
基準日:2026年9月1日/対象期間:2026年9月
【この記事でわかること】
- 9月のハンガリーフォリント/円(HUF/JPY)の予想レンジ:0.490〜0.515円
- 下落リスク:MNBの利下げ継続、世界的な金利上昇による新興国資金流出、円買い介入警戒
- 上昇要因:EU資金審査の進展、フォリントの対ユーロでの底堅さ、MNBが利下げを停止する場合の金利安定
- 重要な分岐点:0.494円(200日線)、0.489円(8月安値)、0.512円(100日線)、0.515円(直近高値)
2026年9月のハンガリーフォリント円(HUF/JPY)は、0.49円台を維持しながら0.512〜0.515円へ戻せるかが焦点です。ハンガリー国立銀行(MNB)の利下げ継続とEU資金審査の進展がフォリントの下支えとなる一方、日銀の追加利上げ観測や円買い介入への警戒が上値を抑えやすい展開を想定します。 予想レンジは0.490〜0.515円。 MNBが利下げを停止できるか、EU資金が実際に前進するか、そして日銀政策が円高圧力を強めるかが9月相場の重要ポイントです。
予想レンジ
0.490〜0.515円
HUF/JPYの8月相場|原発リスクは後退へ
7月末から8月初めには、日米協調の円買い介入を受けて一時0.489円まで下落しました。その後は0.515円まで戻したものの、足元では0.504円前後で推移しています。
8月に警戒されたドナウ川の水位低下とパクシュ原子力発電所の出力低下は、その後の水位対策や設備再稼働によって警戒感が後退しました。
代わって9月のフォリント相場で重要になるのが、MNBの金融政策です。
HUF/JPYの9月見通し|金融政策とEU資金が支えになるか
MNB金融政策の最新見通し|利下げ継続か停止か
MNBは6月から3会合連続で0.25%ポイントずつ利下げし、政策金利を5.50%まで引き下げました。背景にはインフレ率の急速な低下があります。7月の消費者物価指数(CPI)は前年比+1.2%、コアCPIも+1.9%まで鈍化しました。
ただし、サービス価格は前年比+4.7%上昇しており、国内の物価上昇圧力が完全に消えたわけではありません。
さらに、欧州中央銀行(ECB)や米連邦準制度理事会(FRB)の利上げ観測を背景に世界的な金利上昇が続けば、新興国からの資金流出も意識されます。MNBが他国に先行して速いペースで利下げを続ければ、金利差の縮小を通じてフォリント安につながる可能性があるためです。
このため9月22日のMNB会合では、4会合連続の利下げ(実施すれば年内5回目)となるのか、それとも据え置くのかがHUF/JPYの見通しを判断するうえで大切になります。
EU資金はフォリントの下支え材料
もう一つの注目材料がEU資金です。
4月の総選挙後にマジャル政権が発足し、5月には欧州委員会と凍結解除に向けた合意が進みました。ハンガリー政府は8月末までに必要な条件を満たしたとしており、今後は欧州委員会による審査と支払い手続きが焦点になります。
実際に資金利用への道筋が固まれば、投資や景気、財政への安心感につながり、MNBの利下げによるフォリント売りを和らげる材料になりそうです。
ただし、現時点では資金がすでに流入したわけではありません。期待だけで判断するのではなく、9月は審査や支払いが実際に前進するかを確認したいところです。
HUF/JPYでは日銀と円買い介入にも注意
また、HUF/JPYを考えるにあたっては、ハンガリー側だけでなく円の動きも重要です。
日銀は9月17〜18日に金融政策決定会合を開きます。追加利上げが実施されれば、日本とハンガリーの金利差縮小が意識され、円買いがHUF/JPYの上値を抑える可能性があります。
また、再び急速な円安が進めば、7月末に続く円買い介入への警戒も強まりそうです。
つまり、フォリントが対ユーロで底堅くても、円高が進めばHUF/JPYは上がりにくいため、9月はMNBと日銀、双方の金融政策を見ながら方向を判断する必要がありそうです。
HUF/JPYテクニカル分析|0.494円の200日線を守れるか

日足では、25日移動平均線が0.504円付近、100日移動平均線が0.512円付近、200日移動平均線が0.494円付近です。14日RSIは45.9と中立圏ながら50を下回っています。
足元は25日線付近で推移していますが、25日線は100日線を下回ったままです。6月高値の0.532円からも約5%下にあり、中期的にはまだ上値の重さが残っています。
下値では、200日移動平均線が位置する0.494円前後が重要です。ここを下回れば、8月安値の0.489円が再び意識されます。
一方、上値では100日線の0.512円、その上が直近高値の0.515円です。0.512〜0.515円では戻り売りも出やすく、このゾーンを明確に上抜けられるかが、上昇基調へ戻るためのポイントになります。
メインシナリオは、0.490〜0.494円を下値の判断軸に、0.512〜0.515円への戻りを探る展開です。
MNBが利下げを休止すればフォリントには追い風となりますが、日銀の利上げや円買い介入への警戒も残ります。現時点では、0.515円を超えて積極的に上値を追うより、まず0.49円台を維持できるかを確認しながら戻りを狙うのがよさそうです。
9月の重要イベント
- 9月8日(火):15:30 ハンガリー 8月CPI
- 9月9日(水):21:00 ハンガリー MNB 8月会合議事要旨
- 9月17日(木)〜18日(金):日本 日銀金融政策決定会合
- 9月22日(火):21:00 ハンガリー MNB金融政策会合・インフレ報告
