
<第207回> 2026年8月29日
外為どっとコムの口座開設者のお客様を対象とした投資動向等に関するアンケート調査です。
分析・レポート作成
外為どっとコム総合研究所
調査実施期間
2026年8月21日(金)13:00~2026年8月25日(火)24:00
調査方法
外為どっとコムの口座開設者にメールでアンケート回答URLを送付。
今回の有効回答数は 455件。
※必要項目を全て入力して回答して頂いたお客様を「有効回答数」としました。
問1:今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しについてお答えください。
「今後1 カ月間の米ドル/円相場の見通し」については、「米ドル高・円安方向」と答えた割合が48.8%であったのに対し「円高・米ドル安方向」と答えた割合は18.9%であった。この結果「米ドル/円予想DI」は△29.9%ポイントと前月の△33.6%ポイントからプラス幅がやや縮小した。
調査期間前後の米ドル/円相場は、159 円台後半の上値が重い展開。中東不安を背景に原油価格の高止まりが続く中、年内の米利上げ観測は根強い。しかし、円買い介入への警戒がくすぶっていることもあり個人投資家の米ドル高・円安見通しがやや後退したのだろう。
今後1 カ月の米ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が165.00 円、最安値が150.00 円となり、高値の平均値は160.87 円、安値の平均値は156.32 円であった。高値の中央値は160.38 円、安値の中央値は157.00 円だった。実勢レートが前月調査時(最終日)から4.0 円ほど切り下がったのに沿って高値・安値の予想中央値は3 円程度、円高・米ドル安方向へシフトした。
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問2:今後1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください
「今後1 カ月間のユーロ/円相場の見通し」については、「ユーロ高・円安方向」と答えた割合が46.8%であったのに対し「円高・ユーロ安方向」と答えた割合は14.9%であった。この結果「ユーロ/円予想DI」は△31.9%ポイントと前月の△24.0%ポイントからプラス幅が拡大した。
調査期間前後のユーロ/円相場は、一時186 円を回復。エネルギー価格の高止まりから欧州中銀(ECB)は年内に2 回利上げするとの見方がある。また、日本の貿易赤字拡大を懸念した円売りの流れが意識され、ユーロ高・円安が一段と進むと見られているようだ。
今後1 カ月のユーロ/円相場の高値と安値の予想については、最高値が191.00 円、最安値が170.00 円となり、高値の平均値は186.48 円、安値の平均値は181.35 円であった。高値の中央値は186.60 円、安値の中央値は182.00 円であった。実勢レートは前月調査時(最終日)から0.2 円ほど切り下がったのに沿って、高値・安値の予想中央値は0.4~1円程度、円高・ユーロ安方向へシフトした。
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問3:今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください
「今後1 カ月間の豪ドル/円相場の見通し」については、「豪ドル高・円安方向」と答えた割合が45.9%であったのに対し「円高・豪ドル安方向」と答えた割合は13.4%であった。この結果「豪ドル/円予想DI」は△32.5%ポイントと前月の△28.7%ポイントからプラス幅がやや拡大した。
調査期間前後の豪ドル/円相場は、為替介入前の高値を上抜け。豪中銀(RBA)副総裁は「インフレ率が低下しなければ、追加利上げが必要になる」との見解を示した。また、円安地合いが続いていることから個人投資家は豪ドル高・円安見通しをやや強めたと考えられる。
今後1 カ月の豪ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が120.00 円、最安値が100.00 円となり、高値の平均値は114.34 円、安値の平均値は110.30 円であった。高値の中央値は114.50 円、安値の中央値は110.20 円だった。前月調査時(最終日)と比べ実勢レートが0.1 円ほど切り下がったのに対し、安値の中央値が1 円程度、円高・豪ドル安方向にシフトした。
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問4:今後1カ月間の英ポンド/円相場の見通しについてお答えください
「今後1 カ月間の英ポンド/円相場の見通し」については、「英ポンド高・円安方向」と答えた割合が、45.5%であったのに対し「円高・英ポンド安方向」と答えた割合は14.5%であった。この結果「英ポンド/円予想DI」は△31.0%ポイントとなり、前月の△29.1%ポイントからプラス幅がやや拡大した。
調査期間前後の英ポンド/円相場は、7 月30 日以来の217 円台へ持ち直す展開。英政府は、イラン情勢を背景としたインフレを懸念しつつも、英経済は底堅いとの見解を示した。また、円安基調が続いていることから個人投資家は強気スタンスを維持しているのだろう。
今後1 カ月の英ポンド/円相場の高値と安値の予想については、最高値が222.33 円、最安値が198.00 円となり、高値の平均値は217.46 円、安値の平均値は211.14 円であった。高値の中央値は218.00 円、安値の中央値は210.77 円だった。前月調査(最終日)と比べ実勢レートが1円ほど切り下がったのに沿って、高値・安値の予想中央値が2~4.3 円、円高・英ポンド安方向へシフトした。
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問5:今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか
