
ドル円レポート:【ドル円】ウォーシュ発言で160円突破!米利上げ確率急上昇でドル全面高へ
ニューヨーク市場:ウォーシュFRB議長講演で急反発・利上げ織り込みが加速
NY時間、米8月シカゴ購買部協会景気指数(PMI)やミシガン大学消費者信頼感指数の悪化、期待インフレ率の低下を受けて一時159円39銭まで下落。その後、注目されたジャクソンホール会議においてウォーシュFRB議長は講演で「インフレ目標2%に向けた明確な改善の確信が得られなければ、なすべきことがある」と述べ、物価抑制に向けた追加利上げの可能性を強く示唆。これを受けて米長期金利(10年債利回り)が一時4.72%台まで上昇すると、9月FOMCでの利上げ確率が前日の約35%から約57〜60%付近まで急伸し、全般でドル買いが加速。ドル円は一時160円20銭(7月31日以来の高値水準)まで上昇したものの、160円台に乗せたことで政府・日銀による為替介入への警戒感が高まったほか、ベッセント米財務長官による「無秩序な円相場への言及」なども意識され、引けにかけては小幅に伸び悩んだ。
本日31日のアジア時間:底堅い地合い継続も、160円台の介入警戒感と中東情勢緊迫化が上値を抑制
本日アジア時間は、ウォーシュ議長発言を受けた「9月利上げシナリオ」の織り込みがドルの下値を強力にサポートし、ドル円は160円前半レベルで推移している。心理的節目となる160円台を回復したことで、本邦通貨当局による牽制発言や実弾介入への警戒感が一段と強まり、高値追いは慎重になりやすい地合となっている。一方で、米軍がホルムズ海峡近くのイラン軍事拠点を攻撃したとの報道を受け、中東情勢の緊迫化に伴う「有事のドル買い」あるいは「リスクオフの円買い」双方の思惑が交錯しやすい点に注意が必要。また、本日は英国市場がサマーバンクホリデーで休場となるため、ロンドン時間帯は市場参加者が減少し、突発的なニュース等による思わぬ値動きの荒さに警戒が求められる。
黒川健(くろかわ・たける)
米国Capital Market Services LLCニューヨーク本社および上田ハーロー株式会社でカバーディーラー、プロップディーラーを約20年間務める。2021年9月(株)外為どっとコム総合研究所入社後は、テクニカル分析、ファンダメンタル情報を配信している。
