
豪ドル円は、8月初旬の109円台前半から大きく反発し、足元では114円台後半まで上昇しています。豪7月消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回ったことで、RBA(豪州準備銀行)の追加利上げ観測が高まり、豪ドル買いが強まりました。加えて、日本では米金利の上昇や日銀の利上げ観測を背景に長期金利が上昇しています。財政悪化への警戒も重なり、円売りが豪ドル円の上昇を後押ししている可能性があります。
今後は、心理的節目となる115円を明確に上抜けられるかが焦点です。
豪CPIは市場予想を上回る、RBAの追加利上げ観測が高まる
26日に発表された豪7月CPIは、前月比1.0%上昇、前年同月比3.5%上昇となりました。

市場予想はそれぞれ0.9%上昇、3.3%上昇だったため、いずれも予想を上回る結果です。前年比では6月の3.8%上昇から鈍化したものの、市場が想定していたほどインフレは弱まりませんでした。さらに、RBAが重視するトリム平均CPIは前年比3.6%上昇となり、市場予想の3.5%上昇を上回りました。
今回のCPIを受けて、RBAの追加利上げ観測が高まりました。RBAは8月会合で政策金利を据え置きましたが、議事要旨では利上げの是非も議論されました。複数の委員が、インフレの上振れリスクを踏まえ、追加利上げが必要になる可能性に言及しています。
足元では、インフレの高止まりとRBAのタカ派姿勢が、豪ドルの支援材料となっています。
豪ドル円は114円台後半まで上昇
豪ドル円は、8月初旬につけた109.24円前後を底に反発を続けています。豪7月CPIの上振れを受けてRBAの追加利上げ観測が強まると、豪ドル買いが加速しました。

最新の日足チャートでは、一時114.96円前後まで上値を伸ばしました。
6月高値の114.91円前後を上回っており、心理的節目となる115円が目前です。8月初旬の急落後は、高値と安値を切り上げる動きが続いています。チャート上でも、上昇基調は維持されています。
日本の長期金利は一時2.985%まで上昇、円安も豪ドル円上昇要因に
豪ドル円の上昇には、豪ドル高だけでなく円安も影響しています。
9月1日の国内債券市場では、新発10年物国債利回りが一時2.985%まで上昇しました。約30年ぶりの高水準です。

長期金利上昇の背景には、米金利の上昇と日銀の利上げ観測があります。
米10年債利回りは8月31日に一時4.76%台まで上昇しました。中東情勢の不透明感から原油価格が上昇し、米国のインフレ懸念が再燃したことも米国債売りにつながっています。こうした米金利上昇の流れが、日本の長期金利にも波及しました。また、日銀の利上げ加速観測も長期金利上昇につながっています。
さらに、日本では財政悪化への警戒も意識されています。
2027年度予算の概算要求は143兆円前後と過去最大に膨らみました。政府が成長分野への歳出拡大を進めるなか、財政拡張への警戒が円売りにつながり、豪ドル円の上昇を後押ししている可能性があります。
豪ドル円の見通し|115円突破なら一段高も
今後の豪ドル円では、115円を明確に上抜けられるかがポイントです。115円を突破すれば、115.50円や116円が次の上値目安として意識されます。
一方、ドル円が再び160円台に乗せるかにも注意が必要です。為替介入への警戒が強まれば、豪ドル円の上値を抑える可能性があります。
目先は、9月2日に発表される豪4-6月期GDPにも注目です。市場予想を上回ればRBAの追加利上げ観測が強まり、豪ドルを押し上げる可能性があります。反対に弱い結果となれば、豪ドルの上値を抑える可能性があります。
115円を突破できるか、ドル円が再び160円台に乗せて為替介入への警戒が強まるかが、豪ドル円の方向性を左右するポイントになりそうです。