「今後3 カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)」と尋ねたところ、「米ドル」と答えた割合が33.4%と最も多かった。次いで「円」が17.1%、「トルコリラ」が9.0%、「豪ドル」と「ユーロ」と「メキシコペソ」が8.6%で並び、以下「スイスフラン(5.3%)」、「英ポンド(4.8%)」と続いた。「米ドル」は10 カ月連続で首位となったが、回答割合は2 カ月連続で低下した。一方、2 位の「円」は前回の14.3%からやや上昇した。「米ドル」と「円」の人気差が縮小する中、「トルコリラ」や「メキシコペソ」などの回答割合が上昇している。主要先進国通貨の値動きが総じて鈍いこともあって、個人投資家の関心は新興国・高金利通貨に向かいつつあるようだ。
「トルコリラ」を買いたい理由としては「スワップポイント(スワップ金利)が魅力的」との声が圧倒的に多かったが、一部には「レートが安い今こそ買い時」などと、押し目買いによるキャピタルゲイン狙いを示唆する回答もあった。「メキシコペソ」についても「スワップ金利」を買いたい理由に挙げる向きが多数を占めたが、「堅調な(メキシコ)経済」や「原油が高止まりしているから」などの声も出ていた。
問6:今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか
問5 とは反対に、「今後3 カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)」と尋ねたところ、「円」が52.3%で最も多かった。次いで「米ドル」が23.7%で続き、以下、「トルコリラ(7.3%)」、「スイスフラン(5.9%)」、「中国人民元(2.9%)」、「ユーロ(2.2%)」の順になった。「円」は10 カ月連続で最も売りたい通貨となり、回答割合はいくぶん低下したものの3 カ月連続で過半数を上回った。個人投資家の「円」に対する先安観は根強いようだ。
なお、「円」を売りたいと答えた理由については、今回も「低金利」、「高市政権の政策方針」、「財政悪化懸念」などを挙げる向きが多かった。金利については「日銀の9 月利上げは想定済み」、「0.25%の利上げでは却って円は弱含みになる」などとする回答もあった。また、為替介入についても言及が目立ち、「協調介入でも155 円を割れないで戻している」との指摘や「介入効果の剥落」や「介入の反動」で却って円安が進むとの意見もあった。
問7: 7 月末に行われた日米協調円買い介入の効果について、どう考えていますか?
今回の特別質問として「7 月末に行われた日米協調円買い介入の効果について、どう考えていますか」と尋ねたところ、「一時的な抑制にとどまり再び円安が進む」と答えた割合が41.8%で最も多かった。次いで「短期間で円安に戻る」が30.8%、「ゆっくりと円高になる」は15.8%、「早期に円高基調へ転じる」は3.5%だった(「わからない」は8.1%)。
協調介入といえば、1985 年の「プラザ合意」によるドル高是正や、2011 年の東日本大震災後の円高是正が思い起こされる。単独介入に比べるとその効果が大きいことは広く知られているが、今回の日米協調介入で円相場のトレンドが円高方向に転じると予想した割合は合算で19.3%にとどまった。「協調」とはいえ介入で為替相場のトレンドを変えることはできないとの見方が優勢だ。なお、7 月末の一連の円買い介入には十数兆円が投入された公算が大きい。ただ、国際決済銀行(BIS)の2025 年の統計によると、為替市場における1 日あたりの取引高は約9.6 兆ドル≒1440 兆円に上る。巨大化した為替市場の規模を考えれば、十数兆円規模の協調介入も「ノイズ」に過ぎないと言えそうで、円安トレンドを変えることはできないと見るのが妥当であろう。
問8:今後、もし追加の円買い介入が行われるとしたら、どの水準だと思いますか?
もう一つの特別質問として「今後、もし追加の円買い介入が行われるとしたら、どの水準だと思いますか」と尋ねたところ、「164~165 円台」が29.0%で最も多かった。次いで、「162~163 円台」が23.5%、「160~161 円台」が18.0%だった。以下、順に「166~167 円台(9.0%)」、「159 円台以下(6.8%)」、「追加介入は行われない(5.5%)」、「170 円台以上(4.4%)」、「168~169 円台(3.7%)」となった。
なお、7 月末の介入直前に付けた163.99 円前後は約38 年ぶりの歴史的な高値(円の安値)であり、この水準を上回れば追加介入が行われると見る向きが合算で46.2%だった。一方、約38 年ぶりの高値を更新しなくても追加介入が行われると考える向きはそれより多く、48.3%に上った。個人投資家の「介入警戒感」は相当に強いと言えそうだ。


神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年から外国為替市場に携わる為替アナリスト。証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社し、ドル/円スポット、資金(デポジット)、金利デリバティブなど国際金融商品の取引仲介業務を担当。2009年7月、外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・金融市場の調査・分析に従事。2011年12月より現職。
30年以上にわたる市場経験をもとに、個人FX投資家向けの相場解説・情報発信を行う。テレビ東京「Newsモーニングサテライト(モーサテ)」への出演をはじめ、NHK、日経CNBC、ストックボイスTV、ニッポン放送など、テレビ・ラジオ・新聞・WEBメディアへの出演・取材・コメント実績多数。
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe)
2015年から金融業界で経験を積み、2017年10月に外為どっとコムへ入社。サポートセンター業務に従事した後、2022年2月より現職。テクニカル分析を中心に、為替相場・金融市場の調査・分析や個人FX投資家向けの情報発信を行っている。
テレビ東京「モーサテサタデー」にコメンテーターとして出演。ストックボイスTVでの解説をはじめ、各種メディアへの出演・コメント実績を持つ。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』ではドル円・ユーロ円の見通しを連載。
