、高値更新の可能性/ ▼注目の経済指標・イベント
1日(火)の為替相場
期間:1日(火)午前6時10分~2日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):片山財務相、日米協調は「継続的な取り組み」
片山財務相はG20財務相・中銀総裁会議の期間中にベッセント米財務長官と会談したことを明らかにした上で「秩序だった円相場は米国を含む世界の金融市場の安定のために不可欠であり、日米の継続的な協調した取り組みが共通の目的に資することを確認した」と発言。一方で、ベッセント長官が日銀に利上げするよう要請したとの報道に対しては「そのような金融政策の議論にはなっていない」と否定した。
(2):ユーロ圏CPI加速
ユーロ圏8月消費者物価指数(CPI)・速報値は前年比+3.3%と市場予想通りに前月(+2.9%)から伸びが加速。一方、食品やエネルギーなどを除いたコアCPIは前年比+2.4%と予想および前月(いずれも+2.5%)を下回る伸びにとどまった。
(3):米ISM製造業景況指数、前月から低下
米8月ISM製造業景況指数は54.6と市場予想(55.2)を下回り、2022年5月以来の高水準だった前月(55.6)から低下した。主な構成指数では仕入れ価格が横ばいの71.1だった一方、新規受注と雇用はそれぞれ53.7と51.2に低下した。同時に発表された米7月JOLTS求人件数は727.1万件と市場予想(731.3万件)を下回ったが6月が718.2万件に下方修正されたことから前月比で増加した。7月は採用率、解雇率ともに6月から低下しており、米労働市場が縮小均衡の状態にあることがあらためて示された。
(4):米財務省、会談概要公表
米財務省は、G20会議に先立ってベッセント長官が植田日銀総裁と行った会談の内容を公表。長官は「円の大幅な過小評価に対処するため、日本が断固とした市場・金融政策上の措置を講じることを強く支持する」と表明した。「円安が日本のインフレ圧力を高める一因にもなっている」と指摘した上で「インフレ期待の安定や過度な為替変動の回避には『適切な金融政策の策定と発信』が肝要だ」と訴えた。
(5):米国がイラン再攻撃
米中央軍は、東部時間正午(日本時間25時)にイラン・イスラム革命防衛隊(IRGC)の拠点を標的として攻撃を開始したとSNSへの投稿で明らかにした。この攻撃はIRGCによるホルムズ海峡での商業船舶や米軍兵士に対する攻撃未遂に対処したものだと説明した。その後、トランプ米大統領は「イランがこれに報復すれば、より激しい攻撃を受けることになる」と警告した。
1日(火)の株・債券・商品市場
日経平均: 66215.34 ▼96.59
豪ASX: 9066.696 ▼9.260
上海総合: 3979.888 ▼6.410
英FT: 10789.28 ▼34.98
独DAX: 25970.11 ▼288.00
NYダウ: 52766.88 ▼419.02
日10年債: 3.006 △0.049
豪10年債: 5.1775 △0.0850
英10年債: 5.220 △0.157
独10年債: 3.344 △0.020
米2年債: 4.3998 △0.0582
米10年債: 4.7981 △0.0481
NY原油: 90.22 △4.46
NY金: 4396.40 ▼85.10
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)

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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円: 159.500 ~ 160.700
ユーロ/円: 185.000 ~ 186.300
ポンド/円: 215.800 ~ 217.400
豪ドル/円: 114.100 ~ 114.900
ドル/円の見通し:原油高が続けば、高値更新の可能性
昨日のドル/円は終値ベースで約0.3%上昇。米国がイランへの空爆を再開したことを受け原油価格が急騰する中、160.28円前後までドル高・円安に振れた。ベッセント米財務長官が植田日銀総裁にあらためて利上げを要請したことが伝わったが、円を買う動きは限定的で「有事のドル買い」が優勢だった。ドル/円は、160円台を回復し7月31日以来の高値を付けたことで上値余地が広がったと見られる。中東情勢を睨んで本日も原油高が続けば、ドル高主導で再び高値を更新することになろう。もっとも、昨日のNY市場では米労働市場の回復が期待したほど進んでいないことが明らかになった。米8月ISM製造業景況指数の雇用指数と米7月JOLTS求人件数はいずれも市場予想を下回った。明後日4日に発表される米8月雇用統計が下振れするリスクが意識されれば、ドルを積極的に買い上がる展開にはなりにくいだろう。本日は8月雇用統計の前哨戦として発表される米8月ADP全国雇用者数にも注目だ。
注目の経済指標・イベント
09/02 (水)
10:30 〇 (豪) 4-6月期GDP
21:15 ◎ (米) 8月ADP全国雇用者数
23:30 (米) EIA週間原油在庫統計
27:00 (米) 地区連銀経済報告(ベージュブック)
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年から外国為替市場に携わる為替アナリスト。証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社し、ドル/円スポット、資金(デポジット)、金利デリバティブなど国際金融商品の取引仲介業務を担当。2009年7月、外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・金融市場の調査・分析に従事。2011年12月より現職。
30年以上にわたる市場経験をもとに、個人FX投資家向けの相場解説・情報発信を行う。テレビ東京「Newsモーニングサテライト(モーサテ)」への出演をはじめ、NHK、日経CNBC、ストックボイスTV、ニッポン放送など、テレビ・ラジオ・新聞・WEBメディアへの出演・取材・コメント実績多数。
